ブルーアガベ Blue Agave

健康エージの甘味料。9000年前からのメキシコの先住民からの贈り物。

ヒマドール、アガベ刈取りのプロたち

2016-03-22 11:54:03 | レビュー


アガベは世界各地でいろいろな品種が栽培されるが、メキシコでは、テキーラ(近年ではシロップを含めて)をはじめとして重要な産業でもあるので、専門的な農業従事者がアガベ畑を管理している。特にテキーラ生産になくてはならない最上級の品種であるブルーアガベ(ウェバーテキラーナ)に対するメキシコ政府、民間企業の注目度は高く、ブルーアガベから抽出されたシロップやイヌリンファイバー、あるいはアガベシュガーに今後成長する輸出品目としての期待は大きい。期待度が高い反面、アガベの育成には5年から8年もの時間がかかり、簡単には量産できないこともあり、忍耐、選択眼、体力、よほどのアガベに対する愛着がなければ対応できる仕事ではない。しかも、アガベ栽培においては、機械化導入が難しいので伝統的な手法で刈り取られていく。そのアガベ刈取りをするのは、ヒマドール(Jimador)と言われる熟練者たちだ。代々続く竜舌蘭の葉を切り落とし、刈り取っていく専門職なのだ。だから、メキシコ特有の職業としてヒマドールという名前も存在する。

ヒマドールの役割は、ブルーアガベ種竜舌蘭の熟成度を判断することから始まる。成熟し過ぎや未熟なものを刈り取っては、生産の時の糖度にも関係をしてくるからだ。刈り取り時期は一年中なので、季節性はないわけなのだが、雨季の時もあり、真夏の日が照る熱射地獄での仕事もこなさなければならない。まずは葉を切り取ると、巨大パインアップルのような果物を取り出すことになる。その葉を取る作業を通常足元の悪いところで2-3分で行う。雨季は泥の中での格闘であり、トラックなども入り込めないので、刈り取ったブルーアガベのタマを馬やロバなどで運ばないといけなくなる。刈り取ったタマは30キロから60キロにも及ぶので、切るだけでなく、後で集約する時も大変な作業だ。ヒマドールの刈り取るための道具は、コア・デ・ヒーマ(coa de jima)という。鎌なども使うが、これは雑草を切り取るときに使う。コアは日本の丸い扇子のような形をした非常にシャープな写真にもある切り取り道具なのだ。刃先がシャープでコアを振りかざした時は危ないだけに、靴などもきちんと革靴を履かなければならず、暑くて湿った時期にはかなり大変だろうと推測する。
有機栽培をしているところでは、いろいろな虫や蛇などもいるので、自然界との共生となる。現代化が速いテンポで進むメキシコにおいて、ロハス的な活動をするヒマドールたちが活躍する場が増えてくるに違いない。(岩山鉄平)


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