天佑堂鍼灸院日記

楽しい体のプロデュース
刺すハリ治療から刺さないハリ治療へ

東洋医学の発想

2008年11月27日 10時31分29秒 | 健康と美容
一般に言う東洋医学は古代中国でうまれたものです。
当然その時代その地方の習慣思想といったものに深くむすびついています。
その根底にあるのは陰陽5行説であり易の思想です。
森羅万象を陰陽の2種類と木火土金水の5種類にわけていくのです。
臓器、経絡、ツボこれらも陰陽五行に分類されます。
胃は土、腎臓は水、肝臓は木、心臓は火、肺は金、という具合です
日時もまたそれに分類されます。
十干十二支がそれです。
暦にのっている八白土星とか一白水星とかもそうですね。
八白土星んの人は土の性質をもっている。
一白水星の人は水の性質をもっているというわけです。
治療法のなかには患者の生まれた日の十干十二支から治療にふさわしい日時とツボを選定するような方法もありその算出のための表もあるようです。
納甲法とか霊亀八法とかいう方法がそれで明の時代に書かれた「鍼灸大全」という本に載っているそうです。私は直接読んだことはありませんが。
人にはそれぞれ生体のリズムがあり周期のようなものがあるとは思いますし、
それによって治療にふさわしい日時というものがあるのだとは思いますが、日時を限定してしまうのはなんとも治療としてはやりにくいので今のところ自分でやってみようという気にはなれません。

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古きをだずねる

2008年11月26日 11時16分05秒 | 近況
最近、鍼灸学校時代に読んでいた鍼灸関係の本を読みかえしている。
最近は山下言旬氏の「正経奇経統合理論とその臨床」(医歯薬出版)を読みかえしている。
鍼灸学校時代には自由に臨床で追試できる状況でもなかったので理論上のこととしてしか認識できなかったが実際に治療に携わり追試可能な状況ではまったく認識が違ってくる。久しぶりに読み返し目からうろこが落ちることも多い。
太極正経奇経治療を腰痛の患者さんに施術してみる。
この方法は正経、奇経の主要な経絡すべてにアプローチする方法である。
六部定位の脈は肺虚。風邪気味とのこと。
内関、公孫、照海、列ケツ、後渓、申脈、外関、臨泣、足三里、合谷、神門などに
刺鍼または施灸する。治療後確かに脈は平均化しているし身体全体が緩んでおり、いつも以上に効果はあったようである。この方法だと全正経、奇経に対してアプローチしている以上それなりの効果があって当然かもしれない。
難をいうといつも自分の行っている治療よりもとるツボの数が多くなってしまうということであろうか。なるべく治療をシンプルにしていきたいとの思いがある。
もっとも治らなければ治療は意味がないのだからもっとも効く治療を採用するのが当然なのだが。
とてつもなく効いてなおかつ少ないツボの数で効かせられるようにすることが私の今後の課題だと思う。
話は変わるがこの本の中の腰痛治療の例を見ていると山下氏は5番(太めの鍼)で灸頭針を行ったりしている。経絡治療というと浅い針で勝負するというイメージがあるが、かなり強い刺激もしている。自分の経験からも古いコリや交通事故などの外傷によるものは強めに患部を直接施術しないと効果が薄いことが多かったのでやはりそうかと安堵したところがある。
気の治療に関してはかなり上手い名人といわれるような先生のところで治らず私のところで治ったというケースは患部に直接、強めの刺激をしたというケースがほとんどだからだ。
やはり強めの刺激でなければなおらない時はなおらないのだと確信できた。

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病気の良い面

2008年11月12日 15時34分51秒 | 最近思う
先日患者さんとこんな話になりました。
病気で苦しんだせいで人の辛さ苦労弱さそういったものがわかるようになった。
それまでは人のことを思いやることはあまりなかった。人の弱い面を理解することができなかった。
今病気がよくなったからこういえる面もありますが、自分の経験からも確かに病気することによって優しくなれるということもあります。
病気をしなくても思いやり深く優しい人であれればそれにこしたことはないと思いますが。

手かざし診断

2008年11月08日 20時09分19秒 | 近況
最近横田観風先生の「経絡流注講義」や奥平明観先生の「邪気論」などを何年かぶりに読み返し、手かざし診断をするようになった。
今までは舌を見るとか脈をみるとか腹を触るとかしていたのだが。
こういった本を読み返したのは最近やたら観風先生のところに行ったことのある患者さんやら明観先生のところを紹介してくれという人などが頻繁にあらわれるからだ。なにか意味ありげなので読み返して、明観塾でならった手かざし診断などをやってみている。以前はそんなことしなくてもツボは取れるし、じかに触ったほうが早いと思ってやらなかったのだがやってみるとじかに触れるのとは反応点が違うのでツボのとる位置が変わってくる。特に明観先生のいう陽の邪気は左手で陰の邪気は右手でみるという記述が腑に落ちる。
確かに右手の感じと左手の感じは違う。
左手でツボを取るのと右手で取るのとでは捕らえる気がことなるので左手でツボをとったら効かず右でとったら効くというようなことも考えられる。

自分の治療

2008年11月01日 14時29分36秒 | 近況
腹がはる上に胸つまった感じで息苦しい。
というわけで自分の治療をいたしました。
定番で太白や公孫に鍼をうってみる。
どうも今ひとつ反応がよくない。
脾経にそって切経してみると漏谷あたりに反応が強い。
そこに鍼をし撚鍼するとすーっと腹や胸が楽になる。
脾虚だから太白、腎虚だから復留というようにツボをとっても私の場合うまくいかない場合が多い。
切経して最も反応が良いところに鍼をするほうが良く効くように思える。

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