天佑堂鍼灸院日記

楽しい体のプロデュース
刺すハリ治療から刺さないハリ治療へ

古きをだずねる

2008年11月26日 11時16分05秒 | 近況
最近、鍼灸学校時代に読んでいた鍼灸関係の本を読みかえしている。
最近は山下言旬氏の「正経奇経統合理論とその臨床」(医歯薬出版)を読みかえしている。
鍼灸学校時代には自由に臨床で追試できる状況でもなかったので理論上のこととしてしか認識できなかったが実際に治療に携わり追試可能な状況ではまったく認識が違ってくる。久しぶりに読み返し目からうろこが落ちることも多い。
太極正経奇経治療を腰痛の患者さんに施術してみる。
この方法は正経、奇経の主要な経絡すべてにアプローチする方法である。
六部定位の脈は肺虚。風邪気味とのこと。
内関、公孫、照海、列ケツ、後渓、申脈、外関、臨泣、足三里、合谷、神門などに
刺鍼または施灸する。治療後確かに脈は平均化しているし身体全体が緩んでおり、いつも以上に効果はあったようである。この方法だと全正経、奇経に対してアプローチしている以上それなりの効果があって当然かもしれない。
難をいうといつも自分の行っている治療よりもとるツボの数が多くなってしまうということであろうか。なるべく治療をシンプルにしていきたいとの思いがある。
もっとも治らなければ治療は意味がないのだからもっとも効く治療を採用するのが当然なのだが。
とてつもなく効いてなおかつ少ないツボの数で効かせられるようにすることが私の今後の課題だと思う。
話は変わるがこの本の中の腰痛治療の例を見ていると山下氏は5番(太めの鍼)で灸頭針を行ったりしている。経絡治療というと浅い針で勝負するというイメージがあるが、かなり強い刺激もしている。自分の経験からも古いコリや交通事故などの外傷によるものは強めに患部を直接施術しないと効果が薄いことが多かったのでやはりそうかと安堵したところがある。
気の治療に関してはかなり上手い名人といわれるような先生のところで治らず私のところで治ったというケースは患部に直接、強めの刺激をしたというケースがほとんどだからだ。
やはり強めの刺激でなければなおらない時はなおらないのだと確信できた。

天佑堂鍼灸院

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