(み)生活

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ep第20話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2015-06-22 00:28:15 | ガラスの・・・Fiction
ep第19話←                  →ep第21話
********************
「これは・・・・いったい何だ?マヤ」
マヤのマンションに帰ってきた真澄は、ダイニングテーブルの上に置かれた
謎の茶色い塊に目をやりながらひとり呟いた。
「あ、おかえりなさ~い、速水さん・・・って、あ!!!それは!!」
ちょうどシャワーを浴びて出てきたマヤが、その視線の先に気付き
慌ててその塊を抱える。
「何かのおまじないか?」
ネクタイを緩め、上着をハンガーにかけながら真澄が
マヤに声をかけた。
「ひどい!!一応これ・・・・」
・・・・マグカップです・・・というマヤの声は最後まで聞き取れないほど小さい。
「マグカップとは・・・・」
飲み物を入れて飲むものだよな、とどこに液体がたまる部分があるのか
分からない塊に目をやる。
「初めて作ったから!!今はもっとちゃんとしたヤツ、焼いてもらってます!!」
いーだと真澄に悪態をついてマヤはその塊を
部屋の隅に持って行った。
「少しはうまくなったのか?」
マヤは次に出演する映画のため、陶芸教室に通っている。
「クランクインはいつだったか?」
「来月、9月頭からです」
薪割りなら得意なんだけどな~と言いながら、自分の作ったいびつな塊を見つめる。
「あと半月か・・・・」
私は別に、陶芸の先生役じゃないから下手でもいいんです、と言い訳をしながら
真澄に飲み物を用意する。

来年5月公開予定の映画
『微風(そよかぜ)のかたち』
是永幸秀監督注目の最新作である。
是永監督はおととし、フランス国際映画祭で新人賞を受賞し一躍時の人となった。
風景を切り取った穏やかな人物描写に定評のある新進気鋭の監督だ。
この映画でマヤは、山奥の窯で黙々と作品を作り続ける陶芸家(師匠)の弟子、あかね役を
演じる。
「いくら弟子とはいっても、あまりに手付きが不器用だと差し障りがでるぞ。」
ぎくりと肩をすくめるマヤの背中に、高校時代の美術の成績を思い出した真澄は
思わずクックックと笑いをもらす。

「ドラマの方は順調なようだな」
現在放送中のマヤ出演ドラマ『ひと夏のままで』も、今や空前のブームとなり、
テレビや雑誌で特集が組まれるほどのドラマに成長していた。
柊あい演じる主人公友芽の、どんな時でもあきらめない前向きな演技が好評で、
さらに今放送回ではとうとうマヤ演じる親友郁子の
友芽への秘められた愛情が明らかとなり、
一気に視聴者を引き付けている。
「はい。私は来週でオールアップです。」
視聴率も好調で、当初の予定だった全11話が急きょもう1話追加となり、
最終回は2時間スペシャルとなることも決まっていた。
その撮影に今月末まで参加したのち、すぐに次の映画のクランクインが待っている。
まさに寝る間もない忙しさだ。
「体は大丈夫か?スケジュールがつまってほとんど休みが取れていないだろう。」
いたわりの言葉をかける真澄に、自分は大丈夫だと笑顔で答える。
「こんなにいろんなお芝居をさせてもらえて、私本当に幸せです。」
そう笑顔で言った後、そういえば・・・と真澄に真剣な目を向けた。
「あの約束、どうなりました?」
「え?」
「あの約束です!紅天女!」
今年1月~3月の『紅天女』は、来年もまた上演されることが既に発表されている。
上演権保有者としてマヤは、真澄に対し条件を出していた。
「亜弓さん、承諾してくれました?」
来年の『紅天女』はマヤが演じる。その代わりその翌年は姫川亜弓の『紅天女』を上演すること、
それがマヤが真澄に出した条件だった。
昨年の10月の試演後、すぐに入院した亜弓。
11月に月影千草から正式に紅天女を継承したマヤはその足で亜弓の病室を訪ねた。
そして手術直前の亜弓に、紅天女を演じてほしいとお願いした。
その段階ではまだ手術によって亜弓の視力が回復するという保証はなく、
最悪の事態も予想された。
しかしマヤは全くそんなことを考えてはいなかった。
亜弓の手術は必ず成功する、亜弓の視力は戻る。
マヤはそう確信していた。
「はっきりとした返事はまだもらっていない。」
マヤに断りを入れて煙草に火をつけた真澄は、
「今度、亜弓君の所に行こうか?彼女も君に会いたがっていたよ」
と言った。
「え!亜弓さんもう東京に戻ってきてるんですか?」
マヤが立ち上がって叫んだ。
「ああ。ついこの前まで海外で静養していたようだが一旦帰国しているらしい。
 またすぐに海外に発つようだから、その前にもしよければ一度会ってみてはどうだ?」
4月に別荘から姫川の屋敷に戻ってきた亜弓は、年内いっぱいの休養を
海外で過ごすため、その候補地を転々と探していたらしい。
「会いたいです!でも私も来月からはロケで東京を離れるし・・・・」
スケジュール大丈夫かな?というマヤに、大原くんには話をつけているから大丈夫だろうと
真澄は答えた。
「映画撮影前のどこかのタイミングで1日休みを入れてもらった。」
亜弓とも調整して、大原から追ってスケジュールの連絡をすることを告げると真澄は、
「その日の夜、久しぶりに伊豆でも行かないか?」
と続けた。
来月からは山籠もり、その前に二人で海でも眺めたい・・・・


**
「あら、マヤちゃん!お久しぶり。元気そうね。」
久しぶりに大都芸能社長室に姿を見せたマヤに、水城が声をかけた。
「水城さん!お久しぶりです。ほんとに、ここに来るのも久しぶりです。」
来る暇もないほど忙しいのはいいことよ、と水城が笑いながら
マヤのためにオレンジジュースを入れる。
「今日は午後から亜弓さんの所に行くんだったわね。」
「はい。」
まだまだ暑さが厳しい8月下旬、じっとりと体にまとわりつく湿気を
冷たいジュースがひと時忘れさせてくれる。
「速水さんも一緒なんですけど・・・。お仕事忙しい時にすみません。」
一人でもよかったんですけど・・と頭を下げるマヤに、
今日この日をあけるため、昨日まで必死で残業をしながら業務をこなしていた上司の
健気な姿を思い出す。
「大丈夫よ、マヤちゃん。真澄さまも今日はこの後もう予定はないから。」
亜弓さんとの話し合いも大切なお仕事だし、とマヤにケーキを勧めた。
「まだまだ暑いだろうけど、体調管理は気を付けてね。」
先週マヤの部屋を訪ねて来て以降、真澄と会うのも久々だ。
真澄が忙しいということは、必然的に秘書の水城の業務も忙しくなる。
マヤは間接的ながら水城にお世話になっていることをしみじみ思った。
「大原さんにもいつもお世話になってますけど、水城さんにも本当に
 昔からお世話になりっぱなしですね、私。」
そう言ってもう一度頭を下げるマヤに、あの小さかった女の子がこれほどまでに
成長したのか、と少ししんみりする。
「お世話なんてとんでもないわ。マヤちゃんががんばってくれているおかげで、
 大都芸能もどんどん忙しくなっているんだから、感謝したいのはこちらのほうよ。」
「ほんとですか?私、少しは大都芸能のお役に立っていますか?」
4月に正式契約をして以来、いや正確に言えば新春の『紅天女』公演以来、
大都芸能の業績は前年を大きく上回り右肩上がりに上向いている。
ここしばらく仕事以外の懸案事項が多すぎて、なかなか辣腕をふるえなかった上司が
ようやく本来の力を発揮し始めたから、ともいえるが
何より北島マヤが大都にもたらしたものは早くも大きな成果を生んでいる。
「あなたが大都と契約していなかったらと考えると・・・・身震いがするわ。」
冗談めかして言う水城の目は笑っていない。
"いろいろな意味で、終わっていたでしょうね・・・・"
「そうですか、速水さんあんまり仕事の事話してくれないから、なんか迷惑かけているんじゃないかと
 ちょっと心配してました。」
よかった~と言いながらケーキを食べるマヤは、10代の頃とまるで変わらない。
そんなマヤの様子を見ていると、かつて事務所の前で泣きじゃくりながら
真澄の名を呼んでいた時の痛々しい姿が嘘のようだ。
「最近、記者に付け狙われてるようだけど、大丈夫?」
水城のもとには大原からの報告が伝わっていた。
当然真澄もそのことは知っている。
「あ、そうみたいです。私は全然気づかなかったんですけど、ドラマの撮影現場から家の近所とか、
 結構カメラマンがうろうろしているみたいで。」
私のプライベートなんて、撮ってもなにも面白くないと思うんですけどねと言ってマヤは笑った。
実際普段のマヤはあまりに素朴で、すっぴんで買い物をしたり、ジャージを着て
近所をランニングしたりと、かなり自由に動いていた。
あわよくば男との逢瀬を・・・と期待していたカメラマンはきっと拍子抜けだっただろうが、
今のご時世、すっぴん姿だけで強引に記事にしたり、
"人気女優の淋しい一人飯"
などと言った勝手な見出しをつけてそれっぽい写真を掲載する事もあるため、
やはり気は抜けない。
メイクに関しては、普段から舞台用メイクをとればいつもすっぴんのような顔のため、
それほど問題はないが、やはり一人で夜の街をランニングするのは
記者対策でなくても危険が伴うため、今は禁止されている。
「ランニングマシンって、なんだかつまんなくって。やっぱり外の空気吸いながら走りたいです。」
「そうね・・・。でもあの部屋のマシンすごいでしょ。ちょっとしたスポーツジムより整ってるわよ。」
水城の言うあの部屋とは、マヤの住むマンションの最上階にある、大都芸能所有の部屋だ。
いつも真澄はその部屋を経由してマヤの部屋を訪ねている。
もともとは大都芸能のちょっとした倉庫代わりに使用していたのだが、
真澄がそこを少しずつ改良し、フィットネスマシンや、AVルームを設置した。
基本的にマヤ専用の部屋として、映画やドラマの映像を見たり、トレーニングをしたり自由に使えるようになっている。
「私も使ってみたいわね。」
防音だから、発声練習もし放題ですと盛り上がるマヤと水城の笑い声が、
扉の向こう側にも漏れていた。

「ずいぶんと楽しそうだな。」
「真澄さま。会議は終わられましたか。」
すっと秘書の顔に戻った水城の振る舞いに、大人の女性を感じながら
マヤは真澄の方を見た。
「ああ。この後2、3の決裁書類をまとめたら出られると思うから、
 マヤ、もうしばらく待っていてくれるか。」
ゆっくり食べてます、というマヤの前の皿にはほとんどケーキは残されていなかった。


**
「久しぶりね、マヤ。」
「亜弓さん! その髪型・・・・素敵!!」
真澄から話は聞いていたが、これまでのイメージを覆す
ショートボブの亜弓は、むしろ今の季節にピッタリのさわやかな姿で、
日差しから守るための薄目のサングラスがよく似合っていた。
「これでもだいぶ伸びたのよ、髪の毛。」
そういいながらピンっと耳にかかった髪を指ではじく亜弓のしぐさは
とても様になっていて、マヤは思わず眩しそうに眼を細めた。
「見てるわよ、ドラマ。なかなか面白いわね。」
しばらくの間マヤの出演するドラマの話題で盛り上がると、
話は今後の事に及んだ。
「亜弓さん・・・あの・・・・それで・・・」
「・・・・紅天女の事でしょ。」
マヤの目をまっすぐに見つめる亜弓の表情は、最初にこの話をした病室の時とは違い、
落ち着いている。
「はい。私、亜弓さんの紅天女が見たいんです、どうしても。だから」
「でも、月影先生をはじめ、多くの審査員の方々が二組の試演を見て決定したことよ。
 私より、あなたの方が紅天女を演じるにふさわしい女優と決まったのに、
 今更私が演じる意味なんてあるかしら?」
言葉の悲壮感とは裏腹に、紅茶を飲む亜弓の姿はどこまでも落ち着いている。
"亜弓君はもう決めているな"
心の中で真澄はそう思うと、たばこを吸うため、そして二人だけで話をさせるために
庭の方に移って行った。
「意味なんて・・・・。亜弓さんはまだやり残したことがあるって思いませんか?」
「え?」
「私、試演まで本当に悩みながら演じてきました。阿古夜の気持ちが分からない。
 紅天女としての動きが分からない。
 自分の感情に左右されて、演技に集中できない事も・・・。
 それでも梅の里での稽古からずっと、紅天女の事だけを考えてきて、そして演じてきた
 つもりです。それなのに・・・・」

いざ、本公演の舞台に立ったら、毎回答えが違うーーーー

「今日の舞台と昨日の舞台では、同じように演じているつもりでも何かが違う。
 そして演る度に、あそこはもっとこうだったんじゃないかとか、今度はこういう風にとか、
 いろいろ考えが浮かぶんです。」
演じた数だけ答えがある、それならば・・・
「私、亜弓さんの出す答えも知りたい。亜弓さんだったらここをどういう風に表現したんだろうって、
 考えない日はありませんでした。」
紅天女の上演権を保有するということの重大さ、そして何十年ぶりに再演を
果たすことの意味、その重責はマヤの想像以上だ。
しかしマヤは感覚的に継承していた。『紅天女』の遺すこと、そして次世代に継承する事、
さらなる高みに導くこと、それが自らに与えられた使命なのだという事に。
「亜弓さんの紅天女を見ずに、これが最高の『紅天女』だなんて、私とても思えません。」
だからお願い、亜弓さんの紅天女を、私に感じさせてください。

「・・・・・・私、年内いっぱいは海外で暮らそうと思っているの。」
マヤの願いに答えるでもなく、唐突に亜弓はそう言った。
「日本に戻ってきたら、あなたの舞台を見に行くわ。」
もしあなたの舞台を見て絶対にかなわないと思ったら、私は紅天女を演じません。
亜弓はまっすぐに言い切った。
「だからってマヤ、いい加減な演技をするようだったら、私は途中で席を立ちます。
 そしてもう二度と、あなたと会う事はしないわ。」
そういう亜弓の目は、以前梅の里で共同生活を営んでいた頃の心の炎が
見え隠れする。
「あなたの演技に刺激を受けるような、そんな女優になれるよう、
 私も休養期間中精一杯努力するから、だから返事はもう少し待っていてくれないかしら。」
さっきまでの厳しい表情とは一転、にこやかにほほ笑む亜弓の顔はどこまでも晴れやかだ。
「亜弓さん・・・・」
思わず涙ぐんだマヤの手を取り、ギュッと握りしめた亜弓は、
「さ、紅茶がさめちゃったから新しいのを入れるわね。」
とばあやを呼んだ。

**
「あのね、亜弓さん・・・」
新しく準備された紅茶の香りを楽しみながら、亜弓がヨーロッパで
買ってきたという高級そうなクッキーをひとしきり楽しんだ後、
マヤが顔をやや赤くしながら言葉を発した。
「紅天女ってさぁ・・・・・、やっぱり・・・・・」
結婚とかしちゃ、だめなのかな、というマヤの声は最後のほうが聞き取れないほど小さかった。
「え?」
「い、いや別に、そんな予定があるとか、そういったわけじゃないの!
 ただ、私も亜弓さんもいつかはその・・・・結婚したり、子どもを産んだり、
 そういう日が来ると思うんだけど・・・・」
マヤの唐突な話に最初は面食らった亜弓だったが、言わんとすることの意味は
伝わってきた。
「確かに月影先生は、生涯独身を貫いて紅天女に人生を捧げているわね・・」
「ええ・・。それに阿古夜って、純粋に一真に恋する乙女でしょ。
 それを演じる女優に、その・・・」
マヤの顔は真っ赤で、それ以上は言葉を続けられないようだった。
そんな様子にふふふと笑いが漏れる亜弓が、
「子供がいちゃ、おかしいって?」
こくりとうなずくマヤはおよそそんな会話をしているとは思えないほど
初々しい。
「私なら・・・・もし私が紅天女を演じるのなら・・・・」
亜弓は口元に浮かべた微笑みをそのままに、ただ言葉だけはくっきりと
射るような力強さで語った。
「観客に、そんなことを気にさせるような演技はしないわ。
 たとえ子どもがいようと、おばあちゃんになろうと、
 舞台の上では絶世の美女であり女神として存在するわ。」
亜弓のその言葉に勇気づけられるように、マヤの肩のから力がすっと抜けた。
「ねえマヤ、今こうやって二人で紅茶を飲みながらおしゃべりをしている姿は、
 すでに紅天女とは全く正反対の世界だわ。」
正反対の世界を生きられる、舞台の上でなら全く別の人生を体験することができる、
それこそが女優という仕事
「観客が、私たちの舞台をみて、その世界を信じることができたなら、
 現実世界の私たちがどんな姿でも、かまわないのではなくって?」
知らず知らずの間に私たちと言っている亜弓の言葉の変化にマヤは気付かなかった。
「そう、そうよね。・・・・さすが亜弓さんだわ。」
亜弓らしい自信に満ちた言葉に、やはり亜弓は紅天女をやるにふさわしい女優に
違いないとマヤは確信を深めていた。
「でも、これでちょっと理由が分かったわ。」
「え?」
「あなたが私に紅天女を演れという本当の理由。」
「え?それはさっきも言った通り・・・」
「そうよね、一人でずっと紅天女を演っていたら、いつまでたっても結婚できないものね。」
「!?」
そそそそそんな意味では・・・・・と顔を真っ赤にして飛び上がるマヤの姿に
くすっと笑いながら、
「ましてや子供を産むとなれば最低一年間は休業が必要、その間紅天女を
 休まなければならないもの。」
「亜弓さんっ!!」
「そうね・・・・でもそうよね。もし、二人で紅天女を守っていければ・・・・」
お互いの人生も、もっと生きやすくなるのかもしれない・・・・。
「私は正直、演劇のためだったら自分の私生活なんてどうなってもいいと思っていたわ。」
「亜弓さん・・・」
「でもね、去年梅の里で月影先生に風火水土のエチュードを教えていただいた時に、
 人として、自然と共に生きるとはなんなのかをずっと考えていた・・・」
この地球上に生きる一生命として、生かされているこの世界において、
子どもを生み育て、次の世代に継承していくこと、それが何よりの宿命なのではないか。
「命を育て、命を尊び、そして命を全うすること、それこそが紅天女の世界なのかもしれない・・・」
独り言のようにそう語った亜弓の横顔は美しく、そしてその言葉はマヤの心に
深く刻み込まれていった。

ep第19話←                  →ep第21話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
懐かしメンバ―登場編になりました。
最近オリジナルメンバーが活躍してくれていたので、
それはそれで盛り上がっていたのですが、
ちょっと『ガラスの仮面』を読み返したもので、
いろいろ動かしたくなりました。

真澄さんのシーンが少ないので、
次の話でたっぷり書きたい!
伊豆!伊豆!伊豆!夏の伊豆!!
~~~~~~~~~~~~~~~~