「声がせんようになったな、と思って外へ探しに出てみたらね・・・」
朝から孫Aを連れて帰ってきている娘が、夕餉の途中でそう切り出した。
ニコニコと、である。
以下、娘いわく、
・・・・・・
爺さんBと婆さんCとが(夫婦です)、フキの皮をむきよったがよ。
(ちなみに、都会の皆さんは知らないかもしれないが、春を告げる代表格でもある「フキ」は、じつは秋にもとれる)
それがネ、うちのおばあちゃん(孫にとってはひいばあさん)と3人で葬式とか仏壇とかの話をしてるなかで、
まわりの会話がわかっちゅうかわかってないかわからんけんど、そこにまざってあの子はひとりで黙々と。
むき終わったあと、
「手伝ってくれたほうびや、これもっていけ」
と婆さんCが柿をいっぱいくれたがよ。
わたしがその皮をむいて、「おじいちゃんとおばあちゃんに持っていこ」ってゆうて二人でいったら、
「そりゃ硬とうてオラぁかめれん」
と言うなり爺さんBが、
入れ歯をパコッと外して一同爆笑。
入れ歯を外したシワクチャ顔のまま、ウチの子と笑い合うお爺を見て、みんなでまた大爆笑。
むかし、あの人によう怒られたやんか。
ふとその顔がよみがえってね、
なんかしみじみしてしもうたがよ。
・・・・・・
娘がおもしろ可笑しく語る、田舎のちいさい秋の光景を思い浮かべ、
「うんうんそうそうすべからく、歳々年々人同じからずなのだよ」
と独りごち、
お酒がお酒がススムくんのオジイなのだった。
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