答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

折り合い

2018年04月28日 | CCPM

山越えで徳島まで行き、港に車を置いて和歌山まで。

夕陽を受けて進む船内で、思わず、

♪ 徳島港発和歌山行きフェリー、このじいさんときたら~ ♪

なんて鼻歌が口をついて出る。

吉田拓郎の『落陽』をはじめて聞いたあのころは「あのじいさんときたら」だったが、40数年を経た今は、まちがいなく「このじいさん」だ。

苦笑いしつつ、読みかけの本をめくる。

 

21世紀の楕円幻想論 その日暮らしの哲学
平川克美
ミシマ社

 

英語でいうManegementとは、通常は、「管理する」とか「監督する」と翻訳されますが、語源的には「馬を手綱で御する」というところからきた言葉なんです。

競馬で言うところの「折り合い」ですよね。

競走馬は、走るに任せていると、先頭へ向かって全力で走ろうとする。しかし、騎手は、馬場の状態、コースの長さ、馬の血統や性格、スタミナに合わせて、その力を最大限発揮させるために、手綱を操って制御する。かといって、制御し過ぎてしまえば、馬は走る気を殺がれてしまう。理想的な騎手は、馬と折り合いを付けながら、人馬一体となって最適な走りを見い出していきます。

「やりくり・折り合い・すり合わせ」っていうのは不合理なもの、本来一緒にできないものを共存させながら現実的な処方を見出そうという態度です。(平川克美『21世紀の楕円幻想論』P.192~193、太字宮内)

 

21世紀の楕円幻想論 その日暮らしの哲学
平川克美
ミシマ社

 

なるほど、これはいいことを教えてもらった。

マネジメントの本質は「折り合い」である。

いや、「折り合い」こそがマネジメントなのだ。

と激しくうなずきつつ、また口ずさむ。

 

♪ 徳島港発和歌山行きフェリー~ ・・・

また振り出しに戻る旅に日が沈んでいく ♪

 

まったく、このじいさんときたら・・・w

 

落陽 (高中バージョン)

 

 

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「プロジェクトバッファ=穴熊」論?

2018年03月24日 | CCPM

将棋の囲いと守り方』より

 

ふと、こんな画像を目にする機会があった。

いわゆる「穴熊」、左下隅にある「玉」を守るためにその他の駒はある(たぶん)。

たぶん、というカッコつきなのは、将棋というものに対してのわたしの知識が駒がどうやって動くかのみを理解しているにすぎないからだ。まったくもっての門外漢。素人もいいところである。

その素人が、この画像から唐突に想像したもの。ソッチは専門分野であるクリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント。そう、わたしにとっての伝家の宝刀CCPMだ。

以下、久方ぶりにCCPMについて書いてみる。

 

CCPMの肝はプロジェクトバッファである。

一つひとつのタスクに潜んでいるバッファ(いわゆる「安全余裕」とか「水増し」とか「サバ」とか)をはぎ取ってひとまとめにし、工程計画のうしろに配置したものをプロジェクトバッファと呼び、その増減量や増減傾向をグラフにして「遅れ」や「進み」を管理(コントロール)していくのがCCPMの要諦だ。

ここにひとつ重要な思い違いがある。

各タスクをつなげたチェーンの「うしろ」に配置する、と思われることが多いプロジェクトバッファは、正しく言うと、守るべきもの(建設プロジェクトの場合はすなわち工期=ゴール)の「前」に備えとして存在する。もちろん、チェーンの「うしろ」もゴールの「前」も物理的な位置としてはまったく同じだ。したがって、わたしがこんなことを言うと、「屁理屈を言うな。どっちでも同じじゃないか」と思う向きも多かろう。だが、「前」か「うしろ」か「うしろ」か「前」か、一見するとどうでもいいようなこの差が、CCPM理解が本質的なものとなるかそうでないかの分岐点となる。

簡単にその理由(わけ)を説明する。

現場監督(プロジェクトマネジャー)が一つひとつのタスクのなかに潜ませておいた安全余裕(バッファ)の存在意義は、「地球を相手にする仕事」である土木工事で頻繁に起こる「なんだかよくわからないこと」への「守り」としてある。「備え」と言ったほうが適切かもしれない。それを白日のもとに晒してひとまとめにするという行為は、すなわち、現場監督のアタマの中身をオープンにして情報共有するということだ。そうすることで、「サバ」という不名誉な通り名をもらっていたバッファが、プロジェクトバッファという名の「ゆとり」に進化する。そして、そのプロジェクトバッファの増減や傾向の一挙手一投足を注視しながら、優先順位を把握して、必要なときに必要なところへ集中することで余裕を生み出す。

つまり、プロジェクトバッファは納期を「守る」ための「備え」としてある。ということは、「前」か「うしろ」か、結論はハッキリとしている。プロジェクトバッファは「守る」べきものの「前」に置く。例えていえば、室戸岬の最御崎寺の前門にドーンと構える仁王像のようなものなのである。

 

最御崎寺 (『トリップアドバイザー』提供)

 

以上が、「プロジェクトバッファ=仁王」論とでもいうべきこれまでのわたしの理解である。


ところが、「居飛車穴熊」の盤面を見てひらめいたことはチトちがう。

プロジェクトバッファは、お仁王さん的なものではなく、「玉」を奉じて守りを固める金将銀賞桂馬香車などなどの各駒の総体(のようなもの)だ。まさしくそのことこそがプロジェクトバッファの本質なのではないか。そうひらめいたのである。

つまり、厳として敵を跳ね返す剛体的なものではなく、もっと柔構造を有したものがプロジェクトバッファであり、駒単体のチカラで戦闘にのぞむのではなく各駒の総体として敵に対し、そのなかのひとつが欠けてもふたつが欠けても、「玉」を守り抜くことができたら勝利であるという考え方、それこそがCCPMにおけるプロジェクトバッファであり、クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメントそのものなのではないか、そしてそこでは、一つひとつのバッファの増減に気を取られてはならず、あくまでも全体にとっての最適は何かにもとづいて優先順位が決まり、最終的に守るべき玉座は納期である。


「へ~。。。思いつきにしてはけっこうよいではないか」

そう自画自賛してみたそのあと、ひとつ重大な欠陥があることに気がついた。以上はあくまで、「居飛車穴熊の総囲い」という盤面を見て受けたインスピレーションに過ぎず、当のわたしが、将棋の世界では言わずと知れたポピュラーなその戦法についてまったく知識がない。これは話にならないほど重大な欠陥である。

ああ、お願いだから誰か、この論を展開してはくれまいか。

「プロジェクトバッファ=穴熊」論、悪くないような気がするのだが・・・・ ^^;




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『キューピー3分クッキング』(からの学び)

2018年02月20日 | CCPM

株式会社ユニフロー石橋社長の事例発表からもうひとつ書かせていただく。

新潟で石橋さんの話を聴いたあと、遅ればせながらユニフローさんとはどんな会社か調べてみた。たぶんそのときに説明してもらってるのだろうが上の空で聞いていて頭に入ってない。われながら残念だがその程度の人間である。いやいやわたしのことなどどうでもいい、ユニフローさんだ。Wikipediaから引いてみる(そもそもWikipediaに載っているのがスゴい)。


株式会社ユニフローは、東京都品川区に本社を置く業務用ドア・シャッターを製造販売する企業である。

スーパーマーケットなどの商業店舗で見られる、売場とバックヤードを間仕切るスイングドアと呼ばれる扉(多くはアルミやステンレスで作られた自閉式の扉。海外ではswing doorまたはtraffic door)の国内最大手。市場シェアは、公称で80%である。
米国製の全自動製氷機を主とする輸入販売業として発足したが、同じく輸入商品であったスイングドアで成功したのをきっかけにメーカーに転じた。現在は自社生産しているスイングドアやシートシャッターをはじめ、軽量引戸や住宅用金具など扱い製品を広げている。

ちなみに「ユニフロー」の社名は、創業当初に扱っていた製氷機のブランド名が由来とされる。


「スーパーマーケットなどの売場とバックヤードを間仕切るスイングドアと呼ばれる扉の市場シェアが80%」ということは、ほぼどこにでもあるということだ。高知へ帰った翌々日、となり町のスーパーに行った際に確認してみると(オラの村にはスーパーがねぇ)、店員さんが出入りを繰り返すドアにはたしかにユニフローの社名とスイングドアという商品名があった。スイングドア、画像を見ると皆さんハハア~と納得してくれるだろう。

 

株式会社ユニフローHPより

 

さて、そんなユニフロー石橋社長の話が、やたらとおもしろくてタメになったというのは昨日書いたとおりだ。そのなかでも、もっともわたしにウケたのがTOC(制約理論)の根幹に関わる部分である”5Focusing Step”(継続的改善の5ステップ)の活用、題して「ボトルネックに集中して生産キャパをアップする」の巻だった。

TOCの実践を始めた彼女が、「制約は何か?」という観点から工場の組立ラインを検証してみると、あきらかにボトルネックとなっている工程があったという。しばらく観察しているとその段階を担当する人だけがアッチコッチと忙しく動き回っており、そこで生産工程の流れが阻害されている。それを発見した石橋さん、ハタと思い当たることがあったという。あの人気長寿TVプログラム、「キューピー3分クッキング」だ。あそこでは短時間で料理を仕上げるために、ときには切る、そしてときには煮る、焼く、炒める、それぞれの工程をすでに済ませた材料が、料理担当者が動き回らなくてよいようにあらかじめその周りに用意されている。あれこそが制約条件への集中であり制約条件の活用だと思い当たった彼女がとった方法は、他工程の担当者にボトルネック工程担当が作業に集中できるための作業を振り分けたこと。そうすることによって、生産のキャパシティが150%アップしたのだという。

この手の話によくあることだが、あとから聞く人間にはそれほど難しいこととは感じられないかもしれない。「な~んだ、そんなことか」「そんなこと、誰でもわかるじゃん」てなもんである。ましてや、イスラエルまで行ってTOCの祖Dr.ゴールドラットに直接師事したという彼女には、すでにそれだけの知識も理解もあったのだろう。だが、それだけではないのだ。そして、単に「やったこと」が素晴らしいだけで成果があがったのではないのだ。TOCと「キューピー3分クッキング」を結びつけられる頭脳と心の柔軟さにこそ石橋さんの凄みがある。社長業をする以前は専業主婦だったという彼女が、たとえば「キューピー3分クッキング」という、自らが身体性をともなって存在する自分のテリトリーに、TOCという、これから拠って立とうとするあらたな理論と知識を整合させた。そこから、脳内での理解が身体性をともなった知悉に進化し、それから生まれた言動が人を動かしたのではないだろうか。(全て推測です、スミマセン)

それは、われとわが身、あるいはアナタとアナタの身に置き換えてみればよくわかる。たとえば、「キューピー3分クッキング」を見て、人はまずどんな反応をするのだろう。

「この番組って3分じゃないよね」「3分で仕上がらない料理ばっかりじゃん」「すでにつくってるのはインチキでしょ」と懐疑的な反応をしてしまう人。はたまた素直に、これは時短料理のヒントだととらえ自分自身のレパートリーに入れる人。生来の天邪鬼であるわたしなぞは、たぶんに前者的な反応をしてしまうのだろう。だが彼女は、学んだ制約理論を実践するにあたってTOCと「キューピー3分クッキング」を合体させるということで見事に身体に落とした。繰り返すが、ここに石橋さんの凄みがあるとわたしは思う。「張良と黄石公の逸話」(※)からもわかるように、あるコンテンツから学びが起動するとき、たいせつなのは教える側の優劣やコンテンツの良し悪しではなく、学ぼうとする側の感性にあるからだ。

「なんとまあしなやかな感性だろうか」

彼女の話を聴きつつわたしはそう感じた。「かくありたいもんだ」とも思った(できるかできないかは別として)。そして(これが肝心なところだが)、これから先の拙講拙話に「キューピー3分クッキング」の話をチャッカリ拝借しようと決めた。(あとでご本人の許可をいただきました)


以上で株式会社ユニフロー代表取締役社長石橋さゆみさんの事例発表聴講記(のようなもの)はジ・エンド。またどこかでお会いし聴かせてもらえれば、また別の「気づき」がありそうで、今からその日が楽しみなのである。



張良と黄石公(『日本辺境論』内田樹、新潮新書、より)

張良というのは劉邦の股肱の臣として漢の建国に功績のあった武人です。秦の始皇帝の暗殺に失敗して亡命中に、黄石公という老人に出会い、太公望の兵法を教授してもらうことになります。ところが、老人は何も教えてくれない。ある日、路上で出会うと、馬上の黄石公が左足に履いていた沓(くつ)を落とす。「いかに張良、あの沓取って履かせよ」と言われて張良はしぶしぶ沓を拾って履かせる。また別の日に路上で出会う。今度は両足の沓をばらばらと落とす。「取って履かせよ」と言われて、張良またもむっとするのですが、沓を拾って履かせた瞬間に「心解けて」兵法奥義を会得する、というお話です。それだけ、不思議な話です。けれども、古人はここに学びの原理が凝縮されていると考えました。(P.142)

張良の逸話の奥深いところは、黄石公が張良に兵法極意を伝える気なんかまるでなく、たまたま沓を落としていた場合でも(その蓋然性はかなり高いのです)、張良は極意を会得できたという点にあります。メッセージのコンテンツが「ゼロ」でも、「これはメッセージだ」という受信者側の読み込みさえあれば、学びは起動する。(P.148)



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走り出したら何か答えがでるだろう

2017年10月11日 | CCPM
進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―――プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社

 

 

『進む!助け合える!WAのプロジェクトマネジメント』(宮田一雄)ではCCPM理論の特徴として以下の5つが挙げられている。

1.マルチタスクを排除する

2.クリティカルチェーンによるマネジメント

3.個々のタスクからバッファ(安全余裕)を取り出す

4.バッファの消費状況で、プロジェクトを管理する

5.フルキットの状態にして、タスクに取り掛かる

 

”2”から”4”については異論がない。”1”と”5”については若干ある。

まず”1”について。それは、「マルチタスクを排除すること」はどこまで行っても無理だということ、したがって、「マルチタスクにはできるだけならないようにタスクの交通整理をする」とか「悪いマルチタスクをしない」とかの程度にしておかないと、「CCPMなんて所詮は絵空事の理論だ」なんてことになりかねない、ということだが、著者も書いているように「CCPM理論では、WIPの数が極力少なくなるように、リソース(人員)を集中させ、短期でタスクを完了できるようにコントロールする。」(※WIP=Work progress:仕掛かり中の作業)ことの有効性については、頭も身体も納得しているので、基本的にはOKとしても差し支えない。

読むなり、「そうか?」という文字を本に書き込んだのは、こんな箇所だ。

 

5つめの特徴は、「タスクに必要な万全の準備(=フルキット)が整うまで、スタートさせない」というものだ。

 

文はそのあとこうつづく。

 

今までのプロジェクトの中で、取りあえず次のタスクに着手したものの、必要な材料がそろっていないために、計画以上に時間がかかってしまったり、作業を中断せざるを得なくなった経験がある読者も多いだろう。そして、完了できない仕掛かり中のタスクが増えれば、進捗や課題管理も複雑になっていく。いくら早くから始めても、準備不足のままでは結果として無駄が生じるだけなのである。そのためCCPM理論では、準備が整っていないタスクを開始させないようコントロールをすることで、「待ち」の時間のリスクを回避している。(P.33)

 

ここで触れられているのはタスクのことだ。たしかに個々のタスクに取り掛かる際の心がまえとしてはこれでいいかもしれない。しかし、プロジェクトをマネジメントしていくとき、「フルキットの状態になるまで開始しない」という態度はどんなもんだろうか。プロジェクトは不確実性に満ちあふれている。だからこそ、リスクを先読みし前倒しでそのリスクを解決することがプロジェクトの成功にとって必須となるのだが、その一方、不確実なものに完璧な準備などできるはずがないのも事実である。

そこでは、「♪ 走り出したら何か答えが出るだろう ♪ 」的な腹の括り方が必要となってくる。完璧な準備ができない以上、ある一定の準備と対策が整いしだい、そのタスクはプロジェクトのなかにリリースしてやらなければならない。そうでないと今度は、いつまで時間が経過しても実行されないタスクがプロジェクトの進行を阻害する要因となってくる。

CCPMの大きな特徴のひとつは、修正段階にある。そこがCCPMの極意であり肝でもあるとわたしは思っている。つまり、当初計画には拘泥しない。計画は修正するためにあるという考え方だ。たしかに「綿密な計画」は立てなければならない。だが「綿密な計画」は、その計画どおりプロジェクトを実行するために存在するのではなく、あくまでも「つながり」(因果関係)と優先順位を明らかにするためにあることを忘れてはならない。したがって、計画立案段階で悩んだときには、どこかの時点で「♪ 走り出したら何か答えが出るだろう ♪ 」的な引導をわたしてやることが必要だ。多くの場合、その不確実性は実践段階で確実なものに変わってくる。計画段階(Plan)ではわからなかった「答え」が「やる」(Do)の実践場所である現場で見つかった、なんてことは日常茶飯のできごととして誰しもが経験しているはずだ。そこで修正する。「わかった」ことを基に計画を修正する。そしてまた「やる」。その繰り返しのなか、バッファの消費傾向をグラフで管理(書中ではトレンドチャートと呼んでいるがフィーバーチャートという呼称もある)していきながら、黄色のエリアで進捗をコントロールすることこそがCCPMがもっともCCPMたる所以、すなわちCCPMの極意であり肝でもある。


 

そうそう・・・

このことについては著者もまた、

 このようにITプロジェクトは、そもそも不確実なものだ。にもかかわらず、マネジメントする現場では、「いかに綿密な計画を立て、その計画通りに進行するか」という点に終始して、管理体制やルールが策定されていることが多い。ITプロジェクトそのものの不確実な本質を無視して、当初の計画にこだわること自体、実は大きな矛盾でもあるのだ。(P.19)

と書いているので、けして理解されていないわけではなく、むしろ正しく把握されているというべきだろう。ここに書きとめたことはあくまでも、「タスクに必要な万全の準備(=フルキット)が整うまで、スタートさせない」という表現について「そうか?」と感じたわたしが、自分の頭のなかを整理しながら、CCPMについての考えをまとめてみたにすぎないことを申し添えて、この稿を終わりとしたい。


ふ~っ。

朝4時過ぎに布団から抜け出し、そんなこんなを考えながらキーボードを打っていると無性に腹が減ってきた。

さて、今日はどんな日になるのだろうか。

 

♪ 走り出したら何か答えが出るだろうなんて

 俺もあてにはしてないさ してないさ

 男だったら流れ弾のひとつやふたつ

 胸にいつでもささってる ささってる ♪

(『男達のメロディー』喜多條忠作詞、Casey Rankin作曲)



 

 

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マルチタスクの処方箋

2017年10月09日 | CCPM

失敗の原因は、情報の貧困と戦力の逐次投入、それに米軍の水陸両用作戦に有効に対処しえなかったからである。日本の陸軍と海軍はバラバラの状態で戦った。(『失敗の本質~日本軍の組織論的研究』、戸部良一他、P.107)

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部良一他
中央公論社

 

我れは専まりて一と為り敵は分かれて十と為らば、是れ十を以て其の一を攻むるなり。則ち我れは衆にして敵は寡なり。能く衆を以て寡を撃てば、則ち吾が与[とも]に戦う所の者は約なり。(『兵法~虚実篇』、孫子)

 

自軍は集中して一つとなり、敵軍が十に分裂してしまえば、十の小さな軍で一の大軍を攻めることになる。つまり、自軍は大軍であり、敵は小勢である。大勢の自軍で少ない敵を攻撃することができるのは、敵が既に分裂して勢力を削減しているからである。(同、現代語訳、https://goo.gl/nHJ7Ckより)

 

新訂 孫子 (岩波文庫)
金谷治訳
岩波書店

 

「早く終わらせる」という観点で言うと、CCPM理論には、WIP(work in progress:仕掛り中の作業)を低くするというマネジメントがある。(略)

3人のメンバーが個々のタスクに取り組むパターンと、3人で一つのタスクに取り組むパターンだ。当然、3人で取り組んだほうがタスクのWIPが低い状態で推移する。WIPを低くする狙いは、プロジェクトマネージャーのマルチタスクを排除する点にある。また、課題が発生しても集中して一つのタスクに取り組むことで、タスクを早く終わらせることができる。

このようにCCPM理論では、WIPの数が極力少なくなるように、リソース(人員)を集中させ、短期でタスクを完了できるようにコントロールする。(『進む!助け合える!WAのプロジェクトマネジメント』、宮田一雄、P.28~29)


進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―――プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社



「何だって早くすませちまおうとするな。手順よくやるのが一番早えんだ」

「いっぺんにあれこれやるほどおめえは利口じゃねえ。ひとつっつ片付けろ」

(『ひとは情熱がなければ生きていけない』浅田次郎、p.130)

 

勇気凛凛ルリの色 ひとは情熱がなければ生きていけない (講談社文庫)
浅田次郎
講談社

 

 

ということで、

今週もがんばっていってみようやってみよう (^O^)/



 

 

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継続的改善の・・・

2017年09月04日 | CCPM

「技術者室の模様替えで発掘されたもの」シリーズその3は「継続的改善の5ステップ」。これもまた、かつてわたしのデスクの背後にある壁に貼られていたものだ。

 

 

A3一枚大のその紙には、

 

継続的改善の5ステップ

 1.制約条件をみつける

 2.制約条件を徹底活用する

 3.制約条件以外を制約条件に従わせる

 4.制約条件を強化する

 5.惰性に注意して”1”から繰り返す

制約条件に焦点を合わせ、集中して改善する

制約条件は制約条件を生かすために活用する

 

と書かれている。

今さらながらにながめてみると、これぞまさに「翻訳することなしに土着化なし」の典型のようなもので、原語のまんまでリリースしてしまっているため、何のことだかわからない。

とはいえ、当時これを提唱した当の本人たるわたし自身がほとんど理解できていなかったのだ。翻訳することはおろか、原語を直訳したもので説明することすらでき得なかったのは当然至極のこと。今となっては恥ずかしいかぎりだが、こうやって再び陽の目を見せることに自虐以外の価値がないわけではない。ただ今現在は、もいちど勉強し直してみるのもいいじゃないか、という程度の心持ちではあるが、それもまた「ぐるぐる循環する」試みの一環としては価値があることだと思う。

そういえば・・・

と、バックアップデータを格納しているHDDのなかにある「TOC-CCPM」というフォルダを覗いてみる。「Uさん宮内往復書簡」と名前をつけたフォルダがあった。このブログにも再々登場してきたUさんとのメールのやり取りを保存しているものだ。そのフォルダのなかを「探す」、というほどの手間もかからず、お目当てのファイルは見つかった。「制約条件」についてメールを交わしたのは、”2008.12.06”という名のWordファイルだった。

いかな晒しの世界に身を置くわたしとて、さすがに他人さまのメールをWebで晒すわけにはいかないので、わたしが書いた部分だけを抜粋のうえ記してみる。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

2008.12.06 Uさんとの往復書簡より

 

「制約条件」

U様 

 宮内です。ご教授ください。

 夕張のセミナーの前に砂子組さんの現場事務所で、ゴールドラットの話を聞いたのですが、その中で彼が言った、


ボトルネックとコンストレイントを同じものとして捉えてはいけない。

ボトルネックはコンストレイントの一部である。

コンストレイントこそがクリティカルチェーンである。

ここで行われているのは、ただのガントチャートの管理であってCCPMではないのではないか。

コンストレイントの5ステップを活用しなければいけない。


 という言葉を私なりに読み解こうとしていく中で、今後の弊社でのCCPMのやり方に対して色々な考えが出てきつつあります。

そこで、そのコンストレイントに関してです。物理的制約・方針制約・市場制約のうち、市場制約を我々の公共建設工事という仕事に置き換えることがどうしてもできません。我々の業界(あるいはもっと小さく、一つ一つの工事の方が良いかも)では、何がこれに当てはまるのでしょうか?

今更ながらの質問かもしれませんが。

 

(中略)

 

「Re.制約条件」

U様

言葉足らずでした。

大きな意味での市場制約は理解できます。Uさんの仰るとおりだと思います。

実は、私は今後弊社でCCPMを更に深めていくために、CCPMの運用の中でいわゆる「継続的改善の5ステップ」

 1.制約条件をみつける

 2.制約条件を徹底活用する

 3.制約条件以外を制約条件に従わせる

 4.制約条件を強化する

 5.惰性に注意して1から繰り返す

 を皆に身につけていかせたいと思っているのです。(私自身も)

 そうしようとする時に、皆にそれを伝える為には、もっと平易な言葉で、身の回りで実感できるように話さなければなりません。個々の工事現場の実例として教えていかなければ、多分私以外の人に納得はしてもらえません。

 そこで物理的制約と方針制約は、簡単に実例として挙げられるのですが、市場制約を個々の工事現場に当てはめると、と考えた時に、他の者を納得させられるような答えが見つからなかったので、ご教授を仰いだわけです。

 常々、私は「継続的改善の文化」を礒部組に根付かせたいと思ってきました。そのことの実現なしには、今現在あがっている成果も、いずれは元の木阿弥になってしまう可能性があるからです。 その為には、皆が(表面的には)身体で覚えつつある、そして1週間に1度は必ず行う、CCPM工程を舞台とするのが、最も近道なのかな、と考えました。

 それに何より、多分ゴールドラットの言うように、現在の私達のCCPMは詳細なガントチャートの努力成果、という側面が殆どなので、本質を理解するためには、まだまだ試行錯誤が必要なのだ、と思っています。

 そして、その本質を皆が気付かないまま皮膚感覚で覚えこます、という作業をしていきたいと考えています。 その為には、私自身がまず本質を理解しなければならないので、そんなに簡単なことではないのですが。

 

(後略)

 


・・・・・・・・・・・・・

 

「な~んだ、わかってたんじゃないかソコまでは」と苦笑いひとつ。

「で、継続的改善の文化は根づいたのか?」といわずもがなの自問をする。

それに対する自答は、近ごろほとんど常套句となった感がある言葉だ。


「ぐるぐる循環するのもアリじゃないか」


そして、

「答えになってない!」と別のわたしが斜め45度頭上から非難するのは知らん顔して、

まわるまわるよ時代はまわる、やっぱりCCPMはおもしろい」とうそぶいてみる。

(とうでも思わなきゃ無能な自分と付き合ってはイケマセン、てのもありますがネ ^^;)





さて、誰も期待してないうちに始まった「技術者室の模様替えで発掘されたもの」シリーズ、誰からの反応もないので(ネタもないケド)これにて打ち止め。

どうでもいいけど前回前々回はコチラです ^^;

→『翻訳と土着

→『CCPMをやると・・・




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CCPMをやると・・・

2017年08月31日 | CCPM

 

「礒部組がCCPMをやると!」

・・・いろいろさまざまな相乗効果を生み出し、最終的には「早く良いものができて地域の人達が喜ぶ」という。

わたしを発掘した恩人のひとりUさんが、10年前につくってくれたものだ。

いみじくも昨夜は、彼の紹介で知己となった県外業者さんと意見交換会のあと一献。

一夜明けて今日は、現在地へ社屋が移転して以来の技術者室の大模様替えで、埋もれていたコイツを発掘したというわけだ(こう見えてけっこうルーズなオジさんです)。

そして、同じ場所に埋もれていたのがコレ。

 

 

これもたぶん10年前、これまた恩人のKさんにもらった「CCPMうちわ」。

「CCPMでしんぱい虫を退治!!」というタイトルの「しんぱい虫(チュウ)」とは、

 

管理を徹底してしまう虫。ミクロな管理を好むあまり、両手が電卓と虫眼鏡に進化している。

一方で、あと2本の腕には、アメとムチをもっていて、これらを使い分けて管理を実践する。なぜか重箱の隅がすきという性質がある。

 

という「会社の害虫」のひとつ。

その裏には、「しんぱい虫」にプロジェクトタイプのCCPMガスを吹き付けると現れるという「あんしん虫」がイラストされている。

CCPMと出会って11年になろうとする今、「ミクロな管理」からも「重箱の隅」からも卒業したわたしだが、「しんぱいでしんぱいでたまらない」という悪癖は治すことができずにいて、「あんしん虫に変身」することは未だでき得ずにいる。

そんなこんなの来し方を思い浮かべ、二度と埋もれませんようにと、デスク背後の壁に「CCPMうちわ」を画鋲で貼り付けた。

 

 

さて・・・いつの日かオジさんは、「あんしん虫に変身!!」することができるのか。

もうちょっと、足掻いてみようと思うのだ。



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CCPMな夏の朝

2017年08月29日 | CCPM

大した仕事もしてないくせに、やけに疲れている今日このごろ。

そんなわが身を恨みながら、「まったくヤキが回ったもんだぜ」とぼやきつつ、やっとこさ起き出して、わずかばかりの時間を本読みに充てる夏の朝。日中は35度オーバーがざらだが、朝夕の空気は明らかに変わった。

そんな具合だからページをめくるのが遅々として進まないのか、はたまた久々のCCPM本との出会いに、来し方をふりかえり行く道を思案しながら読んでいるため遅いのか。たぶんどっちもなんだろうが、今回ばかりは後者のほうが少しばかり勝ってるんだろうななどと思いつつ、『進む!助け合える!WAのプロジェクトマネジメント プロマネとメンバーのためのCCPM理論』を読む。

 

進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社

 

そんな寝ぼけまなこのオジさんが、思わず得たりと膝をたたいたところがこれ。

 

CCPM理論を受け入れ、自らの武器とするところまで深く理解することができたのは、他者からの説得ではなく、自らの内省によるところが大きかったからです」(P.58)

 

まさにかつてのわたしがそうだったからである。

そう言えば、岸良さんも似たようなことを言ってたぞ、と本棚から取り出したのは『三方良しの公共事業改革』(三方良しの公共事業推進研究会、岸良裕司編著)。

 

新版・三方良しの公共事業改革

岸良裕司

三方良しの公共事業推進研究会

日刊建設通信新聞社

 

お目当てのページにたどり着くまで、ものの1分もかからなかった。

 

「われわれは変わらなければならない」という話をよく聞く。しかし、よくよく聞いてみると、ほとんどの場合、変えるのは自分ではなく、「周囲を変える」ために訴えかけているのである。しかし、ここで関わったすべての人が選択しているのは自ら変わるということだ。(P.169)

 

他者をいくら説得したところで、説得された当の本人が変わろうとしない限り、その人は変わることができない。同じように、「変わらなければならない」と説き伏せられたとしても、自分自身が内省とともに「変わらなければならない」と自覚することなしには、その人が変わることはできない。

「過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。」(エリック・バーン)とはよく言うたものよ、とあらためて納得するわたしはしかし、「変えることができない」はずの他者をどうにかして「変えることができないか」と相も変わらずもがく人でもある。

もちろん今となれば、「他人を変えられない」のは百も承知二百もガッテン。それがゆえに、わたしができ得ることは、「指標の提示」や「材料の供給」、はたまた「ツールの提供」などなど、「変わる」ための「働きかけ」でしかなく、とどのつまりは本人次第。どこまで行っても、「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という原則は崩せない。いやがる馬の首根っこをひっつかまえて顔を水に突っこんだことも一度や二度ではないが、そんな行為は逆効果になるのがオチだ。

CCPMもまた、「人材育成」というのが当初掲げた最大の目的であったという文脈から言えば、そのためのツールであったことは間違いがない。そしてそれをまがりなりにも10年余りもつづけてきたことが、組織にも個人にもさまざまな恩恵と成長をもたらせてくれたことも事実である。

次なるステージへ昇華するために(というより今立っているステージに見合うだけの中身にするために)必要なのは、「自らが内省とともに自覚すること」。そのために使うツールが、またCCPMであったとしても何ら不都合はない(というより「”ぐるぐる循環する”という思想」からいけばむしろそうであったほうがイイ)。

 

そんなこんなを考え出すと、ますます遅々としてページが進まない朝。

それはそれで悪くない。

 

 

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ぐるぐる循環するのもありじゃないか!

2017年08月28日 | CCPM

「ぐるぐる循環するのもありじゃないか!」

わたしが時おり使うこの惹句のネタ元は、クロード・レヴィ=ストロース

正しくは内田樹を経由したレヴィ=ストロースだ。

以下、『寝ながら学べる構造主義』(内田樹、文春新書)より引用する。

 

おそらく人間社会は同一状態にとどまっていると滅びてしまうのでしょう。ですから、存在し続けるためには、たえず「変化」することが必要なのです。

(略)

ここでいう「変化」というのは、必ずしも「進歩」とか「刷新」を意味しているわけではありません。もし、生き延びるためにはたえず「進化」していないといけないとしたら、その焦燥とストレスで人類は疲れ切ってしまったでしょう。(現代人はそのせいでけっこう「疲れ切って」いますけれど。)

レヴィ=ストロースは、社会システムは「変化」を必須としているが、それは、別に「絶えず新しい状態を作り出す」ことだけを意味しているのではなく、単にいくつかの状態が「ぐるぐる循環する」だけでも十分に「変化」と言える、と考えました。

(P.162~163)


寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

内田樹

 

ということで、このたび「ぐるぐる循環する」に指名したのはCCPM、今のわたしを基礎づけている柱のひとつであるクリティカルチェーン・プロジェクトマネジメントである。

手始めに、と読んでいるのはこんな本。

 

進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社

 

 

まわるまわるよ時代はまわる、

やっぱりCCPMはおもしろい。



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「お神輿組織理論」から「大勢で工程を引く」を考える

2017年07月18日 | CCPM

大人数でお神輿を担いでいると、誰か一人が力を抜く。それでも神輿は進む。二人、三人と力を抜いても、まだ進む。ますます力を抜く人が増え、やがて限界がきて、神輿は倒れる。(『ヒューマンエラーを防ぐ智恵』中田亨、朝日文庫、P.152)

 

「お神輿組織論」(金出武雄博士)というのだそうだ。まずほとんどの人は異論がないのではないか。そしてそれは、大きな組織になればなるほど顕著になるのだろうということについても同様に、少し考えればわかりそうなものだ。

じゃあ小さな組織には当てはまらないかといえば、さにあらずだとわたしは思う。

たぶん神輿を担ぐという行為の最小単位は4人なのだろうが(わたしの体験上です。それ以下があったらゴメンナサイ)、そのわずか4人にしてからが、肩にかかる荷の重さは均一ではない。担ぎ手の位置や背格好、その他もろもろの要素で異なってくるのが普通だ。誰かに重荷がかかったとき、別の誰かの荷は軽い。それでも神輿は進むものだ。

言わずもがな、神輿担ぎの話ではない。組織の話だ。「お神輿組織論」は小さな組織にも十分すぎるほどに当てはまる。

そしてそれは、いわゆる「凄腕」の経営者や、いわゆる「デキる」上司が、その強烈な個性と実力でグイグイと引っ張っていくというタイプの組織だけではなく、わたしが標榜してきた「チームの力で成果をあげる」タイプの組織にも無縁ではない。いや、むしろ後者のほうが、目立たぬ分だけその危険性は高いという見立てもできなくはない。チームワークといえばそりゃ聞こえはいいが、その表裏一体としての他者依存が、その種の組織にはいつだって潜んでいる。一見すると仲が良さげな分だけタチが悪いのかもしれない。

 

「工程は大勢で引く」

わたしが習ったところの「CCPMの基本」だ。

11年前、そのスタイルに出会ったときの衝撃を今でもわたしは忘れない。

以来、何年かにわたってそれをつづけたが、ある時期からそのスタイルを放棄した。「複数で組む」という基本については手放してはいない。だが、局所的にはそれすらも、こだわる必要がないときだってあると考えている。

なぜか。

「誰がそれに責任を持つのか」という問題が常にあるからだ。「誰がそれに対して責任をとる覚悟を持てるのか」と言い換えてもいい。工程を大勢で引いた場合、常にそこから生じる温度差がつきまとう。だからといって、責任がない立場だからこその「軽いノリ」から生まれる発想やアイデアを、あだやおろそかにしてはいけない。そのプロジェクトに対する責任感が希薄だからといって、出す意見が薄っぺらだとは限らない。むしろ、異なった立場の人間を集めて、その立場ならではの意見を拾い集めることに「大勢で工程を引く」メリットがある。わたしが衝撃を受け、魅力を覚えたのもそこだった。

ところが・・・

 

大人数でお神輿を担いでいると、誰か一人が力を抜く。それでも神輿は進む。二人、三人と力を抜いても、まだ進む。ますます力を抜く人が増え、、、

 

回数をこなせばこなすほど惰性に陥り、「お神輿理論」が説くところの現象が明らかに表出するようになった。

だから「限界がきて、神輿は倒れる」前に止めた。

そして何年か経ち、今年度になり、また少し方法を変えた。「大勢で工程を引く」スタイルには戻ってない。わたしとしては、あの方法がとても好ましく、手放したままでいることがまことに残念でならないが、それもこれも、

 

ますます力を抜く人が増え、やがて限界がきて、神輿は倒れる。

 

という事態を避けるための判断だ。そのためには、マンネリにならないこと。惰性におちいらないこと。何より自分自身がそうであることが肝要だ。

以上、惰性と堕落の日常を生きるオヤジが「お神輿組織理論」にふれ、われと我が身をふりかえって「大勢で工程を引く」について考えた、の巻である。

 

 

 

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