散日拾遺

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孤陋寡聞 愚蒙等誚 ~ 千字文 124

2016-12-31 11:55:05 | 日記

2016年12月31日(土)

 欲をかいてもう一つ、クレペリン検査の終末効果そのものだ。

 孤陋寡聞 愚蒙等誚

 いずれもそのまま日本語に入っていて珍しく解説不要である。最後の「誚」だけなじみがなく、これは「責める、なじる」の意だそうだ。ただ、文意については諸説がある。大方の話では、

 「孤独で頑なな者、見聞のせまい者などに対しては、愚かで物を知らない者までが他の人々同様に非難を加える」

 のだと。誚られる者と誚る者がひとまとめに切って捨てられる感じで身も蓋もない。ただし一節には、周興嗣(470-521)が自らへりくだり、「私は孤陋・寡聞なので、愚昧の人々にさえなじられるだろう」との意味を込めたのだという。末尾直前でもあり、そう読めるように仕組んだということはあるかもしれない。

 周興嗣は南朝・梁の武帝(502-549)の命を受けて千字文を編んだ。一夜でこれを完成し、皇帝に進上したときは白髪になっていたとの伝説がある。王羲之の書を模写して集成し、完成当初から珍重されて着実に広まり、宋代以降中国全土に普及したという。

Ω


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