散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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おかげさまで

2022-06-20 07:31:10 | 日記
2022年6月18日(土)
 収録は2週間前に行われた。Zoom を使ったオンラインインタビューも、この二年間ですっかり慣れて違和感はない。
 とはいえ事前の打ち合わせは皆無、質問項目の概要を当日の朝になってメールで送ってくるという呑気さには大いに違和感がある。日中は別の仕事をしているから目を通す余裕などはなく、事実上16時30分から準備ナシのぶっつけ本番。諸方面で鍛えられたおかげさまで、当方は気にもしないが、毎回このやり方だとマナーを問われるかもしれませんね。
 インタビュアーは非常によく勉強しており、拙著を端々まで読んで核心を的確につかんでいるのに驚いた。以前登場した山口創先生(桜美林大)へのインタビュー内容も、突然の質問にも関わらず瞬時に正確に想起するなど、たいへん頭の良い人であることは間違いない。自分がそうだと相手も同じだと思いこむのはありがちのことで、それがまた相手に伝染して語り手は自分の頭が良いものと錯覚する。それも織り込みずみかしらん、錯覚に浸ってペラペラと30分しゃべったのへ、友人・知人がコメントを寄せてくれた。
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 時間が短く感じられたのは成功の証左でしょう。お疲れさまでした。
 とりわけ摂食障害とメディアの話、それと「統合失調者の監視妄想が今やIT技術の発達によりGPSによる個人追跡=監視は万人にとって現実となっている」云々のくだりはとても良かった。リスナーにとって印象的だったのではないでしょうか。
(E君)
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 インタビュアーがポイントを絞って尋ねてくれるので、初心者の私も分かりやすく聴くことができました。
 「自分の退職手続まで第三者に依頼する人」についての質問は、なかなか答えづらい難問かなと思いましたが、事例ごとにまずはケアをし、並行して事例を蓄積して分析していく態度 ~ そのように理解しました ~ は、医療と医学に携わる人らしいと思いました。「異常/正常」の議論に関しての「最初に定義ありきではない」という考えも、同様に理解しました。
(O君)

 二人の畏友の注目点が違うのを面白く感じていたところ、家族の中でも次男からはE君、三男からはO君とほぼ重なる感想が返ってきた。
 「自分の退職手続まで第三者に依頼する人」の件は、桜美林時代の教え子さんが評したとおり「精神医学を学んだ人からは出てこない」類いのもので、専門家泣かせの無茶振りだが、そういう問いこそ貴重かもしれない。当方、専門家ではないから泣きもしない。
 「人間関係の「抽象化」という表現は初めて聴いた気がするけど、大変腑に落ちたので今後使わせていただこうと思います」と国語の先生から。
 どうぞ存分にお使いください。

 ついでにO君からの付記:
 「プロ野球のラジオ中継が生活の一部分だった時代は、はるか昔のことになったのですね。今回はPCを通してでしたが、人の声を介するラジオ放送を聴いて、デジタルにはない温もりを感じました。」
 まことにもって、われら「ナイター中継/深夜放送」世代というべきか。
 新宿の飲み屋さんで順番待ちをしながら、手にしたラジオで王選手756号の瞬間を「聴いた」のは、1977年夏の終りのこと。
 その一球を投じたヤクルトスワローズ鈴木康二朗は、翌78年には13勝3敗で最高勝率を挙げ、チーム初の日本一の一翼を担った地味な名投手。記録がかかっていることをよくよく知りながら、カウント2-3から逃げなかった潔さを今でも嬉しく思い出す。


Ω

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