2015年7月10日(金)
勝沼さんからコメントもいただいたことで、すぐにも続きが書きたかったのだが、水曜日は会議日で忙しく、怒りの事件の始末などもあって手が回らず。木曜日は夕飯たべてゴロリと横になったところ、今朝6時30分まで10時間バクスイしてしまった。
睡眠には多くの謎があるが、「加齢とともに必要な睡眠時間が減る」という最近の説に対しては、強い疑いをもっている。「必要」という言葉の意味、ないしは条件設定が間違っているように思う。
ともかく、続きは後のお楽しみね。「クマ丸事件」というものがひとつのキーワードになると思ったんだが、ネットではすぐに出てこない。僕の記憶違いかな。
T先生からのメールを拝見して、すっきり目が覚めた。これも後。それよりも朝刊の社説から急ぎ転記する。
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ギリシャ人は税金を払わず豊かな年金暮らしを謳歌してきたと批判されている。それと日本国民の借金依存とどうちがうのか。私は長らく日本人の勤勉な国民性は「アリ」的だと思ってきたが、どうも自信がなくなってきた。
ユーロ圏に加盟したギリシャは11年前、勢いに乗ってアテネ五輪を開催した。世界的祭典を呼び込んだ熱狂のなかで、いずれ訪れるかもしれない苦境に想像は及ばず、ひたすら借金を積み上げた。
いま東京五輪の準備を進める日本にその姿が重なって見える。主会場となる新国立競技場の建設費は約2500億円。アテネ五輪の主会場が七つ造れるけた違いの予算だ。いくら何でも高額すぎるという批判が相次いでいるが、政府は黙殺している。
つぶさに見るほど、考えれば考えるほど、私たちは「キリギリスの国」の民なのだ。
(社説余滴 原真人氏)
キリギリス的な享楽性が問題なのか、後世代への責任や連帯感、サグラダ・ファミリア的な長期展望の欠如が問題なのか、そのあたりはじっくり考える余地があるだろうけれど、「ギリシャを嗤えない」という点はズバリ命中の指摘である。
ちなみにイソップの原作では、キリギリスはもともとセミだったのね。一夏を鳴き暮らすために8年とか17年とか地下で準備することを思ってかどうか知らないが、いつの頃からかキリギリスに変わったのだ。けれど宜なるかな、地下で営々と蓄えられた祖先の遺産を、一夏に費消する勢いで鳴き騒いでいるのが今の僕らというわけである。