散日拾遺

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庭の花、道の花

2014-05-04 23:03:51 | 日記
2014年5月4日(日)

 昨日また田舎から荷物あり。中に庭の花が添えられていて、長旅でしおれながらも田園の五月の繚乱を伝えている。

 
 白の大小はオオデマリ(大手毬)とコデマリ(小手毬)、青紫にオレンジの混じった小さな花が、写真ではよく見えないかも知れない。これはシャガ(射干、著莪)、姿から分かるとおりアヤメの仲間で、庭に勝手に咲く花に似ず小美人の華やぎがある。別名の胡蝶花はぴったりだ。
 ネットで引いたら、面白いことが出てきた。

 学名は Iris japonica であるが、実際は中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である。三倍体のため種子が発生しない。このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。人為的影響の少ない自然林内にはあまり自生しない。スギ植林の林下に見られる場所などは、かつては人間が住んでいた場所である可能性が高い。そういう場所には、チャノキなども見られることが多い。

 日本のシャガは常に人と共にあり、人と共に広がったというわけだ。

 日差しの強い日で、正午過ぎの日向はかなり暑く、櫻の木陰が最高に快適である。教会からの帰り道、一週間前には白一色だったツツジが、白と紅色と半々になっていた。紅色のほうがわずかに遅咲きらしい。
 

 夕方、家の西に広がる大学の緑地を散歩する。何年か前から近隣住民の立ち入りを認めるようになり、わが家から近いところに新しく通用門ができた。これはすこぶるありがたい。
 ベランダから見える大木の正体を確かめに行ってみた。想像通り、ケヤキの大木だった。街路樹のそれと違って野放図に伸び、それだけに野趣があって良い。仙台の巨木には及ばないけれど、なかなか大したものである。