日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

アラビア書道展&『イスラム書道芸術大鑑』ショック

2006年11月06日 05時59分37秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年シャッワル(10月)15日 ヤウム・ル・イスナイニ(月曜日)
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 そういうわけで、いろいろなことがありしばらくはブログをお休み中だけれど、ときには書きたいことや書いておいた方がいいこともあるので、久しぶりに書こう。

 11月1日から本日11月6日まで、東神奈川の「かなっくホール」で開催されていたアラビア書道展「サンドローズ(砂漠の薔薇)」に3点ほど出品した。
 3点とも10月31日になってようやく完成という綱渡り。

 初日はたまたま仕事が休みだったので会場に足を運んでみた。約70点の出品があったらしい。普段、人の作品を見る機会って余り無いので良い刺激になる。
 さすがにうまい人が多い。キャリアが長い方はもちろん、私とほぼ同じ経験年数なのに圧倒的にナスヒー体のうまい人なんかがいて、感心するやら焦るやら。

 中には、芸術的すぎてどう評価していいのかよくわからない作品もあった。私の頭の中にある「アラビア書道」の概念をはみ出しているため、うまいとかヘタとかのレベルを超えてしまっている。これが芸術というものなのかもしれない。
 会場で会ったマイミクさん(mixi上の仲間のこと)も、「白い紙に黒々とした文字」という「書道」のイメージを破られたようで(悪い意味ではなく)軽いカルチャーショックを受けていたようだ。
 絵や写真の中にアラビア文字が書かれていたり、木彫りの作品があったり、一般の人には「アラビア文字芸術」とでも言った方がわかりやすいかもしれない。

 さて、本日で展覧会は終わるわけだけれど、今回出品の作品群が巡業して、今度は11月20日(月)~12月2日(土)まで、アラブイスラーム学院で展覧会が開催されることとなった。
 サンドローズ(砂漠の薔薇)では、PR活動にほとんど貢献できなかったので、埋め合わせに今回の展覧会をPRしておきたい。開催要領は以下の通りです。

1.開催日時: 2006年11月20日(月)~12月2日(土) 14:00~16:30
(但し、11月20日、21日、22日、23日、25日、27日、28日、29日、30日、12月2日のみ開館)

2.場所: アラブ イスラーム学院 (東京都港区元麻布3-4-18) (TEL:03-3404-6622)

3.アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅より徒歩10分、または都営浅草線麻布十番駅より10分
(http://www.aii-t.org/j/frame/index_hiroo.htm ) (中国大使館の方ではなく、中国大使館公邸の隣。)

4.書道体験:専任講師によるアラビア書道の指導を受ける事ができます(23日は本田先生、その他の日は山岡及びアラブイスラーム学院の生徒が行います)。

4.その他:11月18日(土)17:00~18:00に同所地下一階にてオープニングセレモニーが開催されます。駐日サウジアラビア大使によりテープカットがあります。


 しかし、自覚症状はあまりなかったんだけれど、作品制作による緊張&プレッシャーが結構大きかったようで、作品展から帰宅してから数日間、頭がボーッとして身体がだるくてしかたなかった。ひと段落して、ふと気を抜いた瞬間に、今までの麻痺していた疲れが一気に出たような感じ。
 アラビア書道をたしなんでいる人には、絵画や日本書道など、もともと芸術には通じている人が多いようだ。話に聞くと、文字はとにかく、装飾なんかはチャッチャと手早く美しく仕上げてしまう人もおり、ホントにただ者でない人が揃っている。私は別の意味で「タダモノデナイ」と思われているフシがあり、早くアラビア書道そのもので「ただ者ではない」ようになりたい。

 話は変わるが、アラビア書道展にタイミングを合わせるかのように、アマゾンで『イスラム書道芸術大鑑』が中古で出品されていた。
 50000円の大型本ですでに絶版。私は3年以上前からこまめに探していたのだが、ようやく今回発見して速攻で申込。アマゾンからも注文確認メールが来て、「やった! ついにあの本が見られるぞ!」とオオヨロコビしていたら、今朝お詫びメールが入っていて、「タッチの差で他の人が購入しました。手違いがあってしすみません」と書いてあった。
 はっきり言って大ショックだ。日本全国津々浦々の古書店を歩き回り、ときには船が難破しそうになり、ときには行く手を阻む怪物と戦いながら探し回ったのに…(そんな気分なのです)。

 しかしまあ、50000円もするこの本を買ったと言うことは、きっとアラビア書道関係者かイスラーム関係者に違いなく、もしこの記事を見て「あ、買ったのオレ、オレとか」「なーんだイスハークさんも欲しかったんだ。あたし買ったから見せてあげるよ」という展開になると、オオヨロコビも復活するに違いないので、該当する方には是非よろしくお願い申し上げます。

 そうではなく、お金が余っているからなんとなく買っちゃったけど、あまり興味ないなあ…という人が買った場合は是非転売して頂けると、イスハークは喜びのあまりわふわふと庭を駆け回ると思います。
 とにかく、誰でもいいのでもし売ってくださる方がいたら是非売ってください。値段交渉にも応じますので。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お元気そうで何よりです! (sumire)
2006-11-06 20:52:41
心のビタミン剤であったイスハークさんのブログを再び拝読できてとても嬉しいです! あれほどお忙しそうだったイスハークさんが、きっちり作品を仕上げていらしたのを知った時、う~む、さすが・・・と尊敬の念でいっぱいでした。みなさんそれぞれ努力の賜物で、ほかのかたの作品を見るのはとてもよい刺激になりました。アラブイスラーム学院の展示もまた雰囲気が変わると思いますので、楽しみにしているところです。
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ほっとひと息です (イスハーク)
2006-11-07 06:08:54
sumireさんもお疲れ様でした。

sumireさんの作品を拝見して「さすがにキャリアを感じる作品を出品しているなあ」と感じました。写真も撮らせていただきました。もちろん私的にしか使用しませんが。

シリアやレバノンなどでも、伝統を超えた、絵画的・前衛的なアラビア書道作品をいくつか見ましたが、日本のアラビア書道の発展の方向も独特ですよね。みなさんのアイデアがとても面白いです。

アルカラムからのメールで「作品によっては宗教上の理由で外させてもらいます」という旨の一文がありましたが、さもありなんです。

今回初心者の方でもスルス体の作品を出されていたので、次回は私もスルス体に挑戦してみたいです。
今週末からまた頑張りますのでよろしくお願いします。
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そう、スルスですよ! (sumire)
2006-11-07 20:48:05
ほんとうに今回の展示会はよい勉強になりましたよね。(仕事疲れの滲みでた私めの作品を被写体にしてくださったなんて、ほんとに恐縮してしまいます・・・)そうそうそう、イスハークさんの生命力に応じてくれる書体ってスルスだと思うんです。心がどうしてもその書体に引っぱられてしまう、という感じがおありなら、絶対すぐに始めるべきっ! なんて、人様のこととなるとつい熱く語ってしまったりして。これからもお互いに焦らず頑張っていきましょう。
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イスラム書道芸術大鑑 (tabibito)
2006-11-26 14:36:39
こんにちは!
いつも楽しく拝読させていただいています。
開催中の展覧会も行きたい!けれど、残念ながら行くことができないのでいろいろな記事から想像をふくらませております。

ところで、実は、私もイスラム書道芸術大鑑が欲しくて探していました。
本田先生の解説が記されている本書はとても魅力的ですが、
私は英語版を入手することにしました。
もしイスハークさんが英語版でも差し支えなければお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

すでにご存知でしたら、ごめんなさい!

THE ART OF CALLIGRAPHY IN ISLAMIC HERITAGE, 1990-1996
http://www.ircica.org/
ircica@ircica.org
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ebay? (ライラ)
2006-11-29 09:07:10
お久しぶりです。お探しの本ですが、ひょっとして↓でしょうか? 思い違いだったらスミマセン。ebayは時々利用しますが、今のところトラブルはないです。

http://cgi.ebay.com/1990-history-islamic-caligraphy-art-in-arabic_W0QQitemZ6926767732QQihZ014QQcategoryZ29223QQcmdZViewItem
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はじめまして アッサラームアライクム (ターレック)
2006-12-19 11:54:37
こんにちは
わたしはtarekと申します。24歳のモロッコ人の男性です。現在パリで日本語を勉強しております。
イスハークさんのブログをたまたま見つけて嬉しかったです。
私もアラブ書道大好きです。(^_^)
イスラム教の日本人の方は会った事なくてイスハークさんのブログ見てびっくりしました。マーシャーアッラーと思いました。やっぱりイスラムは誰でもに、国籍とわず人間に分かられるんだとも思いました。
イスラム教徒だと兄弟ですから是非イスハークさんと仲良くしたいです。
あと日本人の方としてイスラーム教をどう感じるかという事に大変興味あります。
私のメールは:tmousdik@yahoo.co.jp
時間あれば連絡ください。
アッサラームアライクム。
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sumireさんへ (イスハーク)
2006-12-27 00:19:38
ずっとアラビア書道の稽古に行っていませんが、お元気ですか?

一応1月期に申込をしましたが、来期は稽古にあまり参加できなそうです。

ちょっと燃え尽き気味なので、2007年は体制の立て直しから取り組みたいと思っています。トルコのコンテスト頑張ってくださいね。影ながら応援しています。
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tabibitoさんへ、ライラさんへ (イスハーク)
2006-12-27 00:21:22
情報をありがとうございます。
やはり日本語版のが欲しいので、また気長に探してみます。平凡社の方で復刻してくれるとありがたいんですけれどね。
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ターレックさんへ (イスハーク)
2006-12-27 00:31:42
コメントありがとうございます。そして返信が遅くなってごめんなさい。

素晴らしい日本語力ですね。私もアラビア語を自由に読み書きできるようになりたいです。

モロッコは好きな国のひとつで、数年前に行きました。でもそのときにはムスリムではなかったので、フェズのカラーンモスクに入れませんでした。残念です。いつか再びモロッコに行きたいです。

夏にはモロッコ大使館から、ムハンマド6世国王即位7周年記念パーティーに招待して頂き、とても楽しい時間を過ごせました。
日本とモロッコの関係がますます深まるとうれしいです。

私なりのイスラームの感じ方などについて、いずれきちんとメールを送りたいと思っています。もうしばらくお待ちください。
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