ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)27日 ヤウム・ル・アルビアーィ(水曜日) |
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詳しくは4月17日分の記事を参照してください。ボソボソ…
アラビア書道を始めてから興味の範囲は広がり、アラベスク(「アラビア風模様」などと訳される)を自分で作成してみたいと思うようになった。
アラベスクは大雑把に、植物紋様系と幾何学紋様系に分けられる。両方の要素を含んだものもあるし、鳥系紋様もあるが、だいたい上記の二つで考えるのがわかりやすい。
植物系は、手書きのテイストである。なんというか、ヨーロッパの紋様で言うとロココのような感じで、花や葉っぱがくどいほど描かれる。
こちらは東京ジャーミイの蔵書の中に参考となる本があったので、昨年夏に大量にコピーをさせていただき、手書きで少々練習した。
この本はトルコ語のため、図版を見よう見まねで練習するにとどまり、B型らしく、夏を過ぎたらぱったりと練習しなくなった。
東京ジャーミイの好意を無にするような状況が続いているので、いずれ練習を再開するつもり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/f3/cb987616d2fc8f931d5a1f1bfed83cb9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/a1/c480d54178b26fbcd9e8b3f6559bd98e.jpg)
もうひとつの幾何学系の方は、ヨルダンの本屋で購入した
"ARABIC GEOMETRICAL PATTERN & DESIGN 200plates" by J.BOURGOIN
を参考に、お絵描きソフトのIllustrator CS(以下、「イラレ」と呼ぶ。業界っぽいねぇ~)で、いろいろなパターンを量産しようとしたら、一発目から足止め中である。
表題の通り、伝統的なアラベスク紋様の設計図(?)が200パターンも掲載されている。一番最初のパターンは、上の写真の右側のような、一見単純な図形。
実際に、方眼紙などで手書きで書けば大した図ではないのだが、意表をついてイラレはこういう図が苦手だった。
下のような、ごく簡単な試作品を作ったのだが、これだけのものを作るのに大苦戦を強いられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/cc/20b6897655976a6f27c649db1ca9d369.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/5d/88b2b851513bdf0a0b17f0181959ddd0.png)
イラレは、座標軸さえ定まれば10000分の1ミリ単位で微調整ができるのだが(すごいね)、微調整をできる形状や角度が限られているため、30度斜め方向に図形をきれいにそろえるというアラベスクの基本(勝手にそういう法則を見つけ出した)すらできない。
輪郭線を太くすればごまかせるのだが、どうせなら精密っぽいものを作りたい。
こうなると、調整したい部分をズームで最大倍率の6400倍にして手作業で微調整をしていくしかない。
ところが、この方法だと、パターンをふやしたり、複雑なパターンの組み合わせのときに、ズレが生じやすい。
上の右側の図の中にもだいぶズレが生じている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/c4/3cb2f965314a5cef4711d7d187e54304.jpg)
CADを使えばもっと簡単にできるかもしれないということだったが、個人でCADは買えないだろう。ヘタするとン百万円だし。
そして講師は本を眺めながら、「これはコンパスと定規だけで値を割り出していって複雑に組み合わせた紋様ですね。完全に数学の世界。先人たちの築いたものはものすごいです」と感嘆していた。
コンピューターがいくら便利とはいえ、人間には遠く及ばない分野がまだまだたくさんあるものだと感じた。