◆井上陽水と私◆2005年1月1日から2011年12月まで

マルチクリエイター。井上陽水と私。 独身氷河期世代。当時、ペンネームは夏風アザミルク。

化学と特許庁

2007-10-21 20:24:13 | 化学
◆O/W型エマルジョン

O/W型エマルジョンとは水の中に油性成分が小さな粒状に分散している状態の液体をいう。
W/O型は油性溶媒中に水が分散したもの。

本来は混ざり合わずに2相に分離する二つの成分が、
界面活性剤によって分散されている。
界面活性剤は疎水基が油性成分に近い内側に、
親水基が水に近い外側に配置されて、油性の粒を包むようように取り囲んで、
分散されている。

 

◆ゾルゲルガラス

ゾルとは粘度の高い液体に近く、ゲルとは固体の状態。
シリコンのアルコキシドの溶液に水などの触媒を加えて反応させる。
アルコキシドから脱水反応と脱アルコール反応が進むと分子の重合反応が進み、
固体化してガラスを得ることができる。
液体状態から反応させるので、形体設計が自由になる。
アルコキシドは反応性が高く、安定な状態を保つには安定剤が必要。
低温でガラスを形成できる。
アルコキシドの金属を選択することで、従来にない組成のガラスが得られる。

 

◆鉛フリー、クロムフリー

鉛ははんだに使われており、電気接点用に広く用いられている。
が、人体に有害であり精神障害を引き起こす。
電気機器の廃棄によって製品中の鉛が環境に溶け出す危険がある。
そのため、EUでは鉛を製品に用いないような規制が始まっている。
鉛を使用しない製品を鉛フリーと呼ぶ。

また鉛は誘電体としても使用されている。
これらの製品から鉛を使わないように、ビスマスを使用する技術などが検討され
一部、実用化されている。

融点の低い鉛に比べて高温が必要である、
ビスマスの安定性が低い、といった問題がある。
クロムは鋼の防食めっきとして用いられる。
6価クロムが有害であるため、クロムも規制される動きがある。
これも、クロムを使わない表面処理技術の開発が進められている

 

◆X線回折法

X線を分析対象に照射して、物質の表面付近の結晶格子によって起こる
回折現象を検出して定性分析を行う手法。

X線は特定の波長のエネルギーだけを照射して、
その波長からサンプルの結晶面間隔を測定できる。
サンプルに対して照射角度をθ、検知器の角度を2θだけ動かして測定するθ―2θ方が一般的である。
低角度側は広い結晶面間隔からの回折に対応する。
回折パターンによって結晶構造を特定する、
面間隔を測定するなどできる。
また、回折ピークの形状によって結晶粒子の大きさなどの測定もできる

 

◆高温酸化物超伝導体

絶対零度(-273℃)付近まで冷却すると電気抵抗がゼロになる超伝導現象が知られていた。
しかし、冷却に液体ヘリウムを用いなければならず、実用的でなかった。
近年、ビスマスや銅を含む複合酸化物のなかで、
高温で超誘電性を示す物質が見つかり、
液体窒素で冷却できる(-190℃以上)ため、実用化の目処がつき注目された。
複合酸化物の開発がブームとなり、
現在、送電線やリニアモーターなどへの応用研究が進められている

 

◆強誘電体メモリ(FeRAM)

強誘電体とは電場によって分極して、電場を取り除いても分極を維持する性質の誘電体。
鉛とチタン、ジルコニウムからなるPZTなどペロブスカイト構造の酸化物が古くから研究されていた。
電源をかけなくても情報を保持する不揮発性メモリが実現できる。
DRAMのキャパシタ部分に強誘電体を用いたメモリ構造が研究されている。
しかし、繰り返し分極反転させると分極電荷量が低下する膜疲労問題があった。
ビスマスを用いた誘電体で膜疲労フリーが発見され、研究が進んだ。
ビスマス酸化物は焼成温度が高いため、成膜温度の低域化技術の開発が求められている

 

参考文献はWikiとTech-On。


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