銅は下の方の茶色。
黄色いのは電子雲です。
青いのが銅イオン。
緑が水分子のなかのOH基。
赤が塩素イオン。
水分子は固液界面の近くまで来るが
電子を受け取るのは銅イオンです。
雷のような電子雲の移り変わりでイオンから金属に変わります。
同時に銅イオンの周りの緑のOH基は取れます。
これが見たかのような
固液界面パステル画です。
化学おじさん、林先生と逢ってきました。
隣町の某 林ラボで日夜、実験キットの開発にいそしむ人です。
もともとは高校の化学の先生で定年退職した自由人です。
モルの会という化学サークルに入っているそうです。
林ラボは駅から5分の好立地の
目だたない建物でした。
町工場的な研究室です。
燃料電池を自作して高校生に
水素ガスだけで電気が起こせる様子を実験でわからせることが
できます。
私も見せてもらって感激しました。
ステンレスメッシュをアルカリ洗浄してビタミンCで還元してから
パラジウムめっきを電気的に行います。
ステンレスの網の表面にパラジウムがささくれ状にめっきされます。
これはめっき電流を極端に高い電流にして
ささくれ状にした方が特性があがるそうです。
そのほか、ニッケルの上に
銅めっきをしてマジックで絵を描いておくと
その部分だけめっきされずにのこり、
あとからエタノールで洗うと、銅の配線と同じようなめっきができるという実験。
銅の電気めっきで硫酸はなぜ加えるのか??って質問されました。
銅めっきは電気量と得られる銅の重さがほぼ100%の関係で
ファラデーやアボガドロ数の概念を教えるのに使えるそうです。
これには私も激しく同意。
私も銅めっきの表面が数滴の塩酸をめっき液にくわえることで
光沢めっきからざらざらめっきに変わっていくことなどを話しました。
これは電解銅箔として工業的にも有用なめっき技術です。
あとはHDD(ハードディスク)をめっきで作る話。
これはあんまり深い話はしませんでした。
導電性高分子の陽極酸化電解重合によって成膜する方法。
水溶液中で電析させたあと、
有機溶媒中で水分を電気的に飛ばして活性化する話。
リチウムを電気めっきで析出させて光沢ある表面を得たい。
が針状結晶ができて光沢は得られない。
これにはリチウムを電気めっきで析出させて
(充電スタートの)リチウム1次電池の原理を理解させる。
導電性高分子に高分子電解質を電解重合で絡ませて
表面の反応をまったく変えることができること。
高分子に金属イオンを染み込ませて、
金属イオンが出て行くことで電極になる。
これによって電極反応がすごく速くなること。
サランラップの筒に銅コイルを巻きつけて、
中を磁石を動かして電流が発生する電磁誘導の実験。
これはデジタル電流計をマイコンで自作してました。
アルファべットをマイコンに入力するのに四桁の数字を打ち込んでました。
あまりに密度の濃い話ばかりで、実に楽しい時間でした。
電気材料化学って本を貸してきたので
また会いにいく口実ができそうです。
それに高校生に化学を教える教材をつくるってなかなか面白そう。
今後ともよろしくお願いいたします。