電子材料化学のお勉強
◆エピタキシャル成長
エピタキシャル成長(Epitaxial Growth)とは、
薄膜結晶成長技術のひとつである。
基板となる結晶の上に結晶成長を行い、
下地の基板の結晶面にそろえて配列する成長の様式である。
基板と薄膜が同じ物質である場合をホモエピタキシャル、
異なる物質である場合をヘテロエピタキシャルと呼ぶ。
結晶成長の方法として分子線エピタキシー法や有機金属気相成長法、
液相エピタキシー法などがある。
エピタキシャル成長が起こるには格子定数のほぼ等しい結晶を
選ぶ必要があり、
温度による膨張係数の近い物でなくてはならない
◆分子線エピタキシー法
(ぶんしせんエピタキシーほう、 MBE; Molecular Beam Epitaxy )
現在、半導体の結晶成長に使われている手法の一つである。
真空蒸着法に分類され、物理吸着を利用する。
高真空のために、原料供給機構より放たれた分子が
他の気体分子にぶつかることなく直進し、
ビーム状の分子線となるのが名称の由来である。
原理は、高真空中において、原料を蒸発させるなどして
基板表面に照射して堆積させ、薄膜の形で成長させる。
超高真空(10-8Pa(10-10Torr)程度)下で成長を行うため、
MOCVD法に比べて成長速度を遅くできる。
また製膜温度も低くできる場合がある。
数A(10-1nm)オーダーの、単原子層レベルでの成長が可能であり、
条件に気をつければ、1原子層ごとに異なる原子を
面方位関係を保ったまま堆積させ(エピタキシャル成長)、
単結晶の人工格子を作成することができる。
複数の原料を独立に制御することで、
原子比のよく制御された合金膜を作成することもできる
◆有機金属気相成長法
有機金属気相成長法(ゆうききんぞくきそうせいちょうほう、
MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)
原料として有機金属やガスを用いた結晶成長装置である。
化合物半導体結晶を作製するのに用いられ、
MOCVDでは原子層オーダで膜厚を制御する事ができるため、
半導体レーザを初めとするナノテクノロジーといった数nmの設計が必要な分野で用いられる。
代表的な半導体結晶成長装置である分子線エピタキシー法 (MBE) と比較し、
面内での膜厚の偏差が少なく、高速成長が可能であるほか、
超高真空を必要としないために装置の大型化が容易である為、
大量生産用の結晶成長装置として
光デバイスの商用製品の作製に多く用いられている。
MOCVDは化合物半導体の作製において、有機金属原料を用いる。
PH3(ホスフィン)など、毒性の極めて強い特殊高圧ガスを利用する為、
安全設計は重要である。
有機金属原料は、常温では液体・固体であるが飽和蒸気圧が高い為に、
H2やN2をキャリアガスとして用いて、
結晶成長に十分な量の成長用原料をガスとして、
安定した流量で成長基板に供給する事ができる。
原料ガスの混合により多元系の材料を形成する事が容易である。
◆イオン交換樹脂
イオン交換樹脂(いおんこうかんじゅし;ion exchange resin)
合成樹脂の一種で分子構造の一部にイオン基として電離する構造を持つ。
水などの溶媒中のイオンとイオン交換作用を示すが、
その挙動はイオンに対する選択性に従う。
イオン基の性質により、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に大別される。
イオン交換樹脂はその分子内に、
交換されるイオンを放出する基(例:スルホ基)を持つ。
一定量のイオン交換を行ったイオン交換樹脂はイオン交換能を失うが、
交換させるイオンを含む水溶液に浸漬することで
交換能力を再生することができる。
純水製造・海水淡水化・化学工業での物質精製などに用いられている。
イオン交換樹脂中の固定イオンと様々な溶液中の対立イオン(交換されるイオン)との
吸着の差を利用することによって、
溶液に含まれた各イオンを分離することができる。
◆熱可塑性エラストマ(thermoplastic elastomer)
ゴム的性質を持ちながらも射出成形などの溶融成形が可能な高分子材料。
ここでゴム的性質とは,ある荷重を材料に与えて変形した後,
荷重を取り去ると元の形に戻る性質(ゴム弾性)を指す。
熱可塑性エラストマの特異な性質は,
軟らかいゴム成分からなるソフトセグメント(軟質相)と
硬い樹脂成分からなるハードセグメント(硬質相)に分離している構造に由来する。
ソフトセグメントが軟らかく変形する性質を示し,
ハードセグメントが塑性変形を阻止(拘束)する。
この二つの働きによって,加硫ゴムと同様のゴム弾性を示す。
◆表面処理鋼板
鋼板の表面に耐食性に優れた材料を被覆し,
錆(さび)などの発生を防いでいるものを表面処理鋼板という。
自動車の車体向けでは,プレス成形したときに表面処理層が破れたり,
劣化したりしないことが求められる。
自動車向けの表面処理鋼板のほとんどは,
鉄よりもイオン化しやすい亜鉛のめっきを施したもの。
亜鉛の犠牲防食を利用する。亜鉛めっきの方法には2種類ある。
溶融している亜鉛浴に鋼板を漬けてめっきする方法と,電気めっきを行う方法である。
◆液晶ポリマ(liquid crystal polymer, LCP)
通常,溶融時に液晶状態になる熱可塑性樹脂を指す。
広義には,溶媒に溶けたときに液晶状態になるアラミドなども含まれる。
LCPの最大の特徴は,溶融時に通常の結晶性ポリマーが糸まり状に絡み合っているのに対して,
規則性を持っており,固化時にも基本的にはその構造が変わらないことである。
このために,収縮などの成形変化なしに分子が規則的な成形品が得られる。
結果として,高強度で高剛性,低収縮率,高流動性などの物性が得られる。
こうした溶融挙動から物性に異方性があることも大きな特徴で,
そうした挙動を知った上で使いこなす必要がある。
◆エンプラ
エンジニアリングプラスチックの略称である。
名付け親は米Du Pont社で,工業用途で成形体として使われるプラスチックをエンプラと呼ぶ。
性能面では引っ張り強さ,曲げ弾性率,長期耐熱性が高い。
◆エピタキシャル成長
エピタキシャル成長(Epitaxial Growth)とは、
薄膜結晶成長技術のひとつである。
基板となる結晶の上に結晶成長を行い、
下地の基板の結晶面にそろえて配列する成長の様式である。
基板と薄膜が同じ物質である場合をホモエピタキシャル、
異なる物質である場合をヘテロエピタキシャルと呼ぶ。
結晶成長の方法として分子線エピタキシー法や有機金属気相成長法、
液相エピタキシー法などがある。
エピタキシャル成長が起こるには格子定数のほぼ等しい結晶を
選ぶ必要があり、
温度による膨張係数の近い物でなくてはならない
◆分子線エピタキシー法
(ぶんしせんエピタキシーほう、 MBE; Molecular Beam Epitaxy )
現在、半導体の結晶成長に使われている手法の一つである。
真空蒸着法に分類され、物理吸着を利用する。
高真空のために、原料供給機構より放たれた分子が
他の気体分子にぶつかることなく直進し、
ビーム状の分子線となるのが名称の由来である。
原理は、高真空中において、原料を蒸発させるなどして
基板表面に照射して堆積させ、薄膜の形で成長させる。
超高真空(10-8Pa(10-10Torr)程度)下で成長を行うため、
MOCVD法に比べて成長速度を遅くできる。
また製膜温度も低くできる場合がある。
数A(10-1nm)オーダーの、単原子層レベルでの成長が可能であり、
条件に気をつければ、1原子層ごとに異なる原子を
面方位関係を保ったまま堆積させ(エピタキシャル成長)、
単結晶の人工格子を作成することができる。
複数の原料を独立に制御することで、
原子比のよく制御された合金膜を作成することもできる
◆有機金属気相成長法
有機金属気相成長法(ゆうききんぞくきそうせいちょうほう、
MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)
原料として有機金属やガスを用いた結晶成長装置である。
化合物半導体結晶を作製するのに用いられ、
MOCVDでは原子層オーダで膜厚を制御する事ができるため、
半導体レーザを初めとするナノテクノロジーといった数nmの設計が必要な分野で用いられる。
代表的な半導体結晶成長装置である分子線エピタキシー法 (MBE) と比較し、
面内での膜厚の偏差が少なく、高速成長が可能であるほか、
超高真空を必要としないために装置の大型化が容易である為、
大量生産用の結晶成長装置として
光デバイスの商用製品の作製に多く用いられている。
MOCVDは化合物半導体の作製において、有機金属原料を用いる。
PH3(ホスフィン)など、毒性の極めて強い特殊高圧ガスを利用する為、
安全設計は重要である。
有機金属原料は、常温では液体・固体であるが飽和蒸気圧が高い為に、
H2やN2をキャリアガスとして用いて、
結晶成長に十分な量の成長用原料をガスとして、
安定した流量で成長基板に供給する事ができる。
原料ガスの混合により多元系の材料を形成する事が容易である。
◆イオン交換樹脂
イオン交換樹脂(いおんこうかんじゅし;ion exchange resin)
合成樹脂の一種で分子構造の一部にイオン基として電離する構造を持つ。
水などの溶媒中のイオンとイオン交換作用を示すが、
その挙動はイオンに対する選択性に従う。
イオン基の性質により、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に大別される。
イオン交換樹脂はその分子内に、
交換されるイオンを放出する基(例:スルホ基)を持つ。
一定量のイオン交換を行ったイオン交換樹脂はイオン交換能を失うが、
交換させるイオンを含む水溶液に浸漬することで
交換能力を再生することができる。
純水製造・海水淡水化・化学工業での物質精製などに用いられている。
イオン交換樹脂中の固定イオンと様々な溶液中の対立イオン(交換されるイオン)との
吸着の差を利用することによって、
溶液に含まれた各イオンを分離することができる。
◆熱可塑性エラストマ(thermoplastic elastomer)
ゴム的性質を持ちながらも射出成形などの溶融成形が可能な高分子材料。
ここでゴム的性質とは,ある荷重を材料に与えて変形した後,
荷重を取り去ると元の形に戻る性質(ゴム弾性)を指す。
熱可塑性エラストマの特異な性質は,
軟らかいゴム成分からなるソフトセグメント(軟質相)と
硬い樹脂成分からなるハードセグメント(硬質相)に分離している構造に由来する。
ソフトセグメントが軟らかく変形する性質を示し,
ハードセグメントが塑性変形を阻止(拘束)する。
この二つの働きによって,加硫ゴムと同様のゴム弾性を示す。
◆表面処理鋼板
鋼板の表面に耐食性に優れた材料を被覆し,
錆(さび)などの発生を防いでいるものを表面処理鋼板という。
自動車の車体向けでは,プレス成形したときに表面処理層が破れたり,
劣化したりしないことが求められる。
自動車向けの表面処理鋼板のほとんどは,
鉄よりもイオン化しやすい亜鉛のめっきを施したもの。
亜鉛の犠牲防食を利用する。亜鉛めっきの方法には2種類ある。
溶融している亜鉛浴に鋼板を漬けてめっきする方法と,電気めっきを行う方法である。
◆液晶ポリマ(liquid crystal polymer, LCP)
通常,溶融時に液晶状態になる熱可塑性樹脂を指す。
広義には,溶媒に溶けたときに液晶状態になるアラミドなども含まれる。
LCPの最大の特徴は,溶融時に通常の結晶性ポリマーが糸まり状に絡み合っているのに対して,
規則性を持っており,固化時にも基本的にはその構造が変わらないことである。
このために,収縮などの成形変化なしに分子が規則的な成形品が得られる。
結果として,高強度で高剛性,低収縮率,高流動性などの物性が得られる。
こうした溶融挙動から物性に異方性があることも大きな特徴で,
そうした挙動を知った上で使いこなす必要がある。
◆エンプラ
エンジニアリングプラスチックの略称である。
名付け親は米Du Pont社で,工業用途で成形体として使われるプラスチックをエンプラと呼ぶ。
性能面では引っ張り強さ,曲げ弾性率,長期耐熱性が高い。
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