射水市聴覚障害者協会

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聴覚障害者、選挙が身近に 候補者演説など「要約筆記」に報酬OK(東京新聞)

2016年02月18日 | 言語・情報保障

以下引用 東京新聞 TOKYO Web 2016年2月18日  http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016021802000140.html

 

 聴覚障害がある有権者のために、候補者の演説などを文字で簡略に伝える「要約筆記」に対し、政党や候補者が報酬を支払えるようにする公職選挙法改正案が、今国会で成立する見通しになった。夏の参院選から適用される公算。従来、認められていた手話通訳への報酬の支払いに加え、要約筆記への報酬も認められて利用が広がれば、聴覚障害者が選挙に参加しやすくなる。 (大杉はるか)

 聴覚障害者は手話の苦手な人もおり、要約筆記へのニーズは大きい。厚生労働省の調査(二〇〇六年、複数回答可)では、聴覚障害者がコミュニケーション手段として挙げたのは「筆談・要約筆記」が30・2%で、「手話・手話通訳」(18・9%)を上回った。

 一三年の公選法改正で選挙運動のための屋内での映写が認められ、要約筆記も表示できるようになったが報酬の支払いは買収に当たる恐れがあるとして禁じられてきた。民主、維新両党はこれを解禁する公選法改正案を近く提出し、与党も賛成する方針。報酬額は、政党が支払う場合は「社会通念上妥当な額」(総務省)、候補者による支払いは政令で基準額を定める。

 手話通訳には〇〇年の同法改正で支払いが認められた。法改正で要約筆記の普及が進めば、聴覚障害者はより多様な手段で投票の判断材料を得られる。全国要約筆記問題研究会の三宅初穂(はつほ)理事長は「政党や候補者が、聴覚障害者にも政策を伝える手段が必要と気づいてくれたら」と期待する。

 一方、視覚障害者への対応は遅れ気味だ。選挙で政党などから点訳者への報酬支払いは認められておらず、今回の法改正でも対象外。改正案作りに携わった民主党の黒岩宇洋衆院議員は障害者の政治参加を「一歩ずつ前に進めたい」と話している。

 <要約筆記> 講義や研修などで発言者が話すと同時に要約文をつくり、聴覚障害者らに読んでもらう情報伝達手段。手書きしたノートやパソコン画面を直接見てもらったり、スクリーンに映し出したりする。厚生労働省によると、登録試験に合格した要約筆記者は2013年度末現在で3513人。国内の聴覚障害者は推計約32万人(11年度調査)。

 

特定非営利活動法人 全国要約筆記問題研究会HP  http://zenyouken.jp/

  全国統一要約筆記者認定試験 実施結果 | 全要研

 

難聴者、中途失聴者に朗報です!
聴覚障害者だけでなくて、耳がだんだん遠くなっていた聴者も健聴者も見ることができますね。
候補者の演説を手話と要約筆記の両方で聞けるようになって、大変喜ばしいことです! 


手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで(みすず書房)

2016年02月18日 | 書籍・雑誌

新書の紹介です。

 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで/みすず書房

 Amazon.co.jpで購入

 

手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
2,808円(税込) 斉藤 道雄/著
272ページ みすず書房 (2016/2/20)

 

手話という少数言語。手話が存在することによって、聞こえない子――ろう児は、
ろう児として、そのままの自分で、聞こえる子とおなじように学び、遊び、よろこび、
悲しみ、育つことができる。日本語と対等の力をもつ手話という言語があるから、
聞こえないことは障害ではなく、むしろ少数派なのだといえる。

 

ろう教育の歴史、手話という言語が乗り越えてきた、そして今も向き合っている困難、
言語学からみる手話、人工内耳など近年の最新動向……ろう者・ろう児とその親、
教育者、日本手話の話者・通訳者、手話言語学の研究者など多方面へのインタビュー、
欧米の事例や研究成果、国内外の文献、そして何より「手話を生きる」子どもたちの
ことばをとおして、過去から未来へ現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。

(サイトより引用)

 

斉藤道雄
さいとう・みちお
1947年生まれ。ジャーナリスト。
TBSテレビ報道局の記者、ディレクター、プロデューサー、解説者として報道番組の取材、ドキュメンタリー番組の制作に従事。
先端医療、生命倫理、マイノリティ、精神障害、ろう教育などをテーマとしてきた。
2008年から5年間、明晴学園の校長、現在は理事長を務める。

学校法人 明晴学園    http://meiseigakuen.ed.jp/index.html

 

「手話を生きる」・・・耳が聞こえない子どもたちがどのように手話で生き生きとしているのだろうか? 読んでみたいですね。