北斗星は2015年8月22日札幌発、翌23日上野着の列車をもって27年半の歴史に幕を閉じた。
以下の写真は2014年9月スマホで撮影。
田舎が北海道ということもあって、帰省には北斗星を使うことが多かった。
飛行機は早いが、ただの移動の手段で旅をしているという感覚は乏しいし、搭乗手続きが煩わしく、料金が高かった。
高速バスは安いが体力的にはきつい。
したがって青函トンネル開通後は北斗星一択となる。
若い頃は物音に途中で目を覚まし、それから先まったく眠れない、なんてこともあったが、歳を重ね慣れるとともに快適に過ごせるようになってきた。
時に寝そびれても、壁に備え付けられたライトで読書などして時間をつぶしたものだ。
帰省はたいてい年末が多く、函館までは夜が明けない。
車窓からの景色を楽しめるようになるのは森駅を過ぎたあたりからだったように思う。
この時は夏だったので青函トンネルを抜けると、夜明けの景色を楽しむことが出来た。
函館山が見えると北海道に帰ってきたのだなと感じていた。
今思えば北斗星は快適に安眠できる列車とは言い難いものがあった。しかし、思い出として残っているのは、この寝台で眠ったことより、眠れなかったことのほうなのが不思議だ。
古い車体がきしんで揺れる。停車駅からの出発時に連結器の音が響き渡る。隣のイビキや話し声がうるさい、等々。
それでも北斗星にはいつも乗っていた。年末年始の切符争奪戦は激しかったがいつでも乗れると思っていた。
その姿をこんなスマホのボケた写真ではなく、もっと良いカメラに収めたかった。