いけふくろう通信(発行人=ムッシュ)

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「改正道路交通法・施行」(いけふくろう通信第166号)

2006-06-01 00:53:50 | 政治・経済・法律・社会
はじめに

結構、新聞やテレビで詳しく見ていたのですが、それを元にした忠実な記事内容では
ありませんので、かなり粗雑な内容となっています。何卒ご了承下さい。


本 文

いよいよ、本日・2006年6月1日より「道路交通法の一部を改正する法律」(以下、「改正道交法」)が、
施行されます。

今回の改正の目玉は、「駐車違反取締り」に関する業務の「民間委託」(民間開放)です。

おそらく警察庁は、「この改正によって、現場の警察官は、事件・事故に集中し、
検挙率のアップが期待できる」と考えているのでしょう。


と考えながら、何となく警察庁のホームページを見ると、

「新たな駐車対策法制は、良好な駐車秩序の確立と、警察力の合理的再配分を目指すもの
であり、大きく分けて二つの柱を内容としています。

1.放置車両についての使用者責任の拡充
 車両の使用者の責任を強化し、放置駐車違反について運転者が反則金の納付を
 しないとき等は、公安委員会は、車両の使用者に対して放置違反金の納付を
 命ずることができることとします。

2.違法駐車取締り関係事務の民間委託 放置車両の確認と標章の取付けを、
 警察官又は交通巡視員に行わせるほか、民間に委託することができることとする
 など違法駐車取締り関係事務の民間委託の範囲を拡大します。」

と書いてありました。

目 的と1.については、良く(きれい事!?)書いてありますが、結局のところ、
日本の警察もご多分に洩れず、2007年問題が影響して、人員不足なんですね。

だから、警察業務の中でも、煩雑な違法駐車の取締業務を民間の「駐車監視員」に委託することで、
現場の警察官は、大規模テロや殺人などの重大事件、少年の非行や万引き等の業務に
専念し、もって治安の向上を目指す、といった具合なんでしょう。

しかし、指定管理者制度ができて、行政事務の民間開放が広がり、図書館や公民館や
体育館が民間の業者によって運営されてきている現状と、今後も行政改革の流れで、
さらにその流れが進んでいく(例えば、「法務局の登記事項証明書の交付事務」)
であろうとはいえ、天下の警察が、一部業務を委託する時代になってしまったんですね。

まぁ、そういう時代だと諦めるしかないんでしょうかね?


それにしても、今回の改正に関して、活発な報道がなされていますね。

それは、旧道交法では、警察官が停車中の車輌に、チョークで線を引き、
一定時間運転者が車が動かず、運転者が不在している車輌に対して、
標章を取り付けて、その時点で「違反」としていたのを、
改正道交法では、駐車監視員は、デジタルカメラを携帯し、運転者が不在している車輌

(二輪車を含む)を発見すれば、即、撮影し、標章を取り付け、その時点で「違反」
となるという改正が問題となっているんですね。

そして、それは、宅配便業者も当然その対象となり、そうなると、宅配便業を営む
事業者にとっては、車輌を離れることができないため、荷渡し先(受取人)に対して、
車輌まで来てもらい、荷物の受け渡しをしなければならない、もしくは、二人体制にしなければならない、
そうなると、大手も駐車スペースの確保、人員増員、運搬方法の変更が最重要課題となる
と書いてあり、さらに個人事業主に至っては、死活問題だとありました。

また、二輪車も対象となるので、蕎麦屋さん、ラーメン屋さん、宅配ピザ屋さん、お寿司屋さん等の業者も、
「お客さんの玄関先まで行き、手渡し、戻ってきたら、標章が取り付けられていて、
『はい、反則金を払って下さい』といわれては、商売にならない」とも言っています。

まぁ、それは極論なのかもしれませんが、もしそれが現実化してしまったら、大問題でしょうね。

一応、現時点で警察庁は「地域住民の意見・要望等を踏まえて策定・公表された
ガイドラインで示された場所・時間帯を重点にメリハリを付けて取締りを行います」
としていますが、一体、どうなるんでしょうか?

私たちは、冷静に、でもしっかりと確認していきたいものです。

~ムッシュ・いけふくろう~