昨年の今日、正しく「非日常的な日常」の連続であるこのかけがえのない日々を形に残し、できる限り多くの人々と共有しようという思いで始めた「ケネディスクールからのメッセージ」。
早いもので今日で開設から一周年を迎えるに至りました。以前、「100回目のメッセージを綴るにあたって」の記事でも書きましたが、「ケネディスクールからのメッセージ」は、僕が日々の経験を題材に自分の考えを綴るという意味で、単なる日記ではなくエッセイとして皆さんにお届けしています。当然出来事だけを書くよりは手間も暇もかかる訳ですが、そこで励みになっているのが、読者の皆さんの存在です。
開設から一年間。一体、どれくらいの皆さんにご訪問いただいたのでしょうか。
9万と5,435件です。
特に、8月末に 『人気Blogランキング』に“上場”してからは、訪問件数がぐっと増え、今では一日平均、約400人の方にご訪問頂いています。
世の中にウェブサイトが無数にあること、また本当に多くの方がBlogを付けていること、そういう中で、一つ一つの記事が長々としている、しかも奇麗な写真も大してないこの場所に、これだけの方々が訪問して下さっていることは、驚きでもあり、また感謝しなければならないと思っています。
またBlog上に、あるいは個人的なメールで頂く数々のコメントは、このエッセイを継続していく上での本当に非常に大きな原動力となっています。本当にありがとうございます。
一方、「ケネディスクールからのメッセージ」を一年間綴っていく中で、Blogという媒体の持つ可能性に驚かされる出来事がいくつもありましたので、以下ではその幾つかを紹介しようと思います。
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9月、長かった夏休みが終わり、ケネディスクールでの忙しい日々が始まった頃、普段使っていないGoo(このBlogのプロバイダー)のメールに一件の新着メールがあるのを見つけました。
開いてみると、面識のない東京のある研究者の方から。
読んでみると、メールの送り主であるその方は、マイクロファイナンス、特に僕が夏の間インターンでお世話になったインドはハイデラバードのBasixが銀行と手を組んで手がけている新保険商品、「天候保険」を研究対象としておられ、研究の一環としてBasixを実際に訪問すべくコンタクト先をネット上で探していたところ、「ケネディスクールからのメッセージ」に出会ったとこのこと。
非常に高い専門性と熱意が伝わってくるその方のメールに動かされ、早速お返事を返します。そして、その方の問題意識とご希望をBasixで人事担当責任者を務めておられる懐かしのサタヤ氏に連絡すると、早速Basixの保険部門の責任者を紹介してくれたのです。
僕とその方との間では、この他にもハイデラバードの町の様子等についても幾度もやり取りが交わされ、また、ハイデラバードで活躍する日本人の方を紹介することもできました。その方は来年の訪問に向けて準備を順調に続けているようです。
お互い未だ顔を合せた事もありませんが、高い専門性を持つその方と、お世話になったBasixとが、「ケネディスクールからのメッセージ」を通じてつながり、新しい価値が生み出されようとしていることを考えると、何だかとてもワクワクします。
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先月の半ば、相変わらず容赦なく課される膨大な量のリーディングに疲れ果て、「ちょっと一休み・・・」とケネディスクールの図書館の扉を開くと、何やらスーツケースを抱えた東洋人の女性が目を丸くして僕を見ています。
本当に驚いたような顔をしてるので、「イカン、リーディングをやり過ぎて相当やばい顔になっているのだろうか・・・」と心配しつつ横を通り過ぎようとすると、その人が突然、日本語で僕の名前を呼ぶのです。
「どこかでお会いしましたっけ?」と尋ねると、
「実はいつもブログを楽しみに読んでいまして。ブログにのっていたお写真でお顔を覚えていました。」
とのこと。しかも驚くべきことに、その人はその日わざわざ留学先のヨーロッパからケネディスクールにキャンパスビジットに来られたとのこと。ケネディスクールを志望校の一つとしてリサーチを進める間に「ケネディスクールからのメッセージ」に出会い、それ以来愛読して下さっていたその人は、正にブログを書いている本人が、何のアポイントメントもとっていないのに目の前に突然現れたので驚きを隠せなかったのです。
結局、翌日の夕食をご一緒し、留学のことやケネディスクールのことを色々と語り合う時間を持つことができました。ケネディスクールを志し、それぞれの分野で努力を続けている人々と、実際にケネディスクールで学ぶ自分とをつなぎ、その夢の実現に微力ながら貢献することができるのも、ブログを書き続ける原動力となっています。
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自分がBlogをつけるようになって以来、僕自身も様々なBlogを読むようになりました。その中でもやはり「お気に入り」に登録して毎日チェックしたくなるのは、単に出来事だけを綴るものではなく、ある出来事を通じてその人がどう思ったか、どう考えたかに触れることができるもの。別に硬い話題でなくても、日々のちょっとした出来事でもいいのです。
そういうBlogを読み続けていると、その友人の考えや意見だけでなく、性格や人となりにも触れることができ、そんなに数多く会っていない友人でも、久しぶりに出会った時には、何だか昨晩も一緒に飲んでいたような、そんな感じで意気投合できるから不思議です。
願わくば、この「ケネディスクールからのメッセージ」も、大勢の読者の皆さんが、たとえ未だお会いしていない人であっても、まるで僕と旧友であるかのような、そんな気持ちになれるものであれば、そしていつか直接お会いできた時には、まるで昨晩も語りあった仲のように意気投合できるような、そんなBlogになればという思いで綴っています。
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と、そんなことを182番目のメッセージとして、寝不足の目を擦りながらキーボードを叩いている本人は、生れて来てから30回目の10月30日を迎えています。
30歳。
節目なようで、自分の心にも、もちろん体にも目立った変化はなく、いつもと変わることなく時間が過ぎていきます。
これまで20代はインプットの期間、思い切り色々とトライして吸収して、その糧を持って30代は社会にインパクトを与えるべくアウト・プットに向けて動き出そう!
こんな大雑把な計画を持っていたのですが、ふたを開けてみると、何ともインプットが足りていない自分がいるばかり・・・
もとより人生最後までインプットを続けなければならないのでしょうが、自分の薄っぺらい現状と時の立つスピードの速さを見るにつけ、何とも苛立ちと焦燥感が募ります。
ただ、このケネディスール留学での1年半で、自分のキャリアを通じて尽くしたい方向性、軸足のようなものが定まりつつあるのは、様々な分野に興味関心が発散しがちであった自分にとって、大きな収穫です。
いや、もう少し正確に言うと、これまで自分が軸足としたい分野、実現したいビジョンはあったのですが、「実現のための方法論」や「自分の立ち位置(ポジショニング)」がいまいち見えていなかったために自信がなかった、
しかし、
ケネディスクールでの経験や学びを通じてゴールまでのステップと自分がとるべきポジショニングが見えてきた、と言ったところでしょうか。
そのゴールとは、恐らく今後この「ケネディスクールからのメッセージ」の中心的なテーマでなるであろう、
「社会を構成する多様なプレーヤー間の協働による社会問題解決に必要な様々な仕組みづくりと、それを実行に移すためのリーダーシップ」
ということになります。
卒業まで残り7カ月。
継続は力なりで最後までメッセージを発信していこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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☆ 『人気Blogランキング』に参加しています。実際の日付より大分遅くなってしまいましたが、「ケネディスクールからのメッセージ」開設1周年、そして30歳の記念にお祝いの1クリックをよろしくお願いします。
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卒業まで残り半年、最後まで継続して続けて生きたいと思っています。これからもよろしくお願いします。日本人会の皆さんにも是非よろしくお伝えください。
そしていよいよ出版までカウント・ダウンだね。表紙の帯の写真、相当いけてる。僕も手にとって読むのを今から楽しみにしています。
このセメスターが終わったら、Konpe氏やReiさんも交えて一緒に語り明かす場を是非もちたいと思ってますんで、その時はよろしく。
またメールします。これからも、ブログ期待してます。写真もいっぱい載せてください。取り急ぎ、簡単なコメントで失礼いたします。
おめでとうございます!
「継続は力なり」。
大事なことであり、なかなか続けるのは
大変なことですよね。
ikeikeさんのエネルギーと継続する力を
見習っていきたいと思います!
これからもブログ楽しみにしています!
これだけの質・量のブログを1年間続けられることは並大抵の作業ではないことを察します。そちらにいたときも、帰国後もこのブログからいつも刺激を受けています。
これからもがんばってください!
1周年もおめでとう!
ほんと、お互い留学してよかったよね。
これからもがんばろう。
こ