"夜会2回目観賞の感想は、次の記事へ"と書いておきながら、1ヶ月以上、感想記事をアップしないでいた。
感想を上手くまとめられなかったという理由もあるが、気持ちが冷めたのが一番の原因かな。
もう既に多くの方が内容を分析し、ブログで感想を述べているので、今さら私が書くことは特に無い。
私の感想も皆さんと同じで、2度観ても「わけわかんな~い」という一言に尽きる。
ただ、今回の夜会は嫌いじゃない。
もう少しわかりやすい舞台づくりをしてくれていたら、感動の傑作になった可能性があると思う。
終わりの拍手に勢いが無かったのが、残念だ。
**ここから保留していた感想です**
初日から1週間が経ち、再び夜会VOL.15「~夜物語~元祖・今晩屋」を観賞。
今回はS席なので1階からの観賞。ただし、席は後部の最も左端。
それでも2階席よりは舞台に近いかな。左端でも舞台は見渡せる。
周りは白髪の方が多い。
ほんと観客の年齢層が高いことが、今回は特徴としてあると思う。
初日の前回は、展開を追っていくので精一杯だったが、2回目は展開がわかっているので、前回の不明点を確認しながら観賞する余裕があった。
歌詞も前回よりは聞き取れた。
何度聴いてもわからない箇所はあるけれど、たぶん一度聴いているから耳が慣れたのだろう。
だが、第1幕は下地となっている森鷗外の「山椒大夫」も読んで前回より理解が進んだが、第2幕は前回同様よくわからないままラストを迎えてしまった。
内容はシンプルなのに、1回観ただけでは理解に苦しむ。
予習もして、2回観て、なんとなく疑問点が解けてきた感じ。
**このあと自分が解釈したあらすじ等も書いたけど、2幕目がどうしても分析できなかったので、ボツにしました**
ひとつだけ、「約束は、その場の気持ち」という台詞が心に残ったことを書いておく。
自分がその場だけの約束を口走ったこともあるし、その場の約束に裏切られたこともあるからね。
「約束」は、今回のストーリーで重要なポイントの一つになっているようだ。
あ、もうひとつ。
「約束」にからんで、「罪悪感」もテーマになっている気がする。
今回の夜会は輪廻転生の話だが、実際前世療法に関する資料を読んでいると、「罪悪感」と「生まれ変わり」は関係が深いことがわかる。
過去生で生じた「罪悪感」を抱えて生まれ変わった場合、今生に色々影響を及ぼすが、「罪悪感」の解消が今生のテーマになる場合もある。
過去生で安寿との「約束」を破った厨子王は、何度も生まれ変わりながら、最後はその「罪悪感」から解放されたのかな?
あ、舞台挨拶もまたあった。
「小雨が降っているのでお気をつけてお帰りください」だっけかな?
挨拶は毎回行ったようだ。
**ここから今晩屋に対しての不満を付け足して書いておく**
今回は不評気味の夜会だが、内容が理解できない夜会に、どれだけの人が感動できたのだろう?
シーンの意味が理解できなければ、感動は生まれない。
これはどういう意味?と考えているうちに、終わってしまった夜会だった。
だから観終わったときに、すっきりしないんだよね。
とにかく登場人物たちの役割や人間関係が読み取りにくい。
登場人物に関する説明が不足していると思う。
シンプルなのもよいが、もっと誰にでもわかるヒントになるような台詞やシーンがあればよかった。
今晩屋という店と、登場人物たちの絡みが無いのもわかりにくさに拍車をかけている気がする。
一生懸命、みゆきさんの歌う歌詞に耳を傾け、何かヒントになることはないかと探ってみるが、疲れるだけ。
みゆきさんの歌が聞ければ、それで満足という方もいるだろう。
台詞ではなく、歌詞だけでストーリーが進行する形にしたみゆきさんは、歌をしっかり聴いて欲しいと思ったのかもしれない。
だが、肝心の歌詞が聴き取りづらいのでは、歌だけで100%満足するのも、ストーリーを理解するのも無理なのでは?
内容はワケワカメでも、とっても感動した!と言える何かが人それぞれにある夜会であったらよかったけれど、今回はそういうことも少ない気がする。
そもそも予習が必要な舞台づくりってどうなの?
みゆきさんは、「安寿と厨子王」の話なら誰でも知ってると思ったの?
事前に「山椒大夫」を基にしてますと一応公表しているけれど、まさか「山椒大夫」の小説を読んでいないと理解できない内容とは思わなかった。
細かい小道具の意味や、十文字などは、絶対「山椒大夫」を読んでいないとわからないと思う。
パンフレットにも一部の歌詞が載っているけれど、パンフレットを買わない人もいるわけで、それなら事前にこれだけは知っておいて欲しいことや、歌詞すべてを観客全員に配って欲しい。
でも時間ぎりぎりに着席した人や、休憩時間にトイレに行きたいは、読んでいる暇なんかないか・・・。
チケット料金が高額なので、1度観るだけで皆が満足して幸せな気分で帰れる努力をもう少しして欲しいかも。
今回は、頭にクエスチョンマークを付けたまま帰られた方が多いのでは?
過去の夜会だって簡単に理解できる作品ではないけれど、今回ほど難解さで不評なのは、みゆきさんにも予想外だったかも?
まだ大阪公演が控えているが、東京での反応をふまえて、何か変更することもあるのかな?
毎回、夜会の内容をあーだこーだと分析するのがファンの楽しみの一つではあるけれど、今回は謎のシーンが多く、予備知識がないと推測もできないし、深すぎて納得できる答えを導き出せないことがストレスになって、不満が噴出してしまうのかもしれない。
「今晩屋」は、次回再演となるだろうか?
再演しないとわかってもらえない夜会なんて失敗だと思うけれど、でも夜会は「言葉の実験劇場」だから、実験失敗も再実験も有りってことか?
上演してみないと観客の反応なんてわからないけれど、実験の様子を高額な料金を支払って観に行かなければならないのは、どうかと思う。
できるなら実験成功作品を最初から楽しみたいよ。