ある退職教師のつれづれなるままに

38年間の教職26.3.31退職
4月1日再任用。自分の目でみたこと感じた事など
つれづれなるままに記します。

2019-120  凍てつく夜に詩二題

2019年12月31日 | 日記
 あとわずかで今年も終わる。
いつもながら1年が過ぎるのが早い。

 凍てつく夜に詩を二題

 鹿

死期のせまった 老いたる鹿は
冬の早朝 人しれずそっと
森の老木に 別れを告げに来る

 灯

雪の山中 小さな灯が1つ
時代にはじき出された
昭和の落武者の涙

これは倉本聰氏の「森へー」という展示の中で
心に残った作品の一部である。









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2019-119 小さな神たちの祭り、さすが内舘脚本

2019年12月31日 | 日記
 年末掃除に明け暮れていた午後
ふとTVをつけたら、「小さなー 」が放映されていた。
副題が震災から9年目の夏に起きた奇跡の物語とあった。

何気なくみていたら、どんどん引きこまれていった。

場所は宮城県の亘理。イチゴが特産である。
大学合格し東京のアパートに旅立つ主人公の青年。
家族で見送り、弟はイチゴ農家の父を手助けしている。
祖父はタクシーの運転手。という設定。

あの3,11の時青年は東京に。
亘理は海岸沿いにある。
一瞬のうちに愛する家族5人と愛犬を失ってしまう。

悲嘆にくれ、大学進学を諦めようとするが叔父が父の願いだったことを打ち明け
思いとどまる。しかし周囲に気を遣い明るく振る舞い
胸の内の悲しみを人に察しされないようになった青年。

卒業し、会社に入るが営業でなかなか思う結果が出せない。
有るとき会社を辞める決意をし地元にも戻る。
勤務先である保母さんと出会う。
付き合いながら自分の過去を他人に初めて話す。
8年たっても自分だけが生き残ってという罪悪感がつきまとう青年。
家族の死の悲しみから抜け出せず、彼女にも結婚してというまでなかなかならない。
そんなときタクシーが現れ、乗車するとあの世の世界に入り元の家族が
あの日のままで迎える。

夕暮れは現世とあの世を混じり合わせるとき。
そこで家族が青年をいつまでも見守っていること。
幸せになってくれと。

現実とあの世が交錯しながらも
青年はようやく現実の明日を前向きに生きようとするのだった。

内館牧子氏の脚本。同じ東北人の目で8年たっても癒やされない被災者に
寄り添い、葛藤をしながらも次に生きようとする結末。
とっても心に染みた年末のヒューマンドラマだった。











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