ある退職教師のつれづれなるままに

38年間の教職26.3.31退職
4月1日再任用。自分の目でみたこと感じた事など
つれづれなるままに記します。

2019-112 市井の人々の愛を描いた「柳橋物語」

2019年12月15日 | 日記
昨日の演劇鑑賞会は前進座の「柳橋物語」県民会館にて

名作「赤ひげ」や「樅の木は残った」などを書いた、山本周五郎作だ。

場所は江戸。17歳のおせんと大工の正吉と幸太の愛。
杉田屋の跡目は幸太に。敗れた正吉は上方へ修行に旅立つ。
離れる前に正吉はおせんに「3年待ってくれ」といいおせんは申し出をうける。

その間に震災の大火により、おせんを想う幸太は身を犠牲にしておせんを守る。
死の間際に呻くように愛の告白をする幸太。乳飲み子が泣き叫んでいるのを助けるおせん。
おせんの祖父も幸太も犠牲になる大火による記憶喪失。

それでも通りすがりの人々の世話になりながらどうにか生き抜いていくおせん。
親友だったおもんは身を崩しながらもその日暮らしをしている。

しかしまたもや災難が襲う。今度は洪水で世話になった夫婦が亡くなる。
そんなとき正吉が大阪から戻る。
が赤ん坊を抱いたおせんをみて幸太の子どもだと勘違いをする。
記憶が戻ったおせんが経緯を言うのだが正吉は人の噂を信じてしまう。
そして別の頭領の娘と一緒になる。

おせんは火事の時に告白された幸太の愛にようやく気付く。

そして赤ん坊と世話になった亡くなった夫婦の兄と共に
野菜売りをしながら明日を生きていこうとするのだった。

とても厚みがある作品で引きずりこまれた2時間45分だったが
ラストの終わり方がなんとも心に引っかかってしまった。
はたしてこれでおせんはほんとうにいいのだろうか。なんだかすっきりしないのだ。

つい船山馨の石狩平野お思い出した。3世代を描いたこれも大作だが
山本周五郎の作品をもう一度読んでみようと思った。
コメント
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