Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

韓国デジタルライブラリ訪問

2009年10月29日 | 会議参加記
もう2週間前になるのですが、DC-2009 (Dublin Core and Metadata Application 2009)という会議でソウルにいってました。この会議の報告はまた別報告して、その会議に一部として韓国国立図書館のデジタルライブラリを見学させてもらいました。
#写真追加 デジタルライブラリ メディアポール

このデジタルライブラリはかなり新しいものです。国立図書館の前庭のような斜面部分に埋め込まれた地下5階地上3階の建物です。中に入るとまずはPCが大量あります。みたことないthin clientがずらっと200台以上、他に3画面PC(さすがにこれはthin clientじゃない)、大画面PCも10数台あります。言語対応というPCもあり、みると異なる言語のWindowsがはしっていました(え、それで言語対応?)。とにかくだだ広く壮観です。他にも大画面PCを集団でみる円形スペース、プロジェクタ画面に直書きができるPCを備えた会議室もありました。さらにさまざまな障害者向けインタフェースをたくさん用意した一角、さらにはスタジオ(録画、録音)まであります。ここはUGCを作るためのスペースだそうです。ところどころに巨大画面もあって、そこでUGCを放映するそうです。さらにはデジタルアート関係も少しあって、大型テーブル型ディスプレイで本をめくるようにデジタルコンテンツをみるものや、動く山水画(中の人や動物が動く)などもありました。あと図書館との連携としては本館にいかなくても図書の貸し借りができたり(これは普通)、ディスプレイで指示するとDVDが横ででてくるATMもありました。
あと入退場、貸借、部屋の利用などはすべてICカードでやります。デジタルサイネージのような大ディスプレイつきのものに自分のカードをかざして操作したりします。

さて、この施設はデジタルライブラリの方向を示しているのでしょうか?まあ結論的にいうとそれはどうかな、という感じです。現状は、とにかくできそうなとをとにかく詰め込んだという印象です。デジタルライブラリなんだからとにかく閲覧PCがないといけない(まあそうだね)。でも単にそれではインターネットカフェ(韓国ならPCバンか)と変わりない。PC上の新聞インタフェースや本インタフェースもまああればいいけど、さすがにもっと大画面が必要。メディアアート系はおもしろいけど図書館としては意味不明かな。UGCに至っては図書館の関係がよくわからないよね。むしろ、これをみて感じるは、やはり施設としてのデジタルライブラリはやっぱり暗中模索であることがわかります。それはソウルがこれがそうでよくないということじゃなくて、そもそもデジタルライブラリとはどうあるべきがはみんながみえていないんだよな、という意味です。その点ではむしろ、このデジタルライブラリはすばらしいといえます。とにかく未来を探るためにいろいろな方向にトライアルをしているという意味で大いに評価できると思います。やらないよりやったほうがいいです。日本は最近なんかこういう気概がなくなっているようなあと感じます。

あと、江南(若者が多い街。新宿みたいなもの?)になるメディアポールなるものも見に行きました。これは街頭におかれた情報端末です。情報端末といったって巨大で、平たい電柱みたいなもので、大通り沿いに50mぐらいごとに建てられています。上部は単なる電光広告板ですが、下部にはタッチ型の大ディスプレイがついていて、いくつかの機能を提供しています。まち案内とか普通の情報端末機能となぜか写真機能がついています。その場で写真がとれて、それはemailで送られます。大ディスプレイなんで、取った写真も自分のemailも周りに丸見えです。これも街中コミュニケーションと割り切れということでしょうけど、ちょっと恥ずかしいですね。あとなにもないときはそこからのシーンに歩いている人を同定して炎?のようなものつけて表示しています。結構使われていていました。

これもまあ機能的になんかすごいことをしているわけではないですけど、こんなモニュメントのようなものを沢山つくっちゃうのもすごいといえばすごい。街をデジタル化するといのも暗中模索だけど、これもまずはやってみようという気概を感じます。

ちなみに僕が泊まっていたところはなんかラブホテルのようなところで(実際そのなのかもしれない)、部屋には巨大ディスプレイとPCがおいてありました。単にテレビかと思いきやちゃんとPC画面も表示できました。ソウルの恋人たちはこのPCで何をするのだろうかと思いつつ、これも日本じゃたぶんないよなあと思いました。
かつて日本の街は外国人からハイテクシティといわれてましたが、デジタル化の時代ではいまやソウルがそれですね。今の日本には、なんでもいいから前に進んでみようという雰囲気がないのが悲しいところです。

ちなみに会議のおまけも極小のUSBメモリとレーザーポインタ付きボールペンで、ハイテク韓国の期待に応えようとしてますよね。

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