Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

ESWC2006参加記

2006年06月19日 | 会議参加記
○概要
ESWCは今年が3度目で,私は前年から引き続いて参加である.セマンティックWebは現在EUのIST絡みで複数のプロジェクトが実施されており,ヨーロッパがもはや本拠のようになっている.ESWCは実質的にこれらのプロジェクトが主催していると考えてよい.私は今回よりこの会議のPCでもある.
本会議は40数件とかなり絞ってあるが,ワークショップは8件もあり,そこではプロジェクトの指向が反映された会議が行われている感がある.私はSemantic Wikiのワークショップに参加した.Semantic Wikiは意外なほど人気?があり,40人ぐらいの人が参加していたようである.なお本会議でもSemantic Wikiのセッションがあり,結構な数の聴講者がいた.
本会議は印象的な発表はそうなかった.セレクションがほんとに合っているか怪しい発表もあった(自分も含めてPCのせいだが).招待講演の3人のうち,最後のAnthony Jamesonは,私の研究(昨年のESWC05WSでの発表)を名前を挙げて言及していた(ただし渡したスライドは使わなかった).

○個人的メモ
・Workshop (semantic wiki)
Ontoworldのsemantic mediawikiはよく開発されている.もうMewKISSは開発不要

でも”WikipediaはGoogleの代わりになる”などといっているところが楽天的というか,やっぱりAI研究者なんだなあとと思った.”スケールする”ということがまだつかめていない.


・沢山の会議を題材にしたSW技術のサービスが提供されている.

ESWC2006 Semantic Wiki
Semantic Photo Annotation
ESWC2006 Chat (web-based, no install required)
ESWC2006 Semantic Search
ESWC2006 Rich Client + Semantic Web Community
ESWC2006 Social Network + Related Papers


ESWC2006 Conference Ontology
RDF/XML Descriptions of the Conference

・なお全本会議セッションは録画されて公開されるらしい.
Video Recording
seminars.ijs.si/eswc2006

○各発表のメモ
◎○△×は個人的論文の関心度.別に優劣ではない.
**************************************
Frankの招待講演

SW as Web of Data
- Enrichment of the current Web
- Annotate, classify, index

SW as Technology
- better search and browse
- personalization
- semantic linking
- semantic web services
- ..
SW as Science

4 examples of "where does it break?"
1. Traditional complexity measures
Who cares about decidability
decidability = completeness
sources of incompleteness
Who care about UNdecideablity?
Who care about complexity?

What to do instead?
- practical observations on RDF Schema:
- practical observation on OWL;
-- NEXPTIME

2. Hard in theory, easy in practice
3. context-specific nature of knowledge
4. Logics vs. Statics
statics = getting a system of stable state
logics = relation among stable states

**** Semantic Wiki and Blogging *****

○Ideas and Improvements for Semantic Wikis
Jochen Fischer, Zeno Gantner, Manuel Stritt, Steffen Rendle, Lars Schmidt-Thieme

△WikiFactory: A Web Ontology-Based Application for Creating
Domain-Oriented Wikis
Angelo Di Iorio, Valentina Presutti, Fabio Vitali

◎Using Semantics to Enhance the Blogging Experience
Knud Moller, Uldis Bojars, John Breslin
とっても似ている.これはきちんとよまないと.
SIOCオントロジーを使っている.
Semiblog自身はdesktop application.ここから外のblogにポストする.このと
き,RDFファイル(どっかにUpload)へリンクも張られる.これがメタデータをもっ
ている.

**** Semantic Web Mining and Personalisation
○Semantic Network Analysis of Ontologies
Bettina Hoser, Andreas Hotho, Robert Jaschke, Christoph Schmitz, Gerd Stumme

◎Content Aggregation on Knowledge Bases Using Graph Clustering
Christoph Schmitz, Andreas Hotho, Robert Jaschke, Gerd Stumme

Dynamic Assembly of Personalized Learning Content on the Semantic Web
Jelena Jovanovic, Dragan Gasevic, Vladan Devedzic

Interactive Ontology-Based User Knowledge Acquisition: A Case Study
Lora Aroyo, Ronald Denaux, Vania Dimitrova, Michael Pye

***** Edward Hovy ******

Omega Ontology
http://omega.isi.edu/

*****
Ontology Alignment 1/2 (Chair: Jerome Euzenat)
Room Pulenat, Wednesday, June 14th, 11:00-12:30

◎Matching Hierarchical Classifications with Attributes
Luciano Serafini, Stefano Zanobini, Simone Sceffer

○Community-Driven Ontology Matching
Anna V. Zhdanova, Pavel Shvaiko

Empiric Merging of Ontologies - A Proposal of Universal Uncertainty Representation Framework
Vit Novacek, Pavel Smrz

*****
Ontology Alignment 2/2 (Chair: Pavel Shvaiko)
Room Pulenat, Wednesday, June 14th, 14:00-15:30

An Iterative Algorithm for Ontology Mapping Capable of Using Training
Data
Andreas Hess

Reconciling Concepts and Relations in Heterogeneous Ontologies
Chiara Ghidini, Luciano Serafini

Towards Distributed Information Retrieval in the Semantic Web: Query Reformulation Using the oMAP Framework
Raphael Troncy, Umberto Straccia

******
Usability and the Semantic Web
Anthony Jameson (DFKI and International University in Germany)

Interop06 workshop参加

2006年06月05日 | 会議参加記
INTEROP2006ワークショップ
「Web環境の進化で変わる情報検索アーキテクチャ」
に出席しています.
出席しながら感想などを.

Webを取り巻く最近の技術変革とgoo2.0:
     小澤英昭(NTTレゾナント社)

Web2.0の概要とWeb2.0からみたGooラボのサービスの紹介.
Gooの頑張りようはよくわかる.
しかし,Googleの後追いであったり,スケールが小さかったり,今ひとつ感動できないのはつらいところ.やっぱりAll Japanでがんばるべきか(休憩時の話).
blograngerは結構ちゃんと構築していてすばらしい.どのくらいのカバー率があるのかにもよるけど,
Bloggerのランキングをつかってエントリーのランキングをするというのは悪くない.しかし,この結果を見る限り,あまりうまくいっているようにはみえない.Blogger自身をノードとするアイデアはうちでもやっていたけど(Egocentric search),どうなんだろうか.

全体的に技術者的発想.こういう技術はいいでしょう,というよくも悪くも技術押し付け方.これは技術者間のコミュニケーションではとっても自然なんだけど,いまWebが全ての人に開かれている時代,なんかピントがずれているように思えてします.
そこがWeb2.0のセンスと違いなんだろうと思う.Web2.0は社会の影響までを含めたWebの世界を見ているけど,純技術者的視点ではそこまで見えてこない.そこが気になるところ.

   セマンティックWebとWeb2.0:
     武田英明(国立情報学研究所/東京大学 教授)

なんか今日はうまくコンセントレーションができなくてかみまくり.最近,体調が悪いからな.

・昼食

久しぶりに同級生の石田氏とかつての同僚の砂原氏に出会う.うーん,彼らがここにいるのは当然だけど,僕がいるのは変だね.

   Web2.0のインパクトとFeed2.0:
     小川 浩(フィードパス株式会社)

高橋メソッド的プレゼン.なかなかスマートなプレゼンでいいなあと思う.Webの今を体感的語っているところが参考になる.WebがWeb2.0になったように,FeedもFeed2.0に進化すると.ただ,FeedからFeed2.0へのロジカルな筋書きはいまひとつ納得できなかったけど.もっともFeedがどれだけはやるはロジカルな理由づけじゃだめなわけで,どうなのだろう.単に新規の情報が手に入るだけでははやる理由にならない.ロジカルな理由を超えるなにかが必要.feedpathはその何かをもっているだろうか.技術者的発想に微妙に引っ張られている感がある.ただし,僕はFeedpathのことをそんな理解していないので,誤解かもしれないけど.

   インターネットのさらなる進化は社会に何をもたらすか:
     松村太郎(慶應義塾大学SFC研究所上席所員)

体験的インターネット論とでもいい話.いやあ,世代差を感じますね.高校で携帯でDoCoMoとIDO(っというものも時代ものだけど)の違いって言われたって,僕の高校時代に携帯なんてあるわけもないし.
Macユーザの話で「Windowsは稲穂を食い荒らすバッタみたい」と.これもすでに稲穂(PC)があることが前提の世界を語っている.でも僕らはPCの生起から一緒に人生をおくっているから,全然世界観がちがうよね.
松村さんが強調するように,自らの体感に基づくのは重要だと思う.この世界は,技術や論理で割り切れるものではない.頼るべきは体感だと思う.ただし,これは自分の体感だけでじゃ足りないと思う.人の体感も仮想的に体感することができないと.僕はそれを心がけているつもり.それができなければこの世界から引退かな.

全体を通すと世代差が体感でたように思える.僕と小澤さんは世代1(静的なWebに慣れた世代),小川さんは世代2(ダイナミックなWebに慣れた世代),松村さんは世代3(ケイタイ世代)かな.こういう違う世代の話をきくのは参考になる.

パネルセッション
議論はフィードの話ばかり.
ふーん,みなさん,結構好きですねえ.
そうか,RNAはやっぱり重要だな.いまだ他ではできてないことがあるし.