Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

身近なところで役に立ち始めたセマンティックWeb

2007年03月27日 | 会議参加記
どこがやねん,と突っ込みをいれられそうなタイトルですが,これは先日の電子情報通信学会の総合大会でのチュートリアル講演企画のタイトルです.
僕以外は全員企業研究者の発表ということで,いつもの研究発表とはひと味違った講演会になっていたと思います.
僕はどうやって「身近な」セマンティックWebを見せたらいいか直前まで考えていたのですが,結局,GRDDLとSemantic Wiki(Semantic MediaWiki)とSemantic Blogging (SocioBiblog)を紹介しました.
ちょっと面白かったのは最後の総合討論のところで,オントロジーをどう普及させていくかというところでした.企業の研究はどれも多かれ少なかれオントロジーを使っているのですが,これは基本的にはみな公開できないと.しかし,それじゃWebじゃないじゃないかと突込みがはいります.じゃあというわけです.きっとアメリカならVentureみたいな会社がオントロジーを無償公開して普及させたところでビジネスにするかな.ヨーロッパは初めから公的資金で開発して公開を前提とすると.じゃあ日本では?トップダウン(EU型),ボトムアップ(米型)どちらでもない方法,日本式はあるのかということです.
これはいい問題提起で,これを解決すれば,日本式セマンティックWebが普及すると.なんとかしたいですね.

ICSD参加記

2007年03月20日 | 書評
だいぶ遅くなりましたまた会議報告です.
2月にInternational Conference on Semantic Web and Digital Libraries(ICSD)とい
う会議に出席してきました.とくにしがらみがあって参加したわけではなく,ふ
とWebをみていたら,ひかっかた会議です.私は今年度からNIIの学術コンテンツ
サービス研究開発センターの仕事をするようになりました.このセンターのミッ
ションはNIIの学術情報サービスの次世代を研究開発するというものです.私の
「野望」としてはぜひセマンティックWeb技術を次世代NIIサービスに活用したい
と思っていましたから,おおこのタイトルはまさにドンピシャ,ということで参
加しました.
さてどんな会議であったか.基本的にLibrarianの会議でした.つまり参加者も
発表者も図書館関係者で,図書館関係者がセマンティックWebを学んで使ってい
こうというような意味づけなんですね.招待講演者はセマンティックWebプロパー
の人が多く,ここは面白かったです.セマンティックWebの現状をコンパクトに
まとめて話してくれました.当たり前ですが,セマンティックWebプロパーの会
議にでていると,こういう話は聞けません.改めて知識がrefreshされました.
機になったはGRDDLで,前にも神崎さんの講演でもでてきましたが,今回ちゃん
と聞いて結構気に入りました.SKOSも強調していましたが,これはいまひとつぴ
んときませんでした.
図書館系の発表のメインは機関リポジトリでした.NIIは日本で機関リポジトリ
普及でがんばっているのですが,世界各国でも同様な状況であることがわかり,
安心すると同時になんだかなあという感じです.
会議とWorkshopでドイツ,イギリス,インドの機関リポジトリの報告がありまし
た.
- ドイツのDINI(Deutsche Initiative fuer Netzwerk Information)というところ
では大学でのオープンアクセスの基準作り(certificate)を行っている.その大
項目は 1. Visibility & Server Policy, 2. Authors Support, 3. Legal
Issues, 4. Authenticity and Data Integity, 5 Indexing (Subject Indexing,
Metadata, Interfaces), 6. Visibility / Impact / Access Stastivs,となって
いる.さすがドイツ人,ここでもがちがちと基準作りをしている!
因みにドイツには109機関リポジトリがあるようである.内容は20%がArticle,
40-50%が書籍と博士・修士論文,Proceedings等が25%だそうである.ソフトウ
エアはEprint, Dspaceなどであるが,OPUSというドイツ製のソフトが44件使われ
ているらしい.
- イギリスではJISCというところが機関リポジトリを推進しているらしい.因み
JISCは大学用のネットワーク運営もやっているようで,NIIとミッションがか
なり類似している.
- インドでは35個の機関リポジトリがあり,Eprints 7, Dspace 22, Greenstone
6だそうだ.しかし,コンテンツ量は多くは年100件以下でなかなか低調である.
因みにインドでは多言語処理が大変な問題であるわけですが(実際,そういうそ
ういうセッションがあった),機関リポジトリでは事実上英語コンテンツだけが
公開されている.
一般の発表は僕がみた範囲では図書館でdigital libraryをどう実施していくか
といった実践報告が多かったです.まあ図書館系の発表はこういうことをやりま
したという結果報告が多く,いわゆる情報系のような研究報告でないので,ちょっ
と肩透かしを食らった感があります.
残念ながらSemantic WebとDigital Libraryのすごい融合は発見できませんでし
た.ならば我々が...

E61 旅日記

2007年03月10日 | もろもろ
2月の最後の週にインドとタイにいってました.また学会参加で,その報告は別に上げますが,今回はちょっと趣向を変えて,Nokia E61の使用記を書きます.
元々僕はガジェット好きなんですが,PDA系はどうもだめで,何度となく挫折していたわけですが,さてPDAもどき?のE61はどうだったか.
○そもそもなぜE61なのか
僕は旧vodafoneのconnect cardを国内外で使っていて,これは国内もいいのですが,さすがvodafone,国外でも使えるところがGoodです.しかし,これは第3世代用なので,ヨーロッパではOKだけど,それ以外ではたいていダメです.とくにアメリカでNGなのはいたい.困っていました.
そこでふとまてよ,これはconnect cardが第3世代Onlyだからいけないのであって,SIMカードをデュアル端末にさせばGSMでもいけるのではないかと思ったわけです.で,Nokiaをデュアル端末を探したら普通に手に入るのはこれしかなかったというわけです.
実は無線LANがついていたり,PDA的なoffice機能があるとは,人に教えてもらうまで知りませんでした :-)
さて,とりあえずSIMカードを差し替えてみるとなるほど使えます.SIMはあってもなくても無線LANでつなげてメールもWebもみれます.おおすばらしい.これは期待がもてます.さて海外ではどうなるでしょうか.
○タイでトンジット
行きはトランジットしました.そこで早速立ち上げてみます.むむ使えない??と思ったらちょっとしてキャリアを捕まえました.AIS GSM(だったかな)と表示されます.Webがみれます.おお,ちゃんとGSMで通信できている!当たり前ですが,電話はできません.connect card用SIMなので音声契約はないので.
○インド,バンガロールに到着
さあインドではどうか.お,ちゃんとローミングしてくれた.SPICEと表示されます.なんとインドらしいキャリア!これもまたちゃんとデータ通信ができています.速度からしてGSMです.
○インド滞在
ホテルは妙にファッショナブルです.インドの渋谷系?モノトーンの内装,部屋の明かりは青の間接照明.うーん怪しい.でも無線LANが弱いながら無料で使えます.すばらしい.
ところが会議会場では無線LANがない.セマンティックWebの会議なのに...今や懐かしいInternet Roomが用意されています.うーむ.
そこでE61でメールチェック.因みにconnect cardのローミング時の通信料は暴利というほど高いので,メールヘッダだけをチェックするしくみはありがたいです.
○メール,メール,メール
メールをチェックすると学生関係で重要問題が発生していることが判明.緊急事態ということで,のんびりホテルに帰ってメールの返事が書いている場合じゃない.日本とアメリカの間でメールのやり取りを会議中にする.このちっちゃいフルキーボード,とりあえず英語を書くにはなんとなります.日本語もちゃんと日本の携帯のように予測変換をしてくれて,携帯でメールをかくと同様にかけるのですが,携帯で書いているのかPCで書いているのかごっちゃになって,頭が混乱する.
さらにちゃんとWordの添付ファイルも読める.すばらしい.
○PCとの連携は?
さてさらにWordで書類を送らないといけない.とりあえずPCで書いたものがある.さてどうするか?USBケーブルでつないでみてもどうモデムとしてアクセスかわからない.困った.そこでminiSDにWordファイルをいれてみる.なぜかちゃんとminiSD<->SDアダプタをもっていたりする.するとちゃっと読めるではないか.ただし,ふたを開けないといけないので,まあ常用はできないけど.無事ファイルを転送.なんとありがたい機械.
○E61で人探し
メールのやり取りも一段落したところで,ふとそういえばインドには知り合いの研究者(ふるい友人)がいたことを思い出す.まあ,インドっていっても広いから関係ないだろうとおもっていたけど,ふとメールを検索してみるとなんとバンガロールではないか.早速メールを書いてみる.するとちゃんと返事がきた.じゃあ会議が終わった人の夕方会いましょうということになった.彼はIndian Institute of Science (IISc)というところにいるらしい.しかし,広いバンガロールで会えるのか.
とりあえず指示通り通りオートリキシャーに大学の通称(Tata Instituteというらしい)といって,つれってもらう.ここだよとおろされたところはどうやら大学の中のどっか.実はこの大学すごく広い.さて困った.人に聞いて歩いてみるが,すぐ迷う.そこでE61で歩きながらメールを書いて助けを求めるが返事がない(実は本人は翌日だと勘違いしたらしい).人に聞くがほんとに通じているか不安になる.とそこで思いついて,E61で本人のWebページを開いて,ここにいきたいのだと指差して示すと確かに了解していることがわかる.無事会えました.ここでもE61大活躍.
○あれれ
さてインドでは大活躍だったE61とともにバンコクにもどってくる.ところが,今度は使えない.ローミング先のキャリアが行きのときと違ってTRUEと表示されている.どうやらそれでだめっぽい.ローミング先を指定することができるのかな?とにかくギブアップ.
○まとめ
ネット/メール依存症:-)の僕にとってとりあえず海外でつながっている状態を作り出せるのはとにかくうれしい(仕事的にももちろんありがたいわけですが).ただ,ローミング先で必ずしも接続できるとは限らないのは不安点ではありますが.
今月末はアメリカにいくのですが,ここではどうか.アメリカで使えれば万々歳なのですが...