Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

AAAI-06参加記

2006年07月27日 | 会議参加記
すっかり出張報告ブログになってしまいましたが,先週AAAI-06に参加してきました.
考えてみるとAAAI/IJCAIに参加するのは久しぶりです.メキシコで行われたIJCAI-03以来なので,3年ぶりということになります.AAAI/IJCAIというのはAIの総本山みたいなもので,以前は毎年,参拝:-)するのを楽しみにしていました.とにかく小難しいことをやっていてなんだかわからないことも多いんだけど,最近の動向を知るため,ありがたく拝聴していました.
さて,今回久しぶりに来て見ると,随分変わった感じです.発表もいろいろなカテゴリーができています.Seniorな人むけカテゴリーとかあるし,Sepcial Trackがあったりと.まあ,今回松尾さんの発表もそのSepcial trackであるAI and Webだったりするわけですが.発表も1時間で3件,あれ一人20分しかない?30分じゃなかったけ?調べてみるとAAAI-05から20分になっていたんですね.知らなかった...やったらPosterもあるし.なんだか間口が随分広がった感じです.
特にAAAIのせいもあるのか,かなりドメスティック色が強く,なんだか,人工知能学会全国大会みたいです.まあ,僕のほうもしばらく離れていたせいか,少し冷静にみれるようになったということもあると思います.
会議中は基本的にAI and Webトラックを中心にみていました.このトラックは玉石混交っと感じでした.悪い意味でのAI的というかToy problemを対象として研究もあれば(学部生の発表もあった!),Web的な研究もありました.
面白かったのは,Googleの人の発表で,WebからFactを抽出するというものです.
Organizing and Searching the World Wide Web of Facts—Step One:
The One-Million Fact Extraction Challenge / 1400
Marius Pasca, Dekang Lin, Jeffrey Bigham, Andrei Lifchits, and Alpa Jain
人名と誕生年のペアをいくつか与えると,そのペアを含むようなページからパターンを発見して,今度はそのパターンからペアを発見することを繰り返しているらしい.発表を聞いた限り,手法的にOriginalのところはないのですが,とにかく包括的かつScaleが大きく(1億ページ以上)やっているところがすごいです.
あとはこれはPosterですが,SPAM Blogの同定をやった研究が面白かった.SPAM BlogをSplogといい,その世界をsplogosphereというらしい.どんな特徴をもつものがsplogであるかをみいだしたという話.ちなみにあるping serverでは75%がsplogだったらしい.うーむ.
Detecting Spam Blogs: A Machine Learning Approach / 1351
Pranam Kolari, Akshay Java, Tim Finin, Tim Oates, and Anupam Joshi
(この前身の研究はWeblog Ecosystem on WWW2006で発表しているらしい)

その他のセッションについて.セッションの数でいえば,Machine Learningが一番多く三日間ほぼずっと一部屋であった.Invited TalkであったCALOの話は興味深かった.デスクトップアプリケーションのさまざまな場面でmachine learingを使うと話で,かなり現実味のある話に聞こえた.
あと確率推論あるいは統計的推論の類がいろいろなセッションであったようである.やはり現実の問題には記号論理的アプローチでは限界があるということであろう.それでもInvited talkの"unifying logical and stastical AI"というように,やはり記号論理の延長して扱いたいようである.