散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

人に触れずに小樽(7)

2021-05-04 20:51:21 | 飲み歩き・北海道内
小樽のバーとなると、いつも行っていたあの店が無くなってから、私の気持ちは定まっていない。何軒かよさそうな店があるのは知っており、順次伺ってみたい気持ちもあるのだが、現状で新規訪問はなかなか難しいものがある。

過去2、3回行ったことのあるバーがすぐそばにあるのだが、開店まで20分。今日は祝日だが営業するのだろうか。悩んでいるうちに、確実に開店時間を迎えている店を見に行くことにした。出抜小路の「R」である。おお、ありがたいことに営業していた。



この店はニッカウイスキーが中心なのだが、レアものは値段が高騰しており、もう金持ちの旅行客しか飲めまい。かといって、現行品じゃつまらないしなあ。私はじっくりメニューを眺めた結果、限定販売で今はもう売っていないブラックニッカクロスオーバーを飲むことにした。



かなりやんちゃな賑やかな味で、この間飲んだスーパーニッカプレミアムとは比べるべくもない。ま、これはこれでということだな。

もう一杯はこのシリーズの中でこれだけ100円高い、ブラックニッカブレンダーズスピリットを注文。



こちらは刺激の中にもマイルドな味わいがある。ちょっとだけ加水すると、甘味が引き出される感じだ。

と、2杯くらいでやめておくか。ちなみにこのバーは私以外の客なし。この飲食店街も休んでいる店が多く、商売は全く振るわない感じだなあ。



さて、帰るかと小樽駅に到着したところ、やはりバスターミナルの様子が変だ。やけに人が多い。小樽駅に入ってみると、とんでもない事態が発生しているのであった。





うわっ、マジっすか。駅から出てみると、札幌行(円山経由)の高速バスに並ぶ列は後ろがどこまで伸びているのか見えないほどだ。これは1時間やそこらでは乗れないなと思った私は閃いた。そうだ、あっちがあるじゃない。

観光客の皆さんは気がつかないのか、20分後に発車する札幌行(北大経由)の乗場に2番手で並ぶことができた。私って賢いね。そして到着したバスに見事2番目で乗り込むことができたのだが、バス会社の人たちが「札幌駅まで行くならこちらも乗れます」と余計なことを言って、長い行列の人たちを誘導していた(そりゃ、当たり前か)。

それでも私の隣席には人が乗らず、このまま行けるかと思ったら、高速直前の停留所でついに隣に座られてしまった。今日はここまで他人との接触に、とにかくあらん限りの注意を払っていたのだが、最後で台無しである。

マスクをしっかりかけ、窓側を向いてじっと耐える。そして札幌駅前到着。20時を過ぎているせいか、街が何となく暗い。



それにしても、不測の事態が起きた瞬間にいろいろなことがぶち壊しになるなと思いつつ、すっかり客の少なくなった地下鉄で家に帰った。

******
今回入手した月刊「おたる」は、この4月でなんと通巻682号(1964年創刊)。すごい雑誌だと思う。



その中から、この言葉を世の中に送りたい。「無理してやる必要はないだろう オリンピック」。



やるね、月刊小樽。
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人に触れずに小樽(6)

2021-05-04 18:15:26 | 飲み歩き・北海道内
さて、どこに飲みに行こう。割と良く行く海鮮の店は今日はお休み。となると、候補に浮かんできたのが、焼鳥の「I」である。理由はおいおい書いて行こう。

開店すぐの時刻にドアを開けると、カウンターには客なし。大将が結構な量の焼鳥を焼いているが、これは持ち帰り客の注文らしい。カウンター席の一番手前に陣取り、レモンサワーを注文。すぐに通しの浅漬けがやってくる。



ここは小樽の人気焼鳥店だが、団体客は奥の席(私はいまだに見たことが無いが、おそらく座敷席だろう)に行ってしまい、カウンターは1~2名客しか座らないのだ。そして早い時間から一番隅を押さえると、人との接触は最低限になるだろうとの読みが当たった。

まずは鶏肉、軟骨から注文。鶏肉は厚みがあって、なかなか美味しい。



軟骨は豚のだったか。かなり噛み応えがあるぞ。



続いて、この店(と元になった店)特有のタレ味で、つくねを注文。今日は途中から胡椒や一味をかけてアレンジしながら食べる。



飲み物はコップ酒(燗)に切り替えよう。2、3席空けて2名客が来たが、おかみさんがご丁寧にアクリル板を置いてくれるよ。そんなに気になるほどの近さではないんだけれども、この姿勢はありがたい。



豚ハツもこのタレには合っているような気がする。今日の私は意欲的に食べてるね。



コップ酒をお代わりして、締めはせせりだ。



いや、焼鳥15本も食べたから、私にしてはずいぶん多い方だ。せっかくだから、営業している店でお金を使っていきたい気持ちもあったかな。

ここで勘定をしてもらい、さてどうしよう。

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人に触れずに小樽(5)&閉店301、302

2021-05-04 17:00:10 | 食べ歩き
時間が余ってしまったため、一旦、小樽駅前へ。紀伊国屋書店に立ち寄るも、祝日とあって新入荷なし。同じフロアに新しくできたカフェ「DB」へ。少し気温が下がってきたため、ホットコーヒーを注文する。



入口や店内にやたらといろいろなことが書いてあったのだが、オジサンの頭には入ってこない。後で調べると、デジタル画像を飲み物や食べ物にプリントできるという趣向をやっているらしい。しかし、客は私と明らかにそんなことに興味の無さそうな年配の方が3名(それぞれ1人客)である。

プリントする人なんか来るんだろうかと思っていたところ、女子3人組が入店して、どうもそれ目的の客らしい。コンセプトにあった客が来てよかったねというところで、私は勘定をしてもらう。



時間がつぶれたので、そろそろ繁華街に戻るか。駅前の横断歩道からバスターミナルを見ると、やたらと人が多い。あれはいったい何だろうと思いつつ、一歩踏み込んで確認しなかったので、後で大変なことに…。



歩いていると、私も良く前を通る陶芸ショップと昭和3年開業の洋菓子店が閉店。





ただでさえ寂しいところのある小樽だったが、祝日休業の店も多く、加速をつけて崩壊しているような気さえする。
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人に触れずに小樽(4)

2021-05-04 16:00:25 | 美術・アート
小樽美術館・文学館の建物にやってきた。

■小樽市民ギャラリー「本間聖丈展 小樽日本画協会とともに」。宗教テイストを感じる作品より、「北の漁場」「浮標のある風景」のような地に足の付いた作品がいいと思う。観覧者は他2名。

■市立小樽美術館「中村善策の「前景・中景・遠景」」。
港をみおろしてというコーナーでは、善策27歳、59歳、77歳の作品が比較できるように展示されていた。
「小樽風景」:端正で小ぢんまりした作品。私はこれが意外と好き。27歳の作。
「風景」:ド派手で思うままに描いた作品。59歳の作。
「虎杖の丘にて」:コンパクトにまとめにかかったように見える作品。77歳の作。

「晩夏」:自然との親密さというテーマで展示されていたが、確かに善策の作品は「人の不在」感があるのかも。これはあまり見た記憶がない、住宅街の通りで真ん中に樹木がある作品。

■市立小樽美術館「一原有徳と版と版画の関係」。最初のコーナーでは作品の目の前に腐食版が置いてあり、興味深く見ることができる。
「DFN」:腐食アルミ版がいわゆる空のようなパートを、モノタイプが塔が並ぶようなパートを表現する、2種版合体作品。今まで見た記憶がないが、こういう手があったか。
「TAN1(a)」:SF特撮に使えそうな、ウルトラQ以前に作成されたもの。
「KKI」:今度は空に相当する部分を電気ブラシでこすって表現し、その下にモノタイプを写した作品。

■市立小樽美術館「北海道の日本画家たち 小林コレクションI」。ほとんどが掛軸の日本画が50点ほど展示されている。
菅原翠修「李太白観瀑」:橋本雅邦に師事しただけあって上手い。ほぼ白抜きで滝を表現している。
平沢大暲「網子のとき」:手前に網の手入れをする人、奥は海で遊ぶ人か。どことなくシュルレアリスムの感じあり。
筆谷等観「羅俘仙」:アニメ調でふんわりした作品。

炭光任「七賢人」:ゆるゆるほのぼの仙人の画である。
小浜亀角「双雉」:背景の木や葉をうまくぼかし、雉をカチッと描いた作品。
赤井伸生「平目図」:1つの皿に背と腹を見せた2匹の平目を描き、何となくデザイン化されたようでもある。

筆谷等観「寒山拾得」:抱き合うようにして眠る二人か? 橋本雅邦に師事、横山大観の指導を受けた人だそうだ。
筆谷等観「暁望富嶽」:なるほど、朦朧とした感じの作品だ。



美術館は私以外の観覧者はいなかった。どうだ、美術館って、安全・安心でしょ。

■市立小樽文学館「聖樹のパン」。いったい何だろうと思っていたら、小樽を舞台にしたパン職人を映がいたコミックなのね。それで思い出したが、小樽の蕎麦屋さんで1巻だけ読んだことがあるな。
「手宮線(色内駅・文学館・美術館)」:まさにここを取り上げた扉絵の原画。小樽出身の作者が景気よく原画を寄贈したらしい。ファンの人はぜひ!





■市立小樽文学館「常設展」。
小林多喜二「若竹町の自宅付近」:拓銀在職時代の作品なんだそうだ。銀行勤めということは、かなりエリートだったのか?



小熊秀雄「立教大学夕景」:好きなタイプの作品だ。



小熊秀雄「池袋駅西口」:活気のある商店街。



左川ちか「ウラノ南天畑」:元旦に描いたものらしい。



■市立小樽文学館「中村幸一ペーパークラフト展 小樽名建築めぐり」。
「田中酒造」:2月に訪問した時は、試飲でお世話になった。いい所なので、皆さん行ってあげて。



「蕎麦屋 藪半」:ここも2月に訪問。こちらも名店である。





文学館には数人の観覧者がいた。さて、それはさておき時間配分を誤ったか。まだ夜の店が開かないな。

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人に触れずに小樽(3)

2021-05-04 14:11:47 | 美術・アート
若干、スベッた看板を見つつ、ギャラリー巡りスタート。



手宮線のところに人が集まっていると思ったら、北海道遺産「小樽の鉄道遺産」の催しが行われていた。展示物はあまり無いようだったが、手宮線をトロッコが走るらしい。





ほぼ素通りして、次へ。

■小樽市総合博物館運河館「集まれ! 小樽の海洋性甲虫」。海の虫というと皆フナムシを思い浮かべるが、あれは甲殻類で虫ではないのだそうだ。今回の展示を見ると、ゴミムシダマシやハネカクシの類が海洋性甲虫らしい。



展示の写真で形は分かる。実物標本も展示されているのだが、ゴマ粒以下のサイズで老眼では見るのが厳しい。



岩礁海岸、砂浜海岸でも生息する種類が違うらしい。よくわからないが、面白かった。観覧者は運河館全体で数人。

次は打って変わって、絵画展示へ。

■小樽芸術村「小磯良平のスケッチブック」。
「草花」:武田薬品の機関紙「武田薬報」の表紙絵(水彩画)のスケッチ原画が展示されていた。
「『白い魔魚』第105回秋の手袋(三)」:新聞小説の挿絵もかなり書いていたようで、これは墨のベタ塗りをスクラッチし、月光の下を走る自転車を浮かび上がらせた技巧的な作品。
「『The America Fair』第二会場」:1950年に西宮市で開催されたアメリカ博の案内画集に掲載された原画。結構な高さのニューヨークのビル街が再現されたようである。

こちらも建物内には10人弱の人がいたが、この展覧会を見ていたのは私のほかに2名だけであった。



新規収蔵品をいくつか。立ち入り禁止のベルトがセンス無いですな。
P.Grass「スザンナの水浴」。



ドームやらガレやらのランプ。



J.Faiguiere「灯火を持つ婦人像」。



少し休憩してから次へ。
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人に触れずに小樽(2)

2021-05-04 13:04:59 | いろいろ写真館
小樽到着から帰るまで、いろいろな道を歩いた。そもそも昼間の繁華街は寂しいものがあるが、今日の小樽はより一層滅びの雰囲気を醸し出している。





祝日のため休みの店もあったが、期間を決めずに休業中という店も結構あった。







ここから夕方以降。







それにしても前回来た2月よりははるかに観光客が多い。これは天候の良さもあるだろう。









短期滞在の街と言われるだけあって、夜になるとまた寂しい。それでもいくつか素敵なホテルが出来て、そこに宿泊する人も散見された。

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人に触れずに小樽(1)

2021-05-04 12:36:09 | 食べ歩き
不要不急の外出を自粛するお達しが出ている今日この頃。まったく行為を正当化できないが、好天につられて小樽へ。

高速バスに乗ると乗客は10人以下かな。混雑はしていなかったが、今日乗ったJRバスには座席間に気休め的な仕切りが出来ていた。今は乗客も少ないので意味が薄いが、確かに通勤時にこのバスを見ると、結構な人が乗っているものね。但し、今は感染力が強い種が出てきているようなので、これじゃ駄目になりつつあるのかもしれない。



小樽に到着し、まずは昼食。何よりも空いていることを優先して考えてみたため、なかなか良いところがなくかなりの距離を歩く。そうだ、と思い出して久しぶりに天ぷらの「TR」へ。店に入ってみると先客2名で一番距離の取れる入口傍の席に座る。

メニューを眺め、注文したのは上天丼。あっという間にやってきた。



天ぷらは海老2本、イカ、キス、ナス、ピーマン、椎茸。なめこと三つ葉の味噌汁、漬物付き。海老はなかなかいいけど、なんだか上天丼の「上」の感じがしないね。記事を書いている今調べてみると、最後に訪問したのは13年前の2008年。そのころは夜に伺って、天ぷらで一杯やっていたので、ちょっと思い出と比べると違うのかもなあ…。

まあ、夜に備えてご飯の量も軽めで良しとするか。
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