「コントラ」
日本在住のインド人アンシュル・チョウハン氏による監督・脚本の半ば自主制作的作品。エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭グランプリ他様々な映画賞を受賞。
本作を知るきっかけになったのはSNSで、自分のインスタに本作に主演されている間瀬英正氏からアクセス頂いて間瀬氏をフォローした事で本作を知ったという経緯。
間瀬氏は本作のポスター写真にもなっている本作のキーマン「後ろ向きに歩く謎の男(役名なし)」を演じられています。
あらすじ
女子高校生のソラ(円井わん)は父親(山田太一)と二人で暮らしているが、その関係は良好ではなかった。あるとき祖父が遺(のこ)した第2次世界大戦時の日記を見つけ、そこに記された秘宝の存在を知ったソラは宝探しに乗り出す。
同じころ、無言で後ろ向きに歩き続ける見知らぬ男(間瀬英正)がソラの住む田舎町に現れ、静かな町に波紋が広がる。(Yahoo!Movieから丸パク)
全編モノクロ作品。結構久しぶりかもモノクロ。
何と言うか、日本の田舎を舞台にしているんだけど(ロケ地は岐阜県関市だそうだ。これまた東海地方で馴染みがあってなかなか好印象)正直言ってそれ程の「懐かしい感」はなくて良くも悪くも「日本に住んでいる外国人目線」を感じる作風なのが印象的だった。
そしてこれまた良くも悪くも評価を二分しそうな作りだなと思ったのが…本作サクッと言ってしまうと「何も説明しない系」というヤツで、それの最たるものが「後ろ向きに歩く謎の男」の存在。この男は実在する男なのか?過去からやって来たタイムトラベラーなのか?何故後ろ向きにしか歩かないのか?後ろ向きに歩く理由は?口がきけないのは何故か?喋れるのに敢えて喋ろうとしないのか話す事が不可能なのか?等々、考え出したらキリがない存在w
まあ、要するに先の戦争の存在が落とす影響が極めて希薄になりつつある現代日本に外国人から変化球投げつけられた、みたいな^^;
それから、これまた「今日本人監督・脚本家だったら絶対に本作は作れないだろうな」と思わせる「まるっきりコンプライアンス無視問題」w
主人公の女子高生は飲酒・喫煙をガンガンする。最近ではスクリーンに大人が喫煙しているシーンが写るだけで「青少年に影響ガー」と喚き散らすキチ系嫌煙厨が山程沸いているというのに…そればかりか、その女子高生の父親は飲酒運転をした挙句にくだんの「後ろ向きに歩く男」を轢いてしまい、更にはその事故を隠蔽せんと男を拉致し自宅に連れ帰り、男が大した怪我も追っていないと分かると少額の金を握らせて自宅から追い立てるというドクズの極みをやってのける。
その後には銃刀法違反問題等、次から次へと眩暈のするようなコンプライアンスざっくり無視展開がしし座流星群のように降り注ぐ訳です!
こんな有り得ない展開、イマドキの日本人が考えられますぅ?もうね、余りにも「あぁ~!?」な展開にクチぽかーん( ゚д゚)
しかもですよ、本作上映時間が144分もある。この展開が2時間半ってどーなのよ!って思いますよね…?
それがね、不思議な事に2時間半あっという間でしたね。全然ダレないんですよ。
死んだじいちゃんの形見の絵日記ってのがこれまた秀逸でね、て言うかじいちゃん絵心凄いわ…いや絵心っていうレベルちゃうわ職人か!と思って観てたんだけど、なんとこの絵日記の絵は後ろ向きに歩く男を演じた間瀬氏が全て描いているそうで…この方役者さんよね?画家さん?じゃないんだよね?色々凄いわw
あとね、こんな言い方するのもアレなんだけど、本作って正直あんまり「いい人」が登場しないのな。皆さん揃いも揃ってコンプライアンス無視系な訳だし。
だけど何か憎めないというのか、もっと踏み込んで言うと「まあ、気持ち分かるわ。自分の本音晒したらこんな感じだろうなw」程度にはどこか琴線に触れて来る感じ。
特にJK演じた円井わんさんの演技は素晴らしかったですね。シングルファザーとジジイとの3人暮らしだったものの、父親と上手くコミュニケーションが取れずにイラついている思春期の彼女の唯一の心の寄る辺だったジジイがある日急死した事で更に精神的に不安定になって行くんですが、終始イラついた様子でありながらもがいている、出口を探そうとしている「難しい思春期JK」をとても瑞々しく演じていらっしゃったと思います。
正直全編モノクロって…(ちょっと狙い過ぎなんちゃうん?)と思いながら見始めたんですが、本作の作風とよく合っていた、むしろカラーでなくて良かった。
何も説明のない作品なので「何言ってるかちょっと分からないんですが」と思う向きも多々あるものの、それを補って余りある不思議な余韻のある作品でした。
また本作は音楽も秀逸でしたね~。そして↑なんか「難しそうな作品」って勘違いされそうですが、意外にもユーモラスなシーンもチョイチョイあって本当に不思議な作品ですw
日本在住のインド人アンシュル・チョウハン氏による監督・脚本の半ば自主制作的作品。エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭グランプリ他様々な映画賞を受賞。
本作を知るきっかけになったのはSNSで、自分のインスタに本作に主演されている間瀬英正氏からアクセス頂いて間瀬氏をフォローした事で本作を知ったという経緯。
間瀬氏は本作のポスター写真にもなっている本作のキーマン「後ろ向きに歩く謎の男(役名なし)」を演じられています。
あらすじ
女子高校生のソラ(円井わん)は父親(山田太一)と二人で暮らしているが、その関係は良好ではなかった。あるとき祖父が遺(のこ)した第2次世界大戦時の日記を見つけ、そこに記された秘宝の存在を知ったソラは宝探しに乗り出す。
同じころ、無言で後ろ向きに歩き続ける見知らぬ男(間瀬英正)がソラの住む田舎町に現れ、静かな町に波紋が広がる。(Yahoo!Movieから丸パク)
全編モノクロ作品。結構久しぶりかもモノクロ。
何と言うか、日本の田舎を舞台にしているんだけど(ロケ地は岐阜県関市だそうだ。これまた東海地方で馴染みがあってなかなか好印象)正直言ってそれ程の「懐かしい感」はなくて良くも悪くも「日本に住んでいる外国人目線」を感じる作風なのが印象的だった。
そしてこれまた良くも悪くも評価を二分しそうな作りだなと思ったのが…本作サクッと言ってしまうと「何も説明しない系」というヤツで、それの最たるものが「後ろ向きに歩く謎の男」の存在。この男は実在する男なのか?過去からやって来たタイムトラベラーなのか?何故後ろ向きにしか歩かないのか?後ろ向きに歩く理由は?口がきけないのは何故か?喋れるのに敢えて喋ろうとしないのか話す事が不可能なのか?等々、考え出したらキリがない存在w
まあ、要するに先の戦争の存在が落とす影響が極めて希薄になりつつある現代日本に外国人から変化球投げつけられた、みたいな^^;
それから、これまた「今日本人監督・脚本家だったら絶対に本作は作れないだろうな」と思わせる「まるっきりコンプライアンス無視問題」w
主人公の女子高生は飲酒・喫煙をガンガンする。最近ではスクリーンに大人が喫煙しているシーンが写るだけで「青少年に影響ガー」と喚き散らすキチ系嫌煙厨が山程沸いているというのに…そればかりか、その女子高生の父親は飲酒運転をした挙句にくだんの「後ろ向きに歩く男」を轢いてしまい、更にはその事故を隠蔽せんと男を拉致し自宅に連れ帰り、男が大した怪我も追っていないと分かると少額の金を握らせて自宅から追い立てるというドクズの極みをやってのける。
その後には銃刀法違反問題等、次から次へと眩暈のするようなコンプライアンスざっくり無視展開がしし座流星群のように降り注ぐ訳です!
こんな有り得ない展開、イマドキの日本人が考えられますぅ?もうね、余りにも「あぁ~!?」な展開にクチぽかーん( ゚д゚)
しかもですよ、本作上映時間が144分もある。この展開が2時間半ってどーなのよ!って思いますよね…?
それがね、不思議な事に2時間半あっという間でしたね。全然ダレないんですよ。
死んだじいちゃんの形見の絵日記ってのがこれまた秀逸でね、て言うかじいちゃん絵心凄いわ…いや絵心っていうレベルちゃうわ職人か!と思って観てたんだけど、なんとこの絵日記の絵は後ろ向きに歩く男を演じた間瀬氏が全て描いているそうで…この方役者さんよね?画家さん?じゃないんだよね?色々凄いわw
あとね、こんな言い方するのもアレなんだけど、本作って正直あんまり「いい人」が登場しないのな。皆さん揃いも揃ってコンプライアンス無視系な訳だし。
だけど何か憎めないというのか、もっと踏み込んで言うと「まあ、気持ち分かるわ。自分の本音晒したらこんな感じだろうなw」程度にはどこか琴線に触れて来る感じ。
特にJK演じた円井わんさんの演技は素晴らしかったですね。シングルファザーとジジイとの3人暮らしだったものの、父親と上手くコミュニケーションが取れずにイラついている思春期の彼女の唯一の心の寄る辺だったジジイがある日急死した事で更に精神的に不安定になって行くんですが、終始イラついた様子でありながらもがいている、出口を探そうとしている「難しい思春期JK」をとても瑞々しく演じていらっしゃったと思います。
正直全編モノクロって…(ちょっと狙い過ぎなんちゃうん?)と思いながら見始めたんですが、本作の作風とよく合っていた、むしろカラーでなくて良かった。
何も説明のない作品なので「何言ってるかちょっと分からないんですが」と思う向きも多々あるものの、それを補って余りある不思議な余韻のある作品でした。
また本作は音楽も秀逸でしたね~。そして↑なんか「難しそうな作品」って勘違いされそうですが、意外にもユーモラスなシーンもチョイチョイあって本当に不思議な作品ですw