ほぼ2年ぶりの収穫となったトビタケ(トンビ舞茸)。
足取りも軽く帰宅すると、収穫物を改めて眺めてみる。
君に会いたかったんだよ!
既に変色が始まっているけど、風味には全く影響がないから、気にしません。
妻が覗きにやってきて、
「あら、採れたの♫」
と、声を弾ませている。
分かってますねえ、この喜び。
採れたんですよ。
『猫にマタタビ』という言葉があるが、トビタケは、マタギ、いや、マタギ家にとってのマタタビみたいなもの。
姿を見ただけ、香りを嗅いだだけで心が躍ってしまうのだ。
さて、このマタギタビ?をどうやって食べるかなんだけど、初日は、やっぱりトビタケご飯ですよ。
トビタケ料理のうちでも、最高の御馳走です。
女性陣も何か計画していたらしいが、ここは割り込ませてもらいます。
下ごしらえ・調理の部
今年、冷凍のトビタケを調理してみて気づいたことがある。
それは、「トビタケもマイタケと同じように下ごしらえした方が美味しい」ということ。
マタギは、これまで、先達の教えに従って、採れたトビタケをある程度水にさらしてから調理していた。
しかし、この夏、3年前に冷凍したトビタケを料理するとき、思い切って水にさらすのを止めてみた。 味や香りが薄くなるのを避けるためだ。
そうしたらですねエ。
おいしいんですよ。
薫るんですよ。
「こっちの方が美味しいじゃん。」
考えてみたら、秋のマイタケだって、味や香りを楽しむために洗わずに調理してるんだから、トビタケだって同じだよな。
そう考えれば全然不自然でない。
じゃあ、先人たちは、なぜトビタケを水にさらしてきたのか。
思うに、トビタケから出るアクの色が、あまりにも色濃いので、料理の仕上がりが気になったのではないだろうか。
これはですね、行動あるのみ。
実際に作ってみれば分かるってもんよ。
もしかしたら、真っ黒なキノコご飯になってしまうかもしれないけれど、そんなもの、やってみなければ分からない。
前置きがやたら長くなってしまったけど始めます。
使うトビタケはこのくらい
・ほとんどの部分が柔らかいので、食べやすい大きさに割いていきます
案の定、指先が真っ黒になりました
・鶏もも200g、油揚げ2枚、ニンジン2/3本ぐらいを使います
※トビタケの色が変わってきますが、気にしない
※調味料は米4合に酒大さじ4,醤油50ml、ほんだし小さじ2ぐらい
・水と調味料を合わせて、炊飯器の『4合』の目盛りに合わせます
・具材を全部入れたら、炊飯器のスイッチON
ここからが、『マタタビタイム』の始まりです。
ご飯が炊けるに伴って家中にトビタケの香りが広がります。
ああ~、幸せ!
本日の夕食です
注目してほしいのはここ。
いい色の炊き込みご飯でしょ
そんでもって、味も香りも抜群なわけよ。
マタギも家族も大喜びで戴くことができました。
実験は大成功ですね。
キノコ本来の旨みをできるだけ損なわないように調理する。
次回からも、この原則を大事にして楽しませてもらいたいと思います。
ご馳走様でした!