ひよこまめのEveryday

還暦過ぎたおばさんの日常。

ドラマ、映画、舞台、本、音楽などの感想も。

「海辺のカフカ」を❝聴了❞

2023-03-16 11:42:48 | 読書

本の感想の前に。

❝聴了❞って言葉、多分正しい言葉ではないと思うんだけど、オーディブルで小説を聴き終わって「読了」と言うのはどうしても抵抗があって。

文字を読む、という行為と、言葉を聴く、という行為。

優劣をつけるものではないと思うけど、文字を目で読むことからは言葉を耳で聴く以上の情報量、知識量があると思うので、やっぱり本は「読む」のが正しい気がしてしまう。

特に日本語は漢字を使うことで、同じ音で違う意味を持つ言葉がたくさんあるから。

なので、本を読むことと聴くことをどうしても同列にはしたくない自分がいて、小説を聴き終わったことを「読了」とは言いたくないのだ。

 

さて、「オーディブルで村上春樹を聴くシリーズ」(いつから?(^_^;))3作目。

「海辺のカフカ」は2002年出版ということで、かなり時代が今に近くなっていて、「ねじまき鳥」を読んだ時のようなノスタルジーはもう感じなかった。

内容的には、私にとっては難解さが「ねじまき鳥」の10倍増しぐらい

15歳の少年田村カフカが親の呪縛から逃れるために東京の家を出て高松で過ごす中で、大人への階段を一歩上る、というような話がメインで、そこに、他者からの理不尽な暴力によって健全に生きる道を損なわれた大人たちが関わってくる。

この、カフカくんの物語と、暴力に人生を損なわれた大人たちの物語と、別々にはわかる気がするんだけど、この2つを絡めている意味がもうひとつ掴めない。

ただの少年の成長譚にとどまらない、世界の未来に繋げているのかなと思ったりもするけど。

本文に「メタファ」という言葉がそのまま何度も出てくるように、もうメタファの塊みたいな小説で、それこそが村上春樹の真骨頂、この小説が村上作品の最高傑作と言われる所以なのかもしれない。

カフカくん=未来、佐伯さん=過去、ナカタさん=今

なのかな。

うーん、なんかところどころわかる気がするところがあるんだけど、全体像が見えないわー。

しばらくは考え続けながら、次の作品に行こう。

 

そうそう、朗読は木村佳乃さん、これまた素晴らしかったです。

 

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mmalice)
2023-03-16 13:42:58
聴了ですね!確かに。読むっていう動作とはまた違う感じがします。私は無印のポッドキャストを聞いていました。落語の話をしていて、こう言うのを聞きながら、絵を描いてるとなかなかええ感じです。

病院で、今井恵美子の立場茶屋おりき のシリーズを読んでいました。普段あまり時代物読まないので、ちょっと古い美しい日本語、と言うやつにのめり込みました。読む、って少し心のゆとりがないとダメですね。少し集中するエネルギーが必要でした。世界に入り込めば、あとはどっぷり!
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Unknown (まるこ)
2023-03-16 16:23:37
こんにちは😃
読書嫌いな私でも、物語として耳から入ってきたら受け入れられるかもですね。
俄然興味湧きました。
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ありす様 (hiyokomame)
2023-03-18 13:46:55
落語もいいですよね!
私もオーディオブックを知らない頃、YouTubeMusicで落語聴くことがありました。
心のゆとり、そうなんですよね。いろいろ細かい気になることがあると、なかなか読書には没頭できません。
でもどっぷり浸れた時の充実感は格別なんですよね~
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まるこ様 (hiyokomame)
2023-03-18 13:52:37
単純作業をしながら聴くと、作業もはかどるしお話にも集中できて一石二鳥!、と私はそんな感じで利用してます
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