ひよこまめのEveryday

還暦過ぎたおばさんの日常。

ドラマ、映画、舞台、本、音楽などの感想も。

宝塚星組「王家に捧ぐ歌」

2022-02-25 15:06:17 | stage

名古屋の御園座に、宝塚星組公演「王家に捧ぐ歌」を観に行ってきました。

「王家に捧ぐ歌」は、オペラ「アイーダ」を原作とした宝塚オリジナルのミュージカル。

華やかでカタルシスのある傑作です。

初演は2003年、湖月わたる星組トップ就任のお披露目公演で初演されました。

そのあと、2015年に宙組で再演。

ポスターからわかるように、エジプトが舞台の、黄金色ギラギラなビジュアルの舞台だったんですが・・・

今回は劇場が宝塚専用の大劇場ではないということで、脚本演出の木村信司先生が、舞台のベースカラーを「白」にするという、大胆な変更をされました。

主人公のラダメス(礼真琴)は、

ファラオの時代のエジプトの戦士、というイメージではなくなっちゃってますよね。

この白いジャケット、背中には蛇。

イメージとしてはわかるけど、デニムジャケットの背中にこれでは、「暴走族の兄ちゃんじゃないんだからぁ~」って感じだったんです、観る前は。

いざ、幕が開いてみたら、そんなこともう、なんにも気にならなくなりました。

どんな格好してても、この物語は「王家に捧ぐ歌」」であり、礼真琴はラダメスであり、物語世界に引き込まれました。

主役以外のエジプトの戦士は、この衣裳のジャケットのないスタイル(わかりやすく言うと忍者っぽい)なんですが、エジプトなので頭に、白黒の縞々の布をツタンカーメンみたいに被っているんですね。

不思議なことにそれだけで、忍者がエジプト戦士に見えるんです。

「アイコン」の力ってすごいんだなと、妙なことに感心してしまいました。

衣裳がシンプルなので、群舞が映えるんですよね~ カッコよかったです

そして今回は特に、特に特に、 が。

歌が素晴らしかったです

ミュージカルなんで、歌が素晴らしいのはある意味当然、なんですが、そこは宝塚。

スターさんの魅力は歌だけではない、という側面もあったりするわけです。

特にこの作品では、初演も2015年の再演も、ほとんどみなさん歌える人だったのだけど、ファラオの娘・アムネリスだけは初演時の檀れい、再演時の怜美うららとも、お歌が弱かった。

それでも、お芝居でそこを補って余りある存在感のあるアムネリスで、私はこの役が大好きなんですが。

今回のアムネリスは歌にも定評のある有沙瞳。

いや~、すごかったです。

ラストシーン、舞台がせり上がった一番高いところから、エジプト全土に呼びかける場面。

一人の人間としての幸せを振り切って、ファラオとして立つ威厳と孤独がビンビン伝わってきました。

檀れい、怜美うららの二人もこの強さというのはしっかり伝わってたけど、どこまでも「姫が頑張ってる」感じでした。

でも今回の有沙瞳は、神々しかった。

もう、鳥肌が立ちました。

トップコンビの二人はもう、歌についてはなんの心配もいらない二人。

礼真琴のラダメスは、真面目すぎて不器用な哀しさがあり、舞空瞳のアイーダには平和に対する確固たる信念が感じられて、この物語のタイトルが「アイーダ」であることを納得させてくれました。

この作品は、音楽もすべてが素晴らしいんですよ

感動で胸が震えるような曲がたくさんあり、思わずクスっと笑ってしまって、楽しく身体が動いちゃうようなチャーミングな曲もある。

礼真琴の後ろでは天華えま(あまはなえま)、極美慎(きわみしん)、天飛華音(あまとかのん)の三人がとても目立っていて、先が楽しみです。

 

礼真琴・舞空瞳の首席コンビはやはり見ごたえがあります。

こういう骨太な大作をもっと観たい!

次回本公演は「巡り合いは再び」なんだけど、そんなラブコメやってる場合じゃないよ~、なんてことをつい、思ってしまいました。

それはそれでかわいくて素敵なのはわかってるけど。

 

とにかく、行けてよかった~

 

明日、映画館でのライブ中継と、「Rakuten TV」「U-NEXT」「dTV」でのライブ配信がありますよ

興味とお時間のある方は是非

 

 

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