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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

匂い豊かな沈丁花は目立たない!(感謝のカプセル)

2010-03-19 | 第五章「和解と平和」

 青年時代、花の名前を殆ど知らないころ、家の庭に咲いていた沈丁花を覚えた。桜の咲く前に、その強い芳しい匂いを放ちながら春の到来を知らせる。その印象的な匂いとは違い、花自身はとても地味である。

 さて、60回にわたり、「感謝の領域」を書き綴ってきた。お陰さまで、一日も途絶えることなく、書き続けることができた。

 自分の個人史を振り返ってみると、青春時代より少しは成長したように思うが、その成長は起承転結あるいは序破急といった過程の中で行われてきたように見える。これを「生き甲斐の心理学」では、欧米の学問の影響で別の云いをしているがかなり似ている。

 「愛とゆるし」、「和解と平和」は従来の世界が新しく再構成される変換の過程のように思える(私の印象だが)。

 「転」、「破」、「愛とゆるし」。それは時に痛みを伴う大切な過程である。従来のさまざまなコトがそぎ落とされ、裸にされ、最後に残るものから次の何かが生まれてくる。

 そして、それは従来の世界と新しい世界のかけ橋でもある。従来の世界を全否定するのではなく、ある本質が感謝・愛というカプセルで包まれ引き継がれていくようだ。

 感謝・愛は目立たない。眼に優しい花はいくらでもある(水仙、パンジー・・・)。ただ、沈丁花の花の香りで青春時代の体感と繋がるように、今ここにある真実を繋げていく働きがあるように思える。

 ふと、自分の死の時を思い浮かべる。死後の世界は宗教や哲学でいろいろ言われている不可知の世界である。自分としては、今を生きるために明るい死後のイメージを持ちたいと思うが、やはり判らない世界であることに変わらない。

 まあ、この世を去る時に、地味ではあるが、感謝しつつ息を引き取りたいと思う。魂を感謝のカプセルに入れるように。

(感謝の領域(ゆるしと和解⑩)60/60)

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