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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

大人になる・・・甘さを乗り越える縄文の知恵 (9/10五感とストレス解消の生活)

2021-07-26 | 第五章「和解と平和」

4年前に大阪歴史博物館から難波京跡を眺めたときの写真だ。今年始めまで7世紀の女帝・持統天皇のケーススタディのレポートを書いていたのだが、持統天皇の少年少女時代から青年期に多大な影響を与えた場所である。持統天皇の結婚する時期(12歳)は早く、百済救援で近くの難波津から船で西征軍に加わるのも16歳と若い。しかし、年は若くとも大人としての自覚を持ち戦いに加わったのだろう。当時の成人式や結婚式はどのように挙行され、人々はどのように大人になったのだろうか。

縄文時代の祖先たちにとっても、成人式や婚礼は特別なものであったようだ。魏志倭人伝でも倭人は入れ墨を施していたとされているし、縄文時代の土偶の図像からも入れ墨と思われる文様もあるようだ。さらに人骨から、縄文後期以降などは抜歯の風習が一般的だったようである。成人になるとき、あるいは結婚するとき男女を問わず犬歯等を抜いたようだ。麻酔などの技術が発達した現代でも健康な歯を抜くことは大きな負担はあるのに、2本以上を抜く当時の若者の負担はどうだったのだろうか。場合によれば命を落とすようなことすらあったかもしれない。それにも係わらず抜歯に挑んだ本人たち。さらに周りの家族や社会の面々の思いはどうだったのだろう。

私達の青春時代はどうだったのだろうか。年齢や育った場所により千差万別だと思うが、私は高校紛争や大学紛争が盛んな時期であった。そんな中で成人式に出席した記憶は無いし特別な記憶も無い。そんなことからか、今でも自分がどれだけ大人かと考えると、正直なところ高齢者となっても不安が残る。戦争に出向く時代や平均寿命が30歳ちょっとという時代とくらべて、今は大変な時代にもかかわらず、私を含めた大人の自覚はどれほどあるのだろうか。

コロナ渦で非常に政治が大切な時代にもかかわらず、前回の都知事選の投票率が42%とはどういうことなのだろうか。私を含めて今の社会はどこか大人になりきれない時代ではないだろうか。エリクソンの人格形成論から言うと、アイデンティティ/忠誠心とか親密性/愛といった領域に、なにか問題があるのではないだろうか。もちろん多様性や人権を認めた上での問題提起である。

大人は戦いや喧嘩ではなく和解や平和を志向する。真善美を愛し邪悪なものを退ける。しかし、脱線するがオリンピックで素晴らしいスポーツの真善美に魅せられて、ずっとテレビを見ている私だが、今回のなし崩し的なオリンピック開催は民主主義的観点からして最悪だと思う。組織の長も問題だが政治的義務を行使しない庶民や風潮にも責任がある。世の中は聖なるものと邪悪なものが絡まりやすい。これは何もオリンピックだけではないが。

閑話休題。大人になる知恵について考えてみよう。たまたま手元に心理学の名著「愛と心理療法」(M.スコット・ペック著 訳氏家寛・矢野隆子 創元社1987年)をあるが、縄文時代の抜歯もそうだなと思える文章があった。

「自律とはすべて、自分に不自然なことを教えこむことと定義できる。人間のもうひとつの特徴ーたぶんわれわれを最も人間らしくしているものーは、不自然なことをする、すなわち自分の本性を超越し変容させる能力である」(同書47ページ)。抜歯は言霊文化に関係しているという説があるが、今でも結婚式などで忌み言葉を考えてもなんとなく推測できるように思う。自然に言いたいことを言うのではなく、眼に見えない大事なものも大切にするということ。

抜歯が成人や結婚に関連して行われたのは3000年前以上で今ではそんな習慣は誰も知らないし、良いとは言う人は皆無だろう。しかし、その心意気はわかるような気がする。そして、縄文時代に戦争がなかったということも、抜歯をも行う文化だからこそだったかもしれないと思う。

愛とか善は素晴らしいが紙一重で邪悪なものに変質する一面も忘れてはならないことなのだろう。

9/10五感とストレス解消の生活

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