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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

疑惑感からの解放②・・・(女帝の心中を想いつつ 2/10)

2017-06-07 | 旅・雑記帳

  ブログ執筆がおろそかになっているが、その理由の一つに私を含む日本人のDNAに再度興味深々になっていることがある。DNAというとネットで調べると、日本では祖先を探究するなどのニーズは少なく、親子関係や将来起きそうな病気などに関心が高いようであり、私のように例えば10万年にわたるアフリカを出発したルーツがどのように日本に到着したかなどに興味を持つ人は少ないようだ。しかし、私は不思議に興味が湧く。先般5,000年前の祖先の小説を書いたが、今は約2000~4000年前の祖先に熱い興味を持っている。この時代は、ユダヤ教、キリスト教、仏教が生まれ、日本にも大なり小なり人と共にそうした文化が移入されてくる。それはどのように今に影響を与えてきたのか・・・いろいろ考えると本当に楽しい。

 それゆえ、おめでたいかもしれないが、ネットで調べたり、本を買ったり、場合によれば自分のDNAを調べてみたいと思ったりする。

 こうした、好奇心からくる自律性というか意志力は、多分人生を豊かにする何かだと思うが、このきっかけの疑問を起こす何かは、時にはネガティブな疑惑感・恥辱感につながってくる。それは、悪く働いていくと自分の方向性を不安定にし、アイデンティティに揺らめきを生じさせ、周りはすべて敵・・・のような混沌を招いたりする。

 さて雑談はこのあたりで、奈良について楽しんでみよう。今日は、奈良見物で殆どだれも寄らない、飛鳥の山田寺跡だ。実は私は持統天皇に絡めて山田寺に関係することをあれこれ調べたり見物してきた。

 山田寺は持統天皇の祖父の蘇我石川麻呂(大化の改新・乙巳の変で天智天皇側として入鹿を排除する立役者の一人)が建立した寺で、持統天皇が4歳のころに祖父が孝徳天皇の軍勢に包囲されて自害するという悲劇の寺である。そして、その悲劇の直接・間接の影響で持統天皇の母は病弱となり亡くなる。また、持統天皇の弟も誕生ころの惨事が影響したのか言葉がうまくしゃべれなかったようで夭折する。さらに、姉も持統天皇と共に天武天皇の妻となるが、天武天皇が即位するまでになくなる。持統天皇より年が上で悲劇をより理解できる年であっただろう。悲劇の影響は計り知れないと思う。

 そんな中、持統天皇はどうだったのだろう。4歳のころで、エリクソンの理論であると、意志力・自律性・恥辱疑惑の時期である。性格形成からすると大きなハンディであったと思うが、その後の大人になってからの政治活動では、まったく、その陰もなく、さっさと父の天智天皇と敵対する天武天皇側について壬申の乱を真っ先に戦う。さらに、大津皇子や高市皇子などの政敵を次々と押さえ、天皇に就き、さらに太上天皇として政権の中心に亡くなるまでいる。それは意志力と自律性の見本のようであり、いまであればサッチャーさん以上の政治家ではないだろうか。

 持統天皇は、どのようにそんな意志力の人になったのだろうか?とても興味がある。父・天智天皇の影響も大きいと思うが、それはなんだったのだろうか?

 山田寺の東回廊(木造)の一部(昭和50年ごろに発掘された)は飛鳥資料館で見ることができる。

 山田寺の本尊の薬師如来の仏頭は、なんと興福寺にあって、今でも国宝館で見ることができる。阿修羅像もすごいが、素晴らしい仏頭。

 

女帝の心中を想いつつ 2/10

 

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