組織やコミュニティをまとめるのは結構大変である。組織団体の理想だけで物事がうまく行けばよいがそうは行かない。私は外資系企業や日本的組織、非営利団体、趣味のサークル、ボランティア/奉仕の組織などとかかわってきたがなかなか難しい。
そんな中で、うまく運営されているコミュニティはどんなポイントがあるのかを考える。これは、今悩んでいる縄文小説のリアリティ。縄文時代の家庭や集団の統率原理にも関係している。例えば4000年くらい前になると生活環境が難しくなり階層化が進むとか言われていることだ。しかし、どうも組織論だけでは腑に落ちない問題。
どのような組織が理想に向かい幸福曲線の波に乗り生き抜けるか。必要な要素は、富(お金など)とか組織の仕組み(階層など)もあるが、メンバーのアイデンティティ(宗教や哲学の深さ)、組織への忠誠心、主たる技能の巧拙(アイデンティティと同期することも多い)が重要な気がする。それから、リーダーシップも。
最近、若いころ読んだ青春小説を読み返すことがあった。私と似た世代を扱った庄司薫氏の青春四部作も読んだが、その中の「ぼくらの大好きな青髭」。これは今読み返すとアイデンティティというか忠誠心の問題を扱っていて、当時話題になった若者による牧場経営や既存組織、ヒッピ-などが出てくる。
理想に燃えて組織をつくってもすぐにつぶれてしまうのは、今の非営利団体にも通じるところがあっておかしかった。つぶれる要素である、不公平感、怠ける人の問題、・・いろいろあるが、これは今も縄文時代も同じなのであろう。十字架回収委員会なる倒錯の世界も描かれているが、結構50年後の今もあるかもしれない。
文字のない縄文文化の後晩期遺跡からは直接的な当時の宗教は出てこないが、今の人の真善美にも応えすぎる土偶や石棒、土器や手入れされた生活環境が出てくる。寒冷化の影響もあるのだろう、それまで以上に栃の実が集団的に高度にあく抜き利用されたり、時には祭りで使われた道具の破片、お墓からはリーダと思う方を象徴するような副葬品・道具もでてきたりする。漆の技術、土木建築技術、環状列石などのアイデンティティに関わる世界も深まるようだ。
それらは、どうもコミュニティーをまとめる力に関係してきているようだ。自分の信仰の世界やスキル。もう一度考え直さねばとも思った。
7/10 明るく生きるとは
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