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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

怒りを友好的感情に変える (怒りを考える 1/10)

2019-01-31 | 第二章「五感と体感」

 私たちは感情に悩まされることが多いのに、その感情についての知識といったら意外に少ない。感情を抑えて理性的に考え・行動する。・・・といったことをまことしやかに語られることも少なくない。感情は悪者扱いされがちであり、時にはこころの健康にも影響することすらある。

 確かに、感情を研究する心理学などの歴史は浅く、臨床心理学系などはたかだか100年程度の歴史しかないようである。しかし、確実に、その成果は上がっており、こころ(生育史を中心にした)の真実に光を当てている。

 さて、まず感情の代表格である「怒り」について考えてみたい。生き甲斐の心理学は、怒りは友好的感情の反対の感情(同質の感情でもある)として、怒りも大切にしている。

 「夫婦喧嘩は犬も食わない」といったことわざがある。夫婦や、恋人といった親しい間柄では、ちょっとしたことで怒り喧嘩もあるが、ちょっとしたことでまた友好的感情に変わるので、周りがハラハラするのは馬鹿らしいということで、暗に怒りと友好的感情の関係を物語っているようである。

 今の日本は若者が相対的に少なくなり、また若者が怒り抗議するということも少なくなっているように思う。ただ、思い起こせば、私たちの世代の若い頃はやりすぎるところがあったものの、その怒りは今から考えると健全な面も多々あったように思う。置かれた立場は多様だと思うが、自分が居る世界に関心をもち高い理想を持てば、反対に怒りが渦巻いてもおかしく無いのだと思う。

 とはいえ、湧き上がる怒りの感情から関係が破綻するのは淋しいものである。怒りから破綻するか友好的関係に戻るか、これは実は感情についての知恵と関係深い。

 関係が破綻することは、個人の問題もあるが、組織や社会に波及したり、国家間の戦争といった悲惨すらある。私は戦争を知らない世代なのであるが、若い頃は学園紛争などで学園が大混乱し、人間関係がズタズタになっていく姿を垣間見た経験がある。怒りの感情の処理は大変重要だと思う。

 ところで、昨日は東京都江東区の清澄庭園を訪れた。一度行ったことがあったが、最近縄文時代の勉強をして石にも興味を持つようになり、庭石で有名な清澄公園に是非行きたくなったからだ

沢山の石を楽しみ雰囲気を味わったが、この庭園は岩崎弥太郎に縁のある庭園で、明治時代は別邸として私的な迎賓館のように使ったようだ。庭石等は旧石器時代からの日本の伝統的な再生のシンボル的な青色が多く。大寒のこの時期であっても、何かこころが安らぎ平安感が訪れたようだった。

怒りの感情にはいろいろあるが、私の場合は疑惑・恥辱といった感情がベースになることも多い。U先生に教えていただいたが、エリクソンの理論を援用すると、「疑惑感、自律性、意思力、怒り、友好的感情」といったキーワードを思い出すと良いらしい。

怒りの感情が秘められているとき、親しい友人との語らい、あるいはこうした清澄庭園といった場所にくると、自分の怒りがトーンダウンして、疑惑感かなと気づくものである。その時に自律性と意思力を思い出す。一般に人に期待することは無理な場合が殆どである。他者に期待するより自分のできることをするのが早道だ。そんな自律性を思い出してみる。次に、疑惑感で妄想する暇はないというように自律性に基づいて意思決定をしてしまう(自他肯定のスタンスで)。すると不思議なことに怒りが友好的感情に切り替わる。

怒りの感情を、ちょっと間をおいて検討する。その仕方はいろいろあると思うが、私の場合は、そんなふうにすると疑惑の場合などは良いようである。そして、自己事例を積み重ねていく。

青い石、例えば蛇紋岩のような石は、古墳の石槨などにも多様されたようだ。さらに、先日も国立で緑川東遺跡の敷石や石棒を見たが、全てがみどりということではないが石の存在感は大きい。石は植物・動物と違い、時間を越える永遠性を彷彿させる。縄文時代に祖先が墓や配石遺構を作ったのも分かるような気がする。

怒りを考える 1/10

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