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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

死と再生の物語(停滞感からの脱出 10/10)

2019-01-29 | 第九章「愛」

 仕事を勤め上げ定年を迎えてからしばらくすると、生活の中ではりを無くし停滞感に苛まれる。これは、生き甲斐の心理学を学んでいる私にとっても無視できない問題である。

 私は定年ということで退職した経験はないが、長年勤めた仕事を辞めて特定の職場文化から遠ざかるにつれて、無意識のうちに信じていた何かが無くなるようで、それと共に見えなかった感情が見えてくることを経験した。

 そんな中で見えてくる停滞感は厳しいものがある。エリクソンによれば停滞感は35歳ごろに始まるというが、それは世話や生殖性に気づき新しいエリアに挑戦する事のようで、そのポイントをクリアすることで平安感を持つようになる。確かに、他者や自分の世話を生活の中にしっかり盛り込むようになると、自然にある種の停滞感は消えていくようだ。世話は私の経験上とても大事な知恵と思うが、実際は技能取得とか忠誠心など、今まで経験し成功した方向にのめり込むところがあり、それ故に悪戦苦闘することも多いと自戒をこめて思う。もちろん、こうした経験も大切ではあるが身を滅ぼさないことはもっと大事だと思う。

 さて、日曜日に相模原市の「縄文学事始」で阿部友寿先生の公開講座を受講させて頂いた。縄文時代の墓と祖先感ということで深く感動したのは、縄文時代の関東・中部エリアの後期・晩期(今から2500~4000年くらい前)の墓抗や配石遺構についてでした。お墓は今と同じようにゆかりのある人を心を込めて埋葬するということで当然なのですが、さらに再葬したり火葬したりし、100年、200年といった時を経て、墓抗群の上部に配石(何らかの祭儀に関係する)し聖地を作り、その後も何らかの形でその場所を使っているのです。それは800年とか1000年といった長期にわたるもので、当然知らない昔の祖先へも心を込めて祈るのでしょう。今の日本人の常識を越えているようです。

 当時は文字文化が無いとされているので、祖先の伝承は何世代にわたり口伝されたと考えられます。文字を持つことは人類史では5000年とかの歴史にすぎないのですが、口伝はそれこそ1万年、10万年といった歴史を持つのだと思います。「言葉は神と共にあった」は新約聖書のヨハネ1-1で、たかだか2000年くらい前の記録に過ぎないと言われてしまうかもしれませんが、その言葉や口伝への感覚に私たちも何となくうなずくのです。それは私たちのDNAに深く刻まれているのかもしれません。ただ、今の情報社会にあって、私たちは本質的なことに対して鈍感になりすぎているのかもしれないと、自戒を込めて思うのです。

 特に宗教や神話といわれる領域については、その時々の政治状況などの環境で、著しく歪められて一般に解釈されるのは今も昔も変わりが無いようです。ただ、その中にも目指すべき核心の部分があり、そこに迫る道も確実にあるのだと思います。例えば3000年前といったの縄文時代の祖先も、いろいろな情報に踊らせられたかもしれませんが、日本列島では都市国家のようなより政治的な社会ではなかったようで、その分、その時代の宗教も純粋だったかもしれません。今の世の中でも宗教に関係するとなると、すぐにステレオタイプな言葉や概念に踊らされたり、何故かケルトの祭りやよく分からない巻き寿司を食べることになり驚きます。しかし宗教の本質は非常に個人的なものでもあり、自分の内を見つめることが近道かもしれません。

 私は停滞感の中で生きていることを認めつつ、それ故縄文小説を追求しようと思っています。それは、もちろん考古学などの知識も必要なのですが、自分の内の深い何かが祖先の何かと同じだということを信じ、自分の内を探求することかもしれません。当然ながら、それは死と再生の物語になるのだと思います。

停滞感からの脱出 10/10

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