世の中には、名演説というものがある。そして混乱感の中から多くの聴衆が何か光を感じ統合される。マザーテレサやキング牧師の演説など戦後生まれの私たちは、欧米の偉人たちの演説をすぐ思い浮かべてしまう・・・
さて、奈良時代の持統天皇をはじめとする有名人の素人研究をしている私だが、やはり心理学を基盤にしているために感情のこもった肉声を聞きたくなる。それで万葉集、日本書紀などの歌などに期待をしたりするのだが、最近になって素人を暴露するようで申し訳ないが、続日本紀の天皇・上皇の宣命の重大さを知った。当時は漢文がふつうだったが、天皇の言葉を肉声的に口語で表現する。それが宣命と言って大きな間違いでもないかもしれない。
平城京の朝堂で高級官僚を集め女帝が実際に演説したのだろうか?その口語的な記録が宣命として残されている。文武天皇、元明天皇などもとても興味があったが、一番感動したのは奈良時代の女帝で政治的にも、藤原氏等の強力な貴族などを失って、しかも草壁皇子の皇統を唯一背負う孝謙天皇・称徳天皇(重祚)だ。
この女帝は道鏡との関係で様々に過度に中傷・馬鹿にされてきたように思うが。その宣命を読むと、なにかとても心をうつ。混乱する女帝、混乱する政権・官僚の中で、草壁皇子の皇統を継ぐ意志(アイデンティティ)、光明子への忠誠、そして道鏡が影に隠れてはいるが仏教への帰依(忠誠)は絵に描いたようで、混乱感・錯乱感を解放させてくれる。きっと、朝堂に集まった官僚たちは迫力ある肉声に感動し拍手喝采したかもしれない。
優れた演説は歌と同様に何か言霊を感じてしまう。
古代史の錯乱からの統合 5/10
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森 裕行 | |
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