イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

鉄格子の中から!

2009-01-19 | 第三章「無意識の世界」

 動物園は好きであるが、鉄格子の冷たさは嫌である。

 虎やアジア象などの檻は太い鉄格子で、安全のためと判っていても、ちょっと可哀そうである。写真はオーストラリアのエミューで、背丈もあり、きつい眼つきで、存在感があった。しかも、安全な動物と聴いているが、その時は鉄格子の中にいて、じっと私を見つめていた。

 私は、物理的な鉄格子の中に住んだことはないが、昔自分で作った窮屈な世界に閉じ込められたことはある。

 15年くらい前であろうか、今まで良好であったある人との関係が悪化し、自分ではどうしようもない・・・というような苦悩を味わった。本当に鉄格子のように現実は厳しく閉ざされ、他者を全く変えられない自分の無力さを嘆いたものだ。

 当時はまだ勉強していなかった「生き甲斐の心理学」から考えると。私のある人への「~すべき。」という理想(心理学では構成概念と言ったりする)と現実(そのとらえ方もかなり独断的)のギャップで苦悩していたわけである。

 「~すべき。」という背後には、自分の育った環境からの常識や考えが厳としてあり、それは自分の信じて疑わなかったアイデンティティ(自分らしさ)と密接に繋がっていた。

 「~すべき。」は鉄格子のようになっていた。

 こういう状況の場合、北風と太陽の寓話のようで、北風でますます思い込みが固くなることもあるが、ちょっとした暖かさに触れて、外套を脱ぐことができることもある。

 15年前のあの時と、今、自分はどのように変わったか。ほとんど変わってもいないようであるが、年をとった分あるいは「生き甲斐の心理学」を学んだ分、ちょっと高みに移動し、見通しが良くなったことがあるかもしれない。

 今まで、つまらないことが引っ掛かり感じなかった、あの時、あの場所の人の優しさに、後の祭りで気づくことが増えた。

<対人関係7/8>

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