クワガタ~スズメバチ等の覚書

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朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

チャイロマルバネ・8-産卵能力

2018-10-28 23:28:16 | チャイロマルバネ

はじめに

日本にはたくさんのクワガタムシが生息しており

自然下では毎年繁殖が繰り返されています。

そして、種によって産卵する場所や数は異なり様々な産卵スタイルが存在します。

そんな日本産クワガタムシの中で最も多く産卵すると思われる種は

おそらくオキナワマルバネや、ヤエヤママルバネなどの

大型のマルバネ属ではないかと思います。



これらの種は1.5か月ほどの寿命の中で100卵以上産むこともあり

短命種のアクセル全開はものすごい爆産につながります。



一方、人気のオオクワガタは数年生きることはできますが

大型マルバネのように短期間で100卵も産むことはまずありません。

オオクワガタの場合、生涯通しても100卵には満たないのが普通のように思います。


チャイロマルバネの産卵能力

*マットをはじめとする画像は光の加減で実色とは異なります

*マットの作り方は記事「難関種マットの作り方」をご参照ください

 

難関種マットの作り方 - クワガタ~スズメバチ等の覚書き

はじめに現在、ヤエヤママルバネやオキナワマルバネ等の国産大型マルバネの飼育方法はほぼ確立されており、愛好家に広く知れ渡っています。一方で小型種であるチャイロマル...

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*産卵結果を追記(2018年11月23日)




チャイロマルバネの寿命は大方国産大型マルバネと同じです。

昨年のマットテストで産卵能力に関して感じたことは

マット・温度・湿度等が適した範囲であれば本来50~70卵くらいは産む種なのではないか?

ということでした。



今年は採卵だけでなく、数も意識して昨年より大きめの容器でセットしました。

また、マットも1回目は昨年の使い回しでしたが

2回目からは新鮮なマットに切り替えました。

セット期間も1回目は5日間でしたが、産卵確認ができたので2回目は17日間放置しました。

↓ 2018年10月9日(母虫)


1回目の掘り出しでは、つぶし1卵を含む8卵採れました。

2回目は17日間とかなり長く置きましたが、その間母虫はほぼ潜りっぱなしの状態で

容器側面には複数のトンネルが見て取れました。

↓ 2回目は今年作ったマットで再セット(底部は必ず硬詰め)

↓ マットの陥没=産卵してる目安(中央上付近)

↓ 容器底部に描かれた曲線は母虫によるもの

↓ 底部には卵が見える


二回目の掘り出し(10月28日)では、母虫によりほぐされたマットを取り除き

底部に固まっている部分と区別して発見できる卵の数を見ました。

その結果、柔らかくほぐれた部分から出てくる卵は少なく

固まった状態の部分からは次々と卵が出てきました。

↓ ほぐれたマットを取り除いた状態



↓ マットから出てきた





↓ 母虫がすっぽり入るくらいの穴

↑ ↓ この塊(ピンポン玉程度)からは3卵


掘り出しは、取りこぼしと数え間違えのないよう慎重に入念に行いました。

その結果、本日出てきた卵の数は、84個でした(つぶし2)

ある程度多く産んでいそうな予感はしていましたが

ここまで産んでいるとは思いませんでした。

↓ 10月28日の採卵


延べセット期間22日、掘り出し2回で、計92卵確認できました。

1日の産卵指数は4.18卵になり、今回の環境はチャイロマルバネが好む産卵条件の

中央値に近いものと推察しています。

掘り出し後は3回目のセットを行いました。

母虫は蛹室から自力脱出して今日で35日になります。

思いのほか力強くマットに潜っていきましたが

体力の限界はさほど遠くないと思われるため

今後の産卵数は低下していくものと想像します。



今回の採卵からみた種としてのチャイロマルバネの産卵能力は

100卵前後ではないかと今のところ思っています。

↓ 卵回収後、再び潜っていった

↓ 管理温度はだいたい22度前後


*追記(2018年11月23日)

 延べセット期間46日で126卵

 最終的な一日の産卵指数は3.65卵

 母虫生存期間は蛹室自力脱出から58日


卵の管理

昨年は初齢の段階でたくさん落としてしまい課題を残しました。

今年の卵~若齢幼虫の管理は昨年のテストや、ブログを通して知り合った

あらさんからの経験談などを参考にプラケースに基マットを敷き詰め

小穴に全て投入しました。

このまま上手に育ってくれることを祈ります。






おまけ 

↓ 昨年生まれの終齢は、広目の空間を作り暮しています



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしいです! (あら)
2018-10-31 00:21:55
こんばんは。
爆産ですね!おめでとうございます。
卵の状態も写真からは安定してそうですね。
私は昨年80くらいの卵を消滅させてしまいましたので、是非無事に育ってもらいたいですね。
ですが、早くも大量に産卵させられる状態をつかんでおられるのには脱帽です^_^
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若齢飼育 (こよみ)
2018-10-31 19:22:10
あらさん こんばんは。

卵は、死卵みたいなものが数個ありましたが、その他は成長しているようです。

私も昨年は初齢幼虫でたくさん落としたので、今年は産卵用マットだけで様子を見てみます。

去年の初齢マットテストで少しわかったことがありますので、今年はそれにかけてみます。

それにしても摂食なしで、次から次へと蔵卵できるのは不思議ですね。
本当に幼虫期にため込んだ栄養だけで3桁に迫る蔵卵が可能なのか「?」に思っています。

クサギカメムシのように交尾時にオスがメスに栄養分を送っているのではないかと勝手な想像までしてしまいます。
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