貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

この色何色?

2022-02-27 11:41:48 | 漫筆

(すみません、最初の投稿で写真がダブってました。こんなミスばかりやってる。ボケたか。)

先日御徒町のクリスタルワールドさんに行った時の話。
前に五反田で買ったコールマナイトとほぼ同じ石があった。

で、これ、あちきには大問題の石で。
というのも、これをあちきは「紫」だと見ていた。ところがカミさんは茶色だと言う。
えええええ? となった。
で、御徒町のスタッフの人に「これ、何色ですか」と聞いてみた。答えは「茶色」。二人とも。一人は「これが紫に見えるんですか?」と怪訝な顔。そんな顔しなくてもいいだろう。
おお、ショック。あちきは内心カミさんの青色感受性が低いのではと疑っていたのだけど、問題はこちらだったか。
前にツィッターで上げて「何色に見えますか」と尋ねたことがあるんですけど、誰も反応してくれなかった(T_T)。(懐かしいねこの顔文字)

同じ感じで、このヴェスヴィアナイト。あちきにはやはり紫ないしは濃い葡萄色に見える。カミさんは「緑がかった茶色、ワカメの煮くたれたような色」とひどい。



どうもこのあたりの色は危ない。
もうひとつ。高品質でないチャロアイトのペンダントトップ。チャロアイトなんだから、紫であるのが当然。いくら低品質だと言っても茶色はないと思う。しかしカミさんは茶と言う。困る。カミさんの友達は紫だと言うので少し安心した。

これも高品質でないチャロアイトのブレスレット。これはさすがに紫だろう?


ちょっと色の系統が変わるけれど、このフローライトのブレスレット。

ブルーと思って購入したもの。カミさんはグリーンだと言う。
暗いところでは青っぽくなるけど、照明によって緑に見えなくもない。
電車の照明でも、会社によって色が違う。
昼間の光では……まあ、ブルーグリーンか、グリーンブルーか。(それ違うのかよ)

     *     *     *

人間の個人知覚・認知は、実は明証不能である、という大命題がある。
あんたが見ている世界とおいらが見ている世界とは、実は全然違うんじゃない? というもの。一応話が通じているけれど、実は全然違っていたりしないか? と。
端的に言えば、あんたが見ている赤とおいらが見ている赤とは、本当に同じ色?
これは哲学的難題で、明確に証明する方法はない。
まあ証明できなくても問題はない。話が通じて世界が回っていれば、それでいい。難しく言えば構造的に完全に同義であればその奥の実在はどうでもいい。実在もそれに対する個人の知覚・認知も、明証は不可能である。
まあ、実はあちきらはそういう明証不能な世界に生きているのですのよ。(何だその語尾は)

で、そんな話はどうでもよくて(どうでもいいのかよ)
色彩の知覚にはかなり個人差があるらしい。
人の目が色を感じ取る際に、人によって微妙に違う。脳の認知構造のブレとでも言うのか。

何年も前に話題になったこのドレスの写真。

青と黒という人と、白と金という人がいる。あちきには薄青と薄紫に見える。
これをめぐっての喧々諤々はこちら。面白いからぜひ見てみてください。
結局結論のようなものは出なかったようで。

あるいはこの上着。有名な映画監督がこれを「紫」と言ったというので、ツイッターで話題になった。

茶色だろ、という声が多かったらしい。あちきは赤茶ないし海老茶かな。赤紫に見えなくもない。

みんなけっこうばらばら。

ただ、「傾向」というものはあるような気がして、どうも、あちきの目は青を強く感じ、その補色に当たる黄色をあまり感じないのではないか、と思うのです。
同じ石を見て、カミさんは緑と言い、あちきは青と言う。青を強く感じ黄色を弱く感じればそうなりますわな。
で、先のコールマナイトも、青を強く、黄を弱く感じるあちきが見ると、紫に見える。のかな。一般的には茶と紫の間あたり、かな。
こう言うと、あちきの色彩知覚が異常だということになってしまうけれど、前掲のドレスの写真で、あちきと近く「青と黒」という人も多いので、あちきだけが特別異常ではないと思うのですけどね。

     *     *     *

認知の違いが出るのは、微妙な色に対してであって、はっきりした色では、さして異論は生じない。赤や青のはっきりした石は、その色に見える。人と話がぶつかることはない。

色というのは実に厄介なもので、あるものがある色に見えている時、実はその色の光にはきわめて多くの波長の光が含まれている。
たとえば、アレキサンドライトのように、通常光では青、白熱球では赤になるものは、実は、人間の目では認知できないけれど、通常光には特定波長の青の光、白熱球光には特定波長の赤の色が含まれていて、石はそれを選択して反射している、ということらしい。
つまり、あちきらが赤とか青とかいっている光には、実はそれ以外のたくさんの色が含まれている、ということ。
前にも書いたけど、同じ蛍光灯系の電車内照明でも、会社によって、ブレスレットの色は全然違って見える。
で、微妙な色の石というのは、かなり異なる色の光をいくつも混ぜて反射している。それで、どれかの色を強く感じるか弱く感じるかで、かなり「色」の違いが発生する。ということなのではないかな。
前掲のドレスの写真でも、青を強く感じる人には、含まれている青の光が優勢に認知され、黄を強く感じる人には、黄色に近く認知される。
それは必ずしも個人の問題ではなくて、性別や人種による傾向性というのもあるような気がする。日本人は青と緑の区別が曖昧だとよく言われる。交通信号は青か緑か。あちきはよくわからないけど、同じようにわからない人は多いのかもしれない。

まあ、あちきの場合、微妙な色の場合、茶→紫、緑→青に感じることがあるということで、それは自覚しておかなければ話がぶつかる。
でも、いろいろな石が紫に見えるのは、けっこう紫というのはきれいな色だから、得なことかもしれない。
まあ、話がとっ散らかったけど、そのあたりが落としどころかな。(別に落としどころなぞいらんわ)


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