貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

トゥグトゥップ石(ツグツパイト)

2022-02-13 13:48:22 | ややレア

ツクツクボーシと度々いじってきましたけど。
Tugtupite。ツグツパイトとかタグタパイトとか、ひどい場合にはツグツバイトとか書かれます。んんもお。(何だよそれ)
名前の由来はグリーンランドの地名から。トナカイを意味するグリーンランド語 tugtup を冠した岬付近で1960年に発見された。
tu をタと読むのは英語じゃないんだからおかしい。ツと書くのも古くさい。トゥグトゥップ石、トゥグトゥップアイト、トナカイ石あたりが原名に忠実でしょう。
いずれにせよ、ジジムとかツクツというのは、やめてほしい。あちきは断乎反対します。(

 

組成は     Na4BeAlSi4O12Cl。
ハックマナイト Na8Al6Si6O24(Cl2,S) と同じく
ソーダライト  Na4Al3(SiO4)3Cl
の一種ですね。ハックちゃんが硫黄入りなのに対して、トゥグちゃんはベリル入り。おお、ベリルじゃん。美しいよベリル。【追加注記:鉱物学的には「ヘルビン・グループ」の一員で、そのグループ自体がソーダライト・グループのサブグループとみなされることがある、ということらしいです。】
蛍光鉱物。ソーダライトはよく蛍光しますし。

VEC Stone さんの解説を引用させてもらいます。
《色は濃い赤色から明るいピンク色、オレンジ色に近いものもあり、多くは白色とのまだら模様です。本来は、赤い鮮赤色をしていますが、室内では徐々に退色します。太陽光線や紫外線ライトを照射すると赤色に戻ります。これは何度でも繰り返すことは出来ます。》

紫外線蛍光後に色が変わる「テネブレッセンス」については、前にハックマナイトの記事で書きました。ハックマナイトは紫、こちらは赤。それがしばらく持続するという、不思議な石です。どうも、エネルギー状態で変わる電子軌道が2つあって、蛍光時は外側に出て(戻る時発光)、その後はもう少し内側の軌道にしばらく居続けるらしい。よくわかりませんけど。
ただしテネブレッセンスとは、もっぱら紫外線照射直後にごく短い間発光する現象を言うもの。日本語では燐光。このお二方のように発光ではなくしばらく変色が続くというのは、珍しいのではないかと思います。つか、これテネブレッセンスと言う?

ネットで見るとえらく高い石で、面白そうだけど諦めていたのですが、クリスタルワールド立川店さんで、お安いミニ標本が売られていたので、即購入。ありがたい。

淡いピンクに所々暗い赤が混じる。といっても赤が「本鉱」でほかは母岩ということではないみたい。全体がトゥグトゥップアイトなんだと思う。ベリルを含んでいるせいか、結晶面がキラキラしてきれい。
そして長波UVライトで蛍光。それが実に美しい。
石の蛍光で、「すげえ」と思うことは多いですが、「おお、美しい」と本当に思ったのは、実はこれが初めてです。
白い部分は薄青、赤い部分は薄赤。そのどぎつくない、軽やかで明るい色が、本当に美しいのです。写真だと薄青がまったく出ません。残念。写真つうものはしょうもないですね。(君が下手なだけじゃないかな)

蛍光に対してあまり好意的でなかったカミさんが、「これ、これまでで一番きれいな石じゃない?」と思わずとんでもない暴言を口走ったくらい。
もしかしたら純度の高い高品質品ではないせいもあるかもしれませんけど。
けど、テネブレッセンスというか、照射後に石の色が変わるというのは、あまりはっきりしない。今度太陽に当ててみようかな。

きれいですよトゥグトゥップ石。繰り返します。トゥグトゥップ石。


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