東北周遊旅の6日目、快晴です。ワンコと朝の散歩をしていると道の駅の裏を流れる米代川から白い霧が立ち上って川下に流れていき、蛇行した岸にぶつかって山を上っていきます。この朝はぐっと冷え込んだので相対的に暖かい水面から湯気が上がったのでしょうか。神秘的でした。
この日の午前中は北秋田市のふたつの縄文遺跡、伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石を巡る予定にしていました。いずれも昨年11月に開催されたオンラインセミナー「秋田縄文遺跡世界遺産推進シンポジウム」で詳しく紹介されていた遺跡です。北海道と北東北地方にある17カ所の縄文遺跡がまとまって世界遺産登録を目指していて、このシンポジウムはその一環で開催されたものです。大湯環状列石の存在は知っていましたが、伊勢堂岱遺跡は知らなかったので、行ってみたいと思っていたのです。
しかし、伊勢堂岱遺跡に着いてビックリ、ガッカリ。4月23日まで冬期閉鎖中で遺跡に入れませんでした。おまけに併設の資料館も定休日。広い駐車場や広場は俄かドッグランになりました。
この遺跡は大館能代空港へのアクセス道路建設に際して見つかった4つの環状列石からなる縄文遺跡で、その重要性から県は道路の建設ルートを変更するとともに、建設途中の橋脚をそのまま残すこととしました。
この橋を渡って丘をあがったところに遺跡があるのですが、ロープが張られていて入ることができませんでした。まことに残念。
遺跡発見を機に、近くを走る秋田内陸縦貫鉄道の最寄り駅の名が「縄文小ケ田駅」に改称されました。
次の大湯環状列石も同様に閉鎖中でした。しかたなくワンコの散歩をしているとボランティアガイドの方が奥さんに何やら説明をしています。その話に加わってみると、時間があるなら自分が説明するので併設の博物館「大湯ストーンサークル館」を是非みてくださいという。遺跡を見れないのならせめて博物館だけでも少しだけ、と思って奥さんとワンコを残して入館したのが運の尽き。入るなりこのガイドの方、水を得た魚のように機関銃のようにしゃべりだしました。こちらも聞きたいことを質問するとまた倍くらいの話が返ってきます。そんなこんなで少しの時間どころか、ここに到着してから2時間ほどが経過していました。ガイドさんの説明はよく理解ができたし楽しい時間だったものの、さすがに2時間はやりすぎた。奥さんにも申し訳ない気持ちで車に戻りました。
ワンコと散歩しながら待ってくれていた奥さんが「道路から遺跡が見れるよ」というので行ってみると、中には入れないけど確かにしっかりと環状列石が確認できる。先にわかっていればこれを見るだけでも良かったのだけど後の祭り。
伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石については「実地踏査」カテゴリーにてあらためて紹介したいと思います。
さて、ここまでで昼を過ぎてしまいました。この日は朝ご飯も食べていなかったのでどこかでランチを取りたかったのですが、そんなお店はどこにも見当たらず、とにかく次の目的地である十和田湖に向かうことにしました。十和田湖を見渡す発荷峠の展望台までは30分ほどです。山道をくねくねと登っていき、ちょっと下り道になった瞬間、目の前に十和田湖が現れました。快晴の青空も手伝って、この発荷峠からの眺めはなかなか素晴らしかった。
峠を一気に下って湖畔を少し走って遊覧船乗り場のある温泉街に入ったのだけど、湖畔には観光客の姿はほとんどなく車もほとんど走っていません。ホテルや旅館も開店休業状態の様子だし、すでに廃業して廃墟になっているホテルがいくつもあって、かつての人気観光地の廃れ行く姿を垣間見る思いがして寂しい気持ちになりました。湖畔の駐車場に車を停めてワンコと一緒に散策しました。
ここでランチを取るつもりでしたが、そもそも開いているお店が少なく、ゆっくりご飯を食べようと思わせてくれるお店もありません。仕方なくランチを抜くことにして奥入瀬渓流に向かいました。奥入瀬伊渓流ではところどころで車を停めて写真を撮り、最後は石ヶ戸休憩所に駐車して、ここでもワンコと散策タイムです。午前中の失態で時刻はすでに夕暮れが近づいていました。
時刻は16時。ここから先の予定は深く考えていなかったので、青森市内へいく、八戸へ向かう、弘前城の桜を観る、の3つの選択肢を検討したのですが、ここに来るまでいたるところで満開の桜を観てきたので弘前城もちょうど見頃だろうと思って弘前に向かうことにしました。
弘前へは山越えの道だとわかっていたのですが走ってみてビックリ。山道を登るほどに雪深くなっていきます。道の両側には数メートルも積もった雪が残っていて、まるで立山の雪の大谷のようです。しかも、今まさに越えている山は八甲田山だと途中の道路標示で知って再びビックリ。小さなスマホの画面で弘前へのルートを見ていたので気がつきませんでした。そしてこの記事を書きながら改めてGoogleMAPを見ていると、この雪の壁の道は「八甲田雪の回廊」というのだそうで、ここを走ったことだけでも弘前行きを決めた価値があったように思いました。
酸ヶ湯温泉を過ぎたあたりから下り道になります。黒石市内に降りてくるあたりで正面の岩木山に夕陽が沈む光景が見れました。これもなかなか見ごたえのある眺めでした。
そして弘前市内へ入って気がついたこと。道路沿いに植えられている木はどうやら桜の木なんだけど、全く咲いていないのです。どの木も固く閉ざしたつぼみしか見えません。この状態だとおそらくお城の桜もダメだろうなと半ばあきらめの気持ちで先に進みました。
ここまでほとんど何も食べていない状態だったので、弘前ではしっかりとご飯を食べようと奥さんが晩ご飯のお店を調べてくれました。それが広い通りをひとつ中に入った住宅街の中にたたずむ小さなお店「和ダイニング 花一華」です。
美味しかったなあ。それと、お店の方もお客さんも皆さんとても親切でした。弘前城の桜のことを聞いてみると「まだまだ全然」というお返事だったので、この時点でお城に行くことを断念し、さらに大阪から車中泊できたことを告げて、近くにいい日帰り温泉はないか、それからこの日は洗濯物が溜まっていたのでコインランドリーの場所も教えてほしいとお願いすると、交差点を挟んで温泉も道の駅もコインランドリーもある場所を教えてくれました。「天然温泉花の湯」と「道の駅ひろさき」、そして道路の向かいにコインランドリーもありました。ここを教えていただいて本当に助かりました。
この日はいろいろなことがあって予定通りに行かないことが多くて気まずい空気が流れたりもしましたが、最後にいい気持ちで終えることができました。
(7日目に続く)
この日の午前中は北秋田市のふたつの縄文遺跡、伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石を巡る予定にしていました。いずれも昨年11月に開催されたオンラインセミナー「秋田縄文遺跡世界遺産推進シンポジウム」で詳しく紹介されていた遺跡です。北海道と北東北地方にある17カ所の縄文遺跡がまとまって世界遺産登録を目指していて、このシンポジウムはその一環で開催されたものです。大湯環状列石の存在は知っていましたが、伊勢堂岱遺跡は知らなかったので、行ってみたいと思っていたのです。
しかし、伊勢堂岱遺跡に着いてビックリ、ガッカリ。4月23日まで冬期閉鎖中で遺跡に入れませんでした。おまけに併設の資料館も定休日。広い駐車場や広場は俄かドッグランになりました。
この遺跡は大館能代空港へのアクセス道路建設に際して見つかった4つの環状列石からなる縄文遺跡で、その重要性から県は道路の建設ルートを変更するとともに、建設途中の橋脚をそのまま残すこととしました。
この橋を渡って丘をあがったところに遺跡があるのですが、ロープが張られていて入ることができませんでした。まことに残念。
遺跡発見を機に、近くを走る秋田内陸縦貫鉄道の最寄り駅の名が「縄文小ケ田駅」に改称されました。
次の大湯環状列石も同様に閉鎖中でした。しかたなくワンコの散歩をしているとボランティアガイドの方が奥さんに何やら説明をしています。その話に加わってみると、時間があるなら自分が説明するので併設の博物館「大湯ストーンサークル館」を是非みてくださいという。遺跡を見れないのならせめて博物館だけでも少しだけ、と思って奥さんとワンコを残して入館したのが運の尽き。入るなりこのガイドの方、水を得た魚のように機関銃のようにしゃべりだしました。こちらも聞きたいことを質問するとまた倍くらいの話が返ってきます。そんなこんなで少しの時間どころか、ここに到着してから2時間ほどが経過していました。ガイドさんの説明はよく理解ができたし楽しい時間だったものの、さすがに2時間はやりすぎた。奥さんにも申し訳ない気持ちで車に戻りました。
ワンコと散歩しながら待ってくれていた奥さんが「道路から遺跡が見れるよ」というので行ってみると、中には入れないけど確かにしっかりと環状列石が確認できる。先にわかっていればこれを見るだけでも良かったのだけど後の祭り。
伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石については「実地踏査」カテゴリーにてあらためて紹介したいと思います。
さて、ここまでで昼を過ぎてしまいました。この日は朝ご飯も食べていなかったのでどこかでランチを取りたかったのですが、そんなお店はどこにも見当たらず、とにかく次の目的地である十和田湖に向かうことにしました。十和田湖を見渡す発荷峠の展望台までは30分ほどです。山道をくねくねと登っていき、ちょっと下り道になった瞬間、目の前に十和田湖が現れました。快晴の青空も手伝って、この発荷峠からの眺めはなかなか素晴らしかった。
峠を一気に下って湖畔を少し走って遊覧船乗り場のある温泉街に入ったのだけど、湖畔には観光客の姿はほとんどなく車もほとんど走っていません。ホテルや旅館も開店休業状態の様子だし、すでに廃業して廃墟になっているホテルがいくつもあって、かつての人気観光地の廃れ行く姿を垣間見る思いがして寂しい気持ちになりました。湖畔の駐車場に車を停めてワンコと一緒に散策しました。
ここでランチを取るつもりでしたが、そもそも開いているお店が少なく、ゆっくりご飯を食べようと思わせてくれるお店もありません。仕方なくランチを抜くことにして奥入瀬渓流に向かいました。奥入瀬伊渓流ではところどころで車を停めて写真を撮り、最後は石ヶ戸休憩所に駐車して、ここでもワンコと散策タイムです。午前中の失態で時刻はすでに夕暮れが近づいていました。
時刻は16時。ここから先の予定は深く考えていなかったので、青森市内へいく、八戸へ向かう、弘前城の桜を観る、の3つの選択肢を検討したのですが、ここに来るまでいたるところで満開の桜を観てきたので弘前城もちょうど見頃だろうと思って弘前に向かうことにしました。
弘前へは山越えの道だとわかっていたのですが走ってみてビックリ。山道を登るほどに雪深くなっていきます。道の両側には数メートルも積もった雪が残っていて、まるで立山の雪の大谷のようです。しかも、今まさに越えている山は八甲田山だと途中の道路標示で知って再びビックリ。小さなスマホの画面で弘前へのルートを見ていたので気がつきませんでした。そしてこの記事を書きながら改めてGoogleMAPを見ていると、この雪の壁の道は「八甲田雪の回廊」というのだそうで、ここを走ったことだけでも弘前行きを決めた価値があったように思いました。
酸ヶ湯温泉を過ぎたあたりから下り道になります。黒石市内に降りてくるあたりで正面の岩木山に夕陽が沈む光景が見れました。これもなかなか見ごたえのある眺めでした。
そして弘前市内へ入って気がついたこと。道路沿いに植えられている木はどうやら桜の木なんだけど、全く咲いていないのです。どの木も固く閉ざしたつぼみしか見えません。この状態だとおそらくお城の桜もダメだろうなと半ばあきらめの気持ちで先に進みました。
ここまでほとんど何も食べていない状態だったので、弘前ではしっかりとご飯を食べようと奥さんが晩ご飯のお店を調べてくれました。それが広い通りをひとつ中に入った住宅街の中にたたずむ小さなお店「和ダイニング 花一華」です。
美味しかったなあ。それと、お店の方もお客さんも皆さんとても親切でした。弘前城の桜のことを聞いてみると「まだまだ全然」というお返事だったので、この時点でお城に行くことを断念し、さらに大阪から車中泊できたことを告げて、近くにいい日帰り温泉はないか、それからこの日は洗濯物が溜まっていたのでコインランドリーの場所も教えてほしいとお願いすると、交差点を挟んで温泉も道の駅もコインランドリーもある場所を教えてくれました。「天然温泉花の湯」と「道の駅ひろさき」、そして道路の向かいにコインランドリーもありました。ここを教えていただいて本当に助かりました。
この日はいろいろなことがあって予定通りに行かないことが多くて気まずい空気が流れたりもしましたが、最後にいい気持ちで終えることができました。
(7日目に続く)
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