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ロシア沿海地方の森林生態系“隣の森”に迫る危機②

2008-12-17 18:23:58 | WWFマガジンより
 特集 ロシア沿海地方の森林生態系“隣の森”に迫る危機②
 
 消えゆく森の命
 少しばかり多様性が失われたとしても、そこに森があれば良いではないか、
と考える人もいるかもしれません。しかし、限られた樹種しか育たない貧弱な
森は、動物たちにとって、生きるのが難しい環境であることが少なくありません。

 例えば、マツ科のチョウセンゴヨウ(ベニマツ)は、リスやイノシシなどの
大切な食料せある松の実をつけます。しかし、チョウセンゴヨウは建築資材と
して需要が高く、各地で過剰に伐採されたことから、現在では商業伐採が
厳しく制限されているほど少なくなってしまいました。食物を失った草食動物が
姿を消してしまったら、それらを糧にする肉食動物たちもまた、その森で
生きてゆけません。

 アムールヒョウは単独で行動し、広範囲を移動しながら獲物を獲って
暮らしています。このため、生息地として豊かで広大な森が必要になります。
アムールヒョウ1頭が普通に暮らして子孫を残してゆくには、草食動物などが
暮らしている、状態の良い森が5,000ヘクタールは必要だと考えられています。
現在、保護区に指定されているアムールヒョウの生息地が1万8,000ヘクタール
にすぎないことを考えると、現在の森の状態が沿海州の大型肉食動物に
とっていかに厳しい状況であるかがわかるでしょう。
アムールヒョウの個体数は、2007年の調査で残り約30頭ほどしかいないと
見られています。しかも、その絶対数の少なさと環境の悪化から近親交配が
進んでおり、奇形や発育不良の個体が観察されるようになりました。
アムールヒョウは、今まさに絶滅の危機にあります。

 シベリアトラやヒグマ、ツキノワグマなどにとっては、引きも切らない
密猟と違法取引が更なる圧力となっています。かねてより沿海地方では
野生生物の密猟が多発しており、2007年には、密猟や違法取引で入手したと
見られる大量の品物が押収されました。1月にはクマの足が360キロ、
シベリアトラの毛皮や骨が3頭分、そしてウシ科のアンテロープである
サイガの角が531本発見されました。これを皮切りに、翌月にはクマの足が
130個、8月にも480キロのクマの足、シベリアトラ1頭分の毛皮と骨が押収
されています。これらは、中華料理の食材や漢方薬の原料として高く売れる
ため、絶滅の恐れのある野生動物の取引を規制するワシントン条約や
ロシア国内法でも狩猟や取引が禁止されているにも関わらず、需要はつきません。
             (WWFマガジン)


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  (WWFのお願いから転写)


 野生生物の命が、人間の欲のために失われる。
貧しい人々にとっては、必要悪なのかもしれません。
でも、欲しがる人がいなくなれば、そんなことが無意味になります。
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