今日の一枚

 小さな幸せを
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仮想水

2008-12-10 18:41:51 | 愛媛新聞より
 『食料海外依存に警鐘』
 香りが食欲をそそる。豚肉のカレーマヨネーズ焼きにカボチャの
ごまいため、カブの含め煮、ご飯。野菜たっぷりのヘルシーメニューが
食卓に並ぶ。ところでこの料理、一体どれほどの水が使われているのか。

 食材ができるまでには多くの水が使われる。穀物や野菜の栽培はもちろん
のこと、それを飼料にする牛や豚も間接的に水は不可欠。
表面上は見えにくい、食料生産に費やされる水資源を「仮想水(バーチャル
ウォーター)」と呼ぶ。

 食卓での仮想水量を調べようと、管理栄養士が集まる株式会社「ヘルシー
プラネット」(松山市)に協力を依頼した。
一般的な家庭料理を作ってもらい、環境省がホームページで公開する
「仮想水計算機」を使って投入量を試算すると―。

 今回の食事、四人分で二千八百九十二㍑。風呂おけ(百八十㍑)十六杯分に
相当する。一人四杯分。「えっ、そんなに」。調理した大田美香さんは
小さな驚きを発した。

 農畜産物や工業製品が世界的に輸出される中、仮想水は厳密には
「消費国で作ったら、どれだけの水資源が必要か」を意味する。

 食料の60%を海外に頼る日本は、食料の形で大量の「水」を輸入している
ことになる。その量は、東京大生産技術研究所教授、沖大幹さんらの
グループの試算によると、年間六百四十億㌧(二○○○年)。
国内で一年間に使う農業用の水量を優に上回る。

 爆発的に増加する人類。水不足や砂漠拡大が深刻さを増し、飢餓と貧困が
渦巻く。「水戦争」が起きると指摘される今世紀、新エネルギーとして、
農産物を使うバイオエタノールの生産が急速に増加する状況は、不気味な
足音が忍び寄っていると思えてならない。

 沖さんが仮想水研究の目的を語る。「日本では水危機と言われても
ピンとこないでしょう。しかし世界の水不足が進めば食料生産に支障を来し、
日本も食料不足で悩むことになる。そのことに思いをはせるきっかけに
してほしい」

 ヘルシープラネット代表の今川弥生さんは二十代のころ、青年海外協力
隊員としてアフリカで生活した。子どもが集落の共同井戸からバケツに
水を注ぐ。決して安全で豊富とはいえない水源だが、命をつなぐ水だった。
「一滴も無駄にしていなかった」

 日本の生活はどうか。帰国後、強烈な違和感を覚えた。
蛇口をひねれば水が出ることが当たり前となり、ありがたさを忘れている。
その日本が国内の水を使わず、海外に依存する現状を「いびつ」だと
痛感する。

 地域の食文化を見直すスローフードの運動にかかわる今川さんは
「輸入ではなく、できるだけ地元の食材を食べないと」と語る。
そして足元から見詰め直す。
「今の水環境がいつまでも続くはずがない。次世代の負担にならないよう、
自分のできることを見つけて一歩踏み出したい」
    (社会部 多田良介)


 仮想水の考え方は、以前に本で読んだことがあります。
水道の整備のない国が、まだ多くあり、水道から水が出ることが
当たり前のことと思っている日本人が多いことでしょう。
もちろん、私も生まれてから、蛇口から水の出なかった経験はありません。
断水の経験もないのです。
テレビで見る遠い国の子ども達の仕事は、水汲み。

日本の輸入する食糧が、水不足の一因になっているのでしょうか。

地元のものを買う・・私の出来る一歩です。

 今、多くの失業者がでています。
減反政策で、あいている農地で働けないのでしょうか?
日本の森も、荒れ放題になっている。
国は、失業対策の一策として、森の整備をしてもらってはいけないのでしょうか?
日本の国は、海あり、山あり、里あり。
きっと、豊富な食料に溢れているのでしょう。

昔に戻るのは難しいけれど、智恵と人力で他国に頼らない食を
取り戻せないのでしょうか?