壁屋の十勝情報

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コンクリート診断

2007-09-18 20:15:44 | 住宅知識・仕事
 1日休むと・・・・仕事が溜まって・・・・疲れたビ~~~

 さて、昨今、耐震問題やら、地震での建物崩壊等が起きたため、マンション等では、建物の強度がどの様になっているのか、調査が進められている最中です。
 元々、鉄筋コンクリート(RC)造の場合、コンクリート設計基準強度は、65年くらい大規模修繕が不要で、供用限界期間が約100年とされていますが、私メ個人的な感覚としては、もう少し早くガタが来るように思います。。。

 RC造の場合、先のコンクリート強度と鉄筋状態によって、建物の状態が変わってきます。

 その、コンクリートと、鉄筋の状態を検査する為、実際の建物の一部を破壊し、実際に検査するのが、『コア採取による劣化診断』と呼んでいる、コンクリート破壊試験です。



 実際に建っているマンションの壁に、『穿孔機』と呼んでいる機械で、マンションの壁の一部をとります。



  これが、建物の壁だった、コンクリートの塊。
 通常、これを、『コア』と呼んだり、『サンプル体』とも呼んだりします。

 模様のように見えるのが、『骨材』(石)で、その他の部分が、コンクリートとなります。
 また、余談ですけど、向って右端の色が違うのが分かると思うのですけど、その部分はモルタルです。

 この『コア』を使って、実際のコンクリートの強度検査を行うことによって、建物の状態が分かる。という仕組みです。
 建物の規模によりますけど、通常は、最下位層(1階)と、最上位層(最上階)のコアを採取します。
 建物のコンクリートは、階数によってコンクリート強度が違う為・・・・その様にするのですけど・・・・・・・建築学になるから、ここまでにします



 『コア』採取した隣に、壁の一部を斫(はつ)り、鉄筋の状態を確認します。


 ちょっと。。。。お勉強を・・・・


 コンクリートにも耐用年数はあります。
 最初にも書きましたが、通常、100年は持たす設計ですけど、実際には、その前で色々と補強をしていかないと、コンクリートの強度がなくなってしまいます。
 なぜ、コンクリートが劣化するかというと、一番の要因が、コンクリートの『中性化』という問題です。

 【以前のブログ:普通ポルトランドセメント】でも書いたのですが、コンクリートやモルタルの原材料となる『セメント』ですけど、これは、『強アルカリ性』で、簡単に書けば、アルカリ性状態でのコンクリートというのは、永遠(?)に強度がありますけど、これが、『酸性雨』や『塩害』等により、中性に近くなると、劣化が始まります。
 また、壁や床に入っている『鉄筋』ですが、これは、かぶり(鉄筋を包むコンクリートの厚さ)が厚ければ、腐食が進まないと言われています。

 実は、他にも色々な要因はありますが、『手抜き工事』(例えば、シャブコン(間違ったコンクリート配合製品)を使ったとか・・・)の場合は、あっという間に劣化していきます。


 建築学ですので・・・・・ここまでにしますか・・・・・




 コア採取した場所と、斫った場所は、モルタルを使用して、元に戻します。
 こうして、採取したコアを『試験場』に持ち込み、色々なことを検査して、問題ないか判断します。


 あくまでも、検査なので、問題があった場合は、建て直しか、補強工事となりますけど、問題が無ければ、安心して暮して下さい。


 建築の仕事をしていると・・・・こんなことまでさせられる・・・・と思っちゃいけない仕事。。。。。かな


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