ひからびん通信

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管首相,暑中お見舞い申し上げます

2010年08月17日 | 政治問題
 管首相あなたは9月に行われる民主党の代表選挙での再選をいかに果たすかで腐心しているおもわれますが,軽井沢での静養で十分英気は養われましたか。

 前回の参院選の大敗の責任を問われ,管首相が次期民主党代表として再選されるかは微妙ですね。
 唐突な消費税発言が敗因だとして厳しく非難されています。しかし敗因が消費税の問題だけでないことは明らかです。子供手当の支給や高速道路の無料化等マニュフェスの多くが実現できなかったという事情もありましたが,一番の理由は,政治主導という言葉だけが先行し,結局は官僚主導に終わってしまっているということが国民に分かってしまったことなのでしょう。

 小沢氏との決別を鮮やかに演出してひと時世論の喝さいを浴びたのは見事でした。
 しかしそれも,風頼みのやり方で地に足が着いておらず,風向きが変わればすぐ支持率など急降下してしまうものです。
 国民目線も大事なことですが,それもほどほどがいいのです。
 党内の権力闘争の面はあっても,小沢氏とは政治主導を目指す同士なのですから,協力し合わなければ事の成就が果たせないことぐらいは自明なのです。

 管首相の唱える強い経済,強い財政,強い社会福祉という第3の道にしても,どうも具体性・実効性があるのかピンときません。社会を突き動かすようなインパクトは感じられず,言っている当人もどこまで本気なのかその熱意が届いてきません。
 
 また増税が経済成長に寄与するという考えにしてもひとつの考え方ではあるが,教科書的な主張の域を出ておらず,説得的ではありません。

 岡田,前原,長妻,玄葉,枝野ら民主党のスター議員たちが意気込んで各省庁の官僚に切り込んでみたものの,現実の政治状況を理念だけで動かすことなどできないこと,強大な組織とゾンビ化した役人たちの協力を得ることの難しさ,そして国会議員と官僚の根本的な能力の違いを思い知らされてなすすべを失って途方にくれているのでしょうか。
 そして管首相も,権力の外から見た風景と現実があまりにも違うことを知り,さてどうしたら国の運営ができるか分からなくなってしまったのではありませんか。

 国家戦略局構想にしても同様です。
 国の在り方のデッサンを描き,それに従って国家予算の組み立てを行うという構想も,当初は聞く人をわくわくさせる高揚を生み,それが政権交代という大事を成し遂げるに至りました。
 しかし,具体的にデフレ経済を成長軌道に乗せ,将来の国民福祉の増大に答えられるよういな国家戦略を打ちた立てることができる政治家が今本当にいるのでしょうか。

 現実の政治経済状況は複雑過ぎて,人の気持ちも変遷し時代は混迷していくばかりです。
 誰もが納得できるような利害の調整は不可能であり,広範な議論をいつまでも続けても結論はでません。
 
 それだからといって以前の旧体制に帰ることもできないのが現実にある迷路と言えます。

 では政治家は,これからの国の在り方の基本をどう示せばいいのでしょうか。

 ただ言えるのは,地方分権ではなく,効率的な中央集権です。そして国の隅々にまで張り巡らされた利権と結び付く旧体制を新しい組織に作り替えることです。
 しかし旧体制の打破は容易ではなく,地方を含めた国民の多くがそれを望んでいないことも事実であり,政治的意思決定の効率化と政治システムの集約化を推し進めるための人材もこの国には足りません。
 
 潜在的な能力を有する官僚も,今のところ事務処理能力には長けているものの,新しい発想のもとで米中に後れを取らない戦略を立案するなどということはおよそできそうにありません。
 だから,いま真っ先になすべきことは,マニュフェスト実現の実力部隊である国家戦略局の創設を早急に行うことなのです。
 国際的に通用する外交,軍事,経済政策を提唱する首相直属の国家戦略局を機能させ,そこに発掘した数少ない人材を投入し,各国の実情を研究させるべきです。

 そのために必要な人材を確保するため,党を挙げて有為な人材の発見と育成に本気で取り組まなければなりません。
 繰り返しますが,最も重要なことは国家戦略局が強力に機能できることなのです。
 それができなければ,管首相は奇兵隊の「高杉晋作」にはなれないでしょう。
 
 



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