ひからびん通信

日頃思ったことなどについてコメントします。

最後のさよなら

2012年12月01日 | 作詞

これで終わるんだろう
鮮やかラストシーンを見るように
青春のツイストラブの終わりは
とびきりの恋をつかむと同時にやってきた

ちぎれた雲が流されて
冬の空の裂け目からうっすらと日が射し始める頃

僕たちは再会の予感を共有しながら
いつの間にか
ためらいの森に紛れ込む

道標がなくても夢中で君を探していると
最後のリクエストが
聞こえてくる

キャンパスノートには滲んだ涙で何も書けない
僕は君を許し、君は僕にデスティニーを返す
そして冷たくなった数千の恋人たちが
時空を逆流しながら一斉に結ばれていく


さよならだけがどうして木魂するの

擦り切れた景色がやっと夕映えに映えてきた

出会うだけの関係がずっと続けばいいのにと
ナイーブな彼に言われたのですか

夜の光の渦が川縁の倉庫の壁に滲んでいる
街の淀みが暗闇の中で静かに洗われる隙に

いつもさよならばかりだったね

頬に当たる雨交じりの風が強く
僕たちが見ていた未来は音も立てずに消えていく

まるで悲しみの海を
夢だけを追って泳ぐ帆船の軌跡のようだ

在りし日の眼差しは孤独の街に住む君のものだから

定められた人生は
埠頭に凪いでいる風に吹かれて、
一瞬だけ、ざわめく