ひからびん通信

日頃思ったことなどについてコメントします。

ひからびんが待ってる。

2016年05月17日 | 作詞
ひからびんが待ってる

雨ざらしの4号館地下の談話室に
僕たちは2度と戻れない
季節と愛を埋めた

僕は君にタイプは誰かと聞く
大人になろうとしただけと
君は3回目の目配せをして答える

あの頃
僕たちは恋人どおしとも知らず
カップ麺を頬張り
いつもの大戸屋のバイトに勤しんだ

ちまちました人生におさらばさ
と言って君は
一人で出ていき
店長に大股こいて
踵落としを決めた

僕は寂しい互助会の輪の中にいて
塩辛いラスクをかじりながら
それでも明日を信じてはにかんだ

そして先回りして
少し賢くなった

都会の喧騒は
君の声も消してしまうし
悲しさも今夜だけは感じない
ニコライ堂の坂に吹く風は
今も優しい

雨が汚れた心を洗い流し
君の声がはっきり聞き取れるくらいの距離まで接近する

抱きしめる姿がゲキシャされても
いいじゃない
だから霧の中で
見つめ合おう

定年間近のおじさんだって
君を盗撮するほど
馬鹿じゃないし

刺激的ポーズを追い求めるのがいいのかは知らないけど
君は今でもチョー大好きだってさ

恋の謎は解けず
胸に閉じ込めた想いが終わる

愛しい人のランジェリーが
ポトンと落ちたら
ジョナサンメイスンしか
知らない道標が見える

リハーサル中の一発芸人のギャグに
アイコンタクして
失笑される

ぐれちまった少年は
一生懸命君にちょっかい出してる
返事はいらないと強がったけど
仕組まれた恋の罠に嵌められ
僕は動けない

ユニクロの店員が爽やかに愛想笑い

婚活パーティーに遅れた
お嬢様の唇が奪われる

井の頭公園の夜はあけない
質素な堅実家の集まる会場に変わっていた
とっちゃん坊やのヤンキー 達もいない

西日の射すアパートの部屋
黒の衣装を纏い
ダサい僕に口説かれてみないか

悩んでる暇はないよ
一生分の告白だから
君への愛は涙に滲んでいる

迷ったら負け
お洒落な恋のハンターに
化粧直しの時間はないさ
勿忘草を飾り

君は無名の暗い瞳の天使
ワンスアポンタイムのように
ドリームはタツゥーに染められ
同じサイクルで都市は人を欺く

昔、公園の水のみ場で涙のかけっこをした僕たち
君に首ったけだったんだね

君の心をかきみだし
ワンサイドラブの街ではぐれてしまうのは

僕が 鈍感で
恋の駆け引きなんてできなかったからですか