昨日東京地検特捜部による小沢幹事長の事情聴取が千代田区のホテルニューオータニで行われた。午後から4時間程度の事情聴取になったようだが,小沢氏は事情聴取後同ホテルの宴会場において,事前に用意したペーパーを報道陣に示しながら,世田谷区深沢の土地取引代金4億円の原資が,長年にわたり蓄財した自己資金等であり,水谷建設からの不正な資金提供等はなく収支報告書に記載しなかったのも,具体的な事務は担当の者が行ったので,実務的な点まで立ち入って関与していなかったなどと特捜部による事情聴取の内容を説明した。
この記者会見はコンパクトにまとまられており,土地代金4億円の原資の一部に家族の預金を充てたということや,不記載の実務は秘書がやっていたため自分は全く分からなかったという点は鳩山首相のケースと類似するところがあるが,小沢氏の会見はおおむね功を奏した言えるだろう。
しかし特捜部が,今後石川議員らの取り調べを継続し,押収した関係証拠を精査検討したとしても,小沢氏の主張を覆して4億円の原資の中に裏献金が入っていたことや小沢氏が収支報告書の不記載に関与していたことを立証をすることは相当困難と思われる。
政治家が,土地代金の支払いや登記さらに収支報告書の作成等の実務を秘書に任せていることは周知の事実であり,収支報告書の詳細をすべて自ら確認することはないと言われたらそれを以上の反論は通常できない。同じようなことは,一般家庭において夫が家計の処理を妻に,会社の社長が経理等を会計担当者に任せているという社会実体があることと同様なのである。
産経新聞の報道だったが,石川議員の逮捕の前からすでに法務省側から小沢氏サイドに,今回の特捜部による捜査は,小沢氏が任意の事情聴取に応じることを条件に石川議員の起訴をもって終結させる旨の意向が示されていたことが明らかになっている(このことは小沢氏サイドから公表することはしなかった)。
ところがその後,石川議員の自殺の危険性が起きたことなどの事情の変化に伴い,現場の特捜部が上層部を突き上げて強制捜査が行われることになり,出来レースの観があった展開は一気に小沢氏と検察の全面対決の構図が変わってしまった。
法務検察の組織全体の足元を見て取った小沢氏が,囲碁の名人と囲碁の試合をしたりして,なかなかセレモニーとしての検察の事情聴取に応じず,特捜部を感情的にさせて上記のように強制捜査に至らせる原因を作り,それがこの問題の落とし所のタイミングを誤らせてしまったのかもしれない。
石川議員の逮捕直後,小沢氏は検察に対し極めて強い態度で対決姿勢を鮮明にさせていた。しかしその後の小沢氏の対応は常に冷静で自信に満ちていた。それは側近に「近々,この問題は終息する。一時検察との対応に時間を取られるかもしれないが,その後は幹事長職を全うし夏の参議院選に臨むたい」などと言っていたことからも窺うことができる。
事情聴取後の記者会見で,小沢氏は検察に対する対抗姿勢は全く表に出さず,報道陣の質問に保護を荒らげることもなく,いつもの「剛腕」の顔は一切のぞかせなかった。
そして最後に,カメラのフラッシュを浴びながら,刑事責任を問われた場合の対応を問われた時も「そうならないため,きょうは事情の説明をしたわけです」と言って苦笑いさえ浮かべたのである。
このようにして,今回の会見は小沢氏の全面勝利を宣言する場になったものと思われる。
いすれそう時間をかけずに問題は終息に向かうのだろう。
なぜか逮捕前に石川議員が,知人に「こんなことで逮捕されるのかよ。本当のことが分かったらみんな何でこんなことで大騒ぎしていたんだと思うだろう。」などと言っていたことが思い出されてしまう。
この記者会見はコンパクトにまとまられており,土地代金4億円の原資の一部に家族の預金を充てたということや,不記載の実務は秘書がやっていたため自分は全く分からなかったという点は鳩山首相のケースと類似するところがあるが,小沢氏の会見はおおむね功を奏した言えるだろう。
しかし特捜部が,今後石川議員らの取り調べを継続し,押収した関係証拠を精査検討したとしても,小沢氏の主張を覆して4億円の原資の中に裏献金が入っていたことや小沢氏が収支報告書の不記載に関与していたことを立証をすることは相当困難と思われる。
政治家が,土地代金の支払いや登記さらに収支報告書の作成等の実務を秘書に任せていることは周知の事実であり,収支報告書の詳細をすべて自ら確認することはないと言われたらそれを以上の反論は通常できない。同じようなことは,一般家庭において夫が家計の処理を妻に,会社の社長が経理等を会計担当者に任せているという社会実体があることと同様なのである。
産経新聞の報道だったが,石川議員の逮捕の前からすでに法務省側から小沢氏サイドに,今回の特捜部による捜査は,小沢氏が任意の事情聴取に応じることを条件に石川議員の起訴をもって終結させる旨の意向が示されていたことが明らかになっている(このことは小沢氏サイドから公表することはしなかった)。
ところがその後,石川議員の自殺の危険性が起きたことなどの事情の変化に伴い,現場の特捜部が上層部を突き上げて強制捜査が行われることになり,出来レースの観があった展開は一気に小沢氏と検察の全面対決の構図が変わってしまった。
法務検察の組織全体の足元を見て取った小沢氏が,囲碁の名人と囲碁の試合をしたりして,なかなかセレモニーとしての検察の事情聴取に応じず,特捜部を感情的にさせて上記のように強制捜査に至らせる原因を作り,それがこの問題の落とし所のタイミングを誤らせてしまったのかもしれない。
石川議員の逮捕直後,小沢氏は検察に対し極めて強い態度で対決姿勢を鮮明にさせていた。しかしその後の小沢氏の対応は常に冷静で自信に満ちていた。それは側近に「近々,この問題は終息する。一時検察との対応に時間を取られるかもしれないが,その後は幹事長職を全うし夏の参議院選に臨むたい」などと言っていたことからも窺うことができる。
事情聴取後の記者会見で,小沢氏は検察に対する対抗姿勢は全く表に出さず,報道陣の質問に保護を荒らげることもなく,いつもの「剛腕」の顔は一切のぞかせなかった。
そして最後に,カメラのフラッシュを浴びながら,刑事責任を問われた場合の対応を問われた時も「そうならないため,きょうは事情の説明をしたわけです」と言って苦笑いさえ浮かべたのである。
このようにして,今回の会見は小沢氏の全面勝利を宣言する場になったものと思われる。
いすれそう時間をかけずに問題は終息に向かうのだろう。
なぜか逮捕前に石川議員が,知人に「こんなことで逮捕されるのかよ。本当のことが分かったらみんな何でこんなことで大騒ぎしていたんだと思うだろう。」などと言っていたことが思い出されてしまう。